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若宮さんの憂鬱日記  作者: 咲野 音葉
16/46

頑張りましょう



今日は金曜日。



何となく花のある曜日だし、部活に入っていない私には明日が土日という嬉しい日でもある。


そんな事もあって、朝学校に行く足取りも大分軽かった


…はず、なんだけど



「え?金曜日は委員会が必ずある日でしょ??」


少し久しぶり(な気がする)な柚花がサラッと、とんでもない事を言った。


「…え?」


私は今日が金曜日の為、柚花に放課後遊びに行こうとお誘いをしていた…んだけど


「え?えっ?!聞いてないよ!!」


「そりゃあそうね、前回はそれ所じゃなかったんでしょ?」


若干哀れみの目の柚花。


そうだった、あの副委員長騒動以来、まだ一回もやってなかったなぁ。委員会

…本当だったら、そこで取り消して貰えるはずだったのだと思うと悲しくなってくる。


「まぁ頑張って。…あ、私今日は先に帰ってるわね」


「柚花ぁーー!」


…うん、私の友達は冷たいです。


嫌だなぁ。行きたくない…

他の人からすれば〝しょせん委員会〟だろうけど私からすれば大問題なのだ

なんせ、あの優人先輩と昼休みだけでなく放課後会わなければならない。私の体力と気力にも限度がある。


「小那都、授業はじまるよ」


チャイムが鳴っていた事にも気づいていなかった私に柚花が言う。



あー、なんか久しぶりにちゃんと名前呼ばれた気がするなぁ。


私はとりあえず嫌な事は後にまわして、最近ちゃんと受けていなかった授業をマトモに受ける事にした。






きーんこーん




「こなっちゃん!!ちょっと来て!」


と、いきなり教室に入って来たのは優人先輩。


…まだ3時間目なんだけどなぁ。

あ、遥ちゃんと未来ちゃん(すごく久しぶりな気がする)こっち見てるー。何か羨ましそうだなぁ。変わりたいよ、うん


「…どうしたんですか?」


私が聞くと、手招きしてくる優人先輩。

…私は犬か。


先輩に呼ばれるまま廊下に出ると


「…?」


あれ?おかしいな…。視線が痛いような。どこからの視線??


「こなっちゃん?どうかした??」


私がキョロキョロ周りを見ていたせいか優人先輩が尋ねて来た。


「…いえ、なんでもありません。気のせいみたいなので」


…うん、そうだ。気のせい気のせい!視線なんか感じてない!よし!


「それより、どうしたんですか?」


この人はいつも急過ぎるんだよなぁ。


「じゃーんけーん」


いきなり優人先輩は手をグーにしだした。


へ?!

ちょちょちょっ!まっっ!!


「ぽいっ!」


わわわ!


私はとっさに出したのでグー(手を変えれなかったんだよね)


優人先輩はパー



あれ、うん。負けたけど


「…あの、なんですかこれ」


私は訳がわからなかったので聞いてみた。


「よっし!今日は任せた !」


パーの手のまま、優人先輩はそういってばいばーいと廊下を歩いて

…ってちょっ、ちょっと待ったあぁぁぁ!!



「先輩?!何なんですかこのジャンケン!任せるって…何を」


…まさか


「委員会をー♪」


やっぱりーーー


「いやいや、おかしくないですか。そんなジャンケンってわかってたら私もっと真面目にやったんですけど」


「あれ?そこなんだ??」


あぁ、この人につっこまれた!…てそうじゃなくて


「委員会は委員長が進めるものでしょう?こんな適当な」


私はとりあえずおかしな所をあけまてみた。


そうだ、おかしいよね??何の為の委員長さ!


「副委員長って委員長をサポートするのも仕事の内でしょ?」


「サポートと押し付けを一緒にしないでください!!!」


あーもー、なんっっでこの人は毎回毎回こうもめちゃくちゃなのかなぁ??!


「~~っっ、とにかく!!!私は嫌です」


どーだ!私も大分優人先輩に言えるようになってきたぞ!


「えー、何やればいいのかなぁ?」


「普通の事をやればいいでしょう?!やる気あるんですか!」


「いやー、あるか無いかって言われたら無…」


「わー!わかりました!わかってますから言わないで!!!」


これは心の中だけで留めとくべきだと思うんだ!うん!


「…じゃあ、あの、私もサポートはしますよ。なので、あの…ちゃんとやりましょう?」


はぁ、妥協というか。まぁ仕事だしそこらへんは我慢しよう。


「んー、わかった。じゃあサポートお願いね」


ぽんっと優人先輩は私の頭を撫でてきた。


…あれ??なんかもっと言われると思ったけど、なんか案外あっさりOKされたぞ??


…この手は謎だけど。わっわしゃわしゃしないでー!頭が鳥の巣になる!!


あ、私みちゃったよ。目ぇあっちゃったよ。


「そ、それなら良かったです。じゃあよろしくお願いしますね!」


それだけ早口に言って私は優人先輩から離れ、教室に向った。





うん、睨んでたんだよね。

気の強そーな女子の先輩方が。


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