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若宮さんの憂鬱日記  作者: 咲野 音葉
15/46

授業はちゃんと出ましょう。


ふわふわふわふわ、気持ち良い。


ずっとこうしていたいな。なんて思ってしまうほど…


…あれ?私は、何をしていたんだっけ??




えーと。





「こなっちゃん!起きて!」


「っっわぁっ!?!」



…あぁ、そうでした。お帰りなさい、私。

優人先輩と一緒に寝ちゃったんだなぁ。そして現実逃避…と、


もう少し寝ていたかったなー。


…て、あれ?



「あ、あの??優人先輩。これは…??」


私は少し戸惑いながら聞く。


んーと、どうしよう。起きたばっかりだから頭が働かない



…何で私優人先輩に包まれてるの


「えーと、俺が寝てしばらくして君が寝たんだけど。段々と倒れてきちゃって、俺が膝を使えなくなっちゃったからとりあえず、こなっちゃんを枕にした。」


と、優人先輩は的確かつスピーディに今の状況を語ってくれた。



わー、わかりやすぅい。


「…それは、えーと、なぜ」


そうだ、経緯はわかったけど意図がまっったく分からない



後ろからえーと、と声がする。

後ろ…というか頭の上らへんから…


うーやめてほしい、くすぐったいし!


私が少しバタバタすると、優人先輩は(多分)笑った。


「ふっ、え…とね、こなっちゃんが硬いコンクリートの上で寝るのは可哀想かなーって思って」


やっぱり笑いに堪えきれなかった様子の優人先輩が言う。


…後ろだと様子がわかりにくいんだよなぁ


というか、何気に腕枕みたいになってるんですが、えー、本当に恥ずかしいんだけれども。何コレっっ!!


「…っっ、わっ、わかりました!経緯も意図もめちゃくちゃなのはよおーーっくわかりました!!だからっ、そのっ、は、放してくださっっ」


「えー?せっかく気持ち良いのにー」



ゔにゃーーーー///!!やめて!ぎゅってしないでーー!!恥ずかしさ倍増だから!!っって、喋る場所変えるなぁあぁぁあ!首もとっ!そこ首ー!!笑うのもやーめーてー!!


「~~~~っっ‼放してくださいー!!」


力ずくで私は優人先輩の腕から出た。

うん、余りにも必死だったから這いつくばりながら出たような形になっちゃったけど、命には変えられないよね?!ね⁈


「…くくっ」


あれ?この人は寝転がったままだぞ??私何かした??


「ふっ…ははは!!」


突然、優人先輩が笑い出した。


「…?え、は?へ?!」


わけわからない


「ははっ!本当にっっ!!あー、こなっちゃん面白いっっ!!」


優人先輩はツボに入ってしまったらしく、苦しそうにひーひー言っている。



…またかっ!ほんっっとに失礼だなぁこの人!!



「…先輩?」


私は少し怒った声で聞いてみる


「あー、ははっ、ごめんごめん‼いやー…本当に面白いから。新鮮で」


優人先輩は涙まで出てきたようで、それを拭きながら適当に私に謝る。


「…何を言ってるのかさっぱり分かりませんがとりあえず失礼過ぎなのは分かりました。」



きーんこーん



「あ、チャイムなったよ?こなっちゃん」


と、優人先輩が私に言う



いやいやいや、なったよ?じゃないでしょ


「…先輩は行かないんですか?これ予鈴なんで後5分位で本令ですよ?」


「え?いーのいーの、俺はサボり」


…昼に来たくせにまたここで寝るの?

えー、この人一回も教室いかないんじゃ…



「じゃ、また明日もちゃんと昼休みにここに来てね」


また眠りに入ろうとする優人先輩


「ちょっ、毎日ですか?!…っていうか、あー、えと、そうじゃなくて!!」


ぐいっ



言葉で表すよりはやい、

私は優人先輩を引っ張って屋上の出口へ向かう。


これにはさすがの優人先輩も驚いたようだ


「優人先輩には、私に失礼な事をした分、少しぐらい仕返しされたって文句言えないと思いますよ。…なので」


二年の教室の前で手を放す


「午後は授業を受けてもらいま す!」


ふん!どーだ‼と思いながら優人先輩をみる


すると



「くっ…はは!!あー、うん、わかったよ!了解、仕返しされとくよ」


…本当になんで笑うんだろこの人??


「…ってあ!?!やばい!あと3分!!」


…と、私は走り出しながら


「優人先輩!ちゃんとでてくださいよーー!!」


そこからはもう、先輩の事はみなかった。それより教室までダッシュ。

え?目立つって??…もうそんな事言ってられませんよ












「…本当に、こなっちゃん最高。」









優人先輩のこの楽しそうな声も私には聞こえてなかった。

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