平和な日常はもう無いですね
ばかじゃないの、ばかじゃないのばかじゃないの?!
何で先生から逃げるために屋上から降りるのよ!目の前で降りられるこっちの身にもなってほしい!
「先輩ー!!上条先輩ー!どこですかー!!!」
…確かここら辺に降りたはずなんだけどなぁ。
がさがさと中庭らへんをさがしていると
「あ、」
あそこの茂み。髪が少し見える、上条先輩だ!
「…先輩?」
…また反応しないし
「はぁ…先輩??今も勝負してるんですか?いい加減に…っ?!」
ぐらっ
「え?!」
…先輩が、倒れた??
え⁇ちょ、ちょっと待って!!
え、演技…だよね???そうだよね??
「先輩?先輩?!」
「……。」
…起きない??
「…っ!!先輩、なにやってんですか先輩?!起きてくださいよ!!自分で飛び降りといて何かあったなんて恥ずかしいですよー?!」
「……。」
…どうしよう、本当に起きない。
飛び降りた時に予想以上に衝撃がすごかったのかも、頭に振動が凄く来たりしたかのしれない
もしかしたら大きな怪我をしているのかも…。
どうしよう…
「先輩!…先輩!!」
………。
「優人…先輩」
「……。」
…っ
「は、恥ずかしいの我慢して呼んだんだから…っ反応してくださいよ…!」
「……うん、おはよー」
…え?
「え、ちょっ…先輩?起きて…」
「えー?君が起きてって言ったんでしょ??こなっちゃん?」
やっ、やっぱり起きて…っっ!!
ん?…て事は??
さっきの、私の必死な様子、言葉は全てバレて…
〝優人先輩〟
ーーーーっ!!!
「先輩!!最っっっ低です!!!人がっ人がっ心配したのにっっ」
「あれー??こなっちゃん、呼んでくれないの??」
「優人先輩♡…って」
っっーーー////!!!
「ば…っ‼ばかーーーー!!!もう知らない!もう苗字も呼ばないですーー!!」
「あはは!それは無理だなー!これで俺は勝負に勝ったし!これからは優人先輩って呼んでもらわないと!」
こ…この人っっ!!
「もしかして…全部分かってたんですか⁈わざと降りたんですか?!?!」
「さあねー⁇ま、でも絶対勝つって言っただろ⁇」
わ、わ、わざとだーー!!
この人わざとやったんだ!!
ばかばかばかばかばか!!!
最っっっ低ーーー!!!!
私はもう涙目になりながら先輩を睨んでいた
なのに
「じゃあこれから改めてよろしくな?こーなっちゃん♪」
なんて爽やかな笑顔をこちらに向けてくる先輩は、相当たちが悪いと思う。
きーんこーん
あ、またチャイムなっちゃったんだけど
もう最悪だ…
「なぁ、こなっちゃん。…走ろっか!」
「は?!何言ってんですか??」
「あ、後ろ振り向いちゃダメだよ??…先生がこっちに向かってる」
「……っ!」
ぐいっ
なっ、何で手をひく?!
「え、ちょっ!」
「よし!このままサボるか!」
「先輩は良くても私はよくないです!!!!!」
「あ、やばっ。走ってきた!こなっちゃん行くぞー!」
「え?ちょっ?!や、い、嫌だーー!!!」
本当にこの人めちゃくちゃー!!
五月で平和だった私の日常は、
もう完全にこの人に狂わされたようだ。
これで過去編終了ですー_φ( ̄ー ̄ )
何か長かったですね。
これからは現在の所に戻ります