優人先輩とお昼休み
「さあ!昼休みなったし、遊ぼうか!こなっちゃん‼」
と、優人先輩。
え、正直ものすっっごく嫌なんですが。
「優人先輩!私、友達とご飯でも食べようと…」
「さっ!行くぞー!!」
って聞けぇぇえぇえええぇ!!!
っていうか、なぜ手を掴んでるんですか⁉
そりゃあ、逃げられないように掴んでるんだと思うけど…
だったらせめて手首とか腕にしてくれないかな!!手を握らないでほしい!こうしてると普通に手を繋いでいるみたいになるんですけど?!
あー、ほら何か今ひそひそ話してたよ??絶対あの子何?みたいなやつだよ!!
というか、優人先輩走るの早すぎ…っ、走らなくてもいいのに。
というか、あれ??こっちって…屋上じゃない?
ばん
あー、やっぱり屋上だぁ。私のトラウマの場所だー。
「んー!やっぱり屋上は気持ちいいな!」
「ソーデスネー…」
私が多少棒読みになったのは許してほしい。
「…こなっちゃんは屋上が嫌??」
不思議そうに聞いてくる優人先輩。
そして先輩は私に座るように促したのでそのまま座る。
「いえ、嫌じゃないです。実際日が気持ちいいですし、ここでひなたぼっこなんかしたら最高だと思います…ただ」
「だよな!」
ぽすっ
「え」
また話遮られた…。
…じゃなくて!
「あのぉ、優人先輩?…この状況は…?」
「え?膝枕??」
当たり前じゃない?
みたいな感じで答える優人先輩。
いやいやいや、膝枕?じゃないでしょ。
なにこれ、何かの嫌がらせですか。そんなに私はこの人に何かしたのですか???
「私はどうしたらいいんですか、コレ。」
どうしたらいい、というか優人先輩にココをどいてほしいんだけど…。
そう願いを込めながら私は聞いた。
「え?んー、そーだなあ。こなっちゃんも暇なら寝てていいよ??」
と、また眠りに入る優人先輩。
違うでしょ!え?!膝枕普通なの?!スルーですか‼
しかも眠りの許可まで頂いちゃったよ!寝るの?!この人を膝においたまま?!
「…先輩??」
「…。」
…返事がない。もう寝ちゃったのかぁ。
はぁ、私はここでなにやってるんだろう。
先輩との勝負に負けて、先輩の名前を呼んで遊び相手になる事が決定されて。
…そして現在は膝枕。
「はあ…。本当になんなんだろう、私。ここ最近災難すぎない??」
一人だと独り言も増えてしまうものだ。
「皆はきっといいなー、って言うんだろうなぁ。先輩人気だし、遊び相手だって頼んだらそこらへんの女の子皆志願するんじゃないの??」
きっとそうだ。この人は何を考えてるのかさっぱりわからない。
「私じゃなくてもいいのに…。何で選んだのかなぁ。」
…まぁどうせロクでも無い理由だと言う事は、先輩に聞かなくても何となくわかるけど。
「あーあぁ!もうなんでもいいや!」
こうなったら人間ポジティブだ、私には足りない要素かもしれないけど。こうなったらとことんそうなるしか無い。
んー、安心したら眠くなってきたなぁ。
眠りの許可貰ったし、私も寝ようかな…。
それにしても本当に気持ち良いなぁ、この場所
…と、私の記憶はここで途切れた。