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第五話 夜と星とキャッツアイ


「ただいまぁ、イーリス。今日は星がとっても綺麗だよぉ」


 任務帰りのダンビュライトが、拠点のシンボシベースに鎮座する猫に声をかける。


「作り置きしておいたおやつもありますから、外で食べませんか?」


 ダンビュライトと一緒に出動していたシリマナイトにも誘われ、イーリスは身軽に彼らに近寄った。


「お帰り、二人とも。お言葉に甘えて同行させてもらおう」


 イーリスは異世界からやってきた喋る猫、もとい運び屋の種族フォロスキャットである。そしてダンビュライトとシリマナイトは、北極星の加護を受けて空間修復の任務をこなす、人の形に姿を変えた宝石――シンボシラピス――だ。


「そういえば、猫は夜目が利くんでしたね」

「うむ。吾輩はフォロスキャットという種族ではあるが、その辺りは普通の猫と同じだな」

「そうなんだぁ。猫の昼間の目って、『シリマナイト』とそっくりだよねぇ」

「うん? シリマの目も光の量で変化するのか?」

「ふふふ。私は個体によっては、猫の瞳に見えるものがあるのですよ」


 シリマナイトは、キャッツアイ効果がある個体が多く存在する宝石である。

 キャッツアイ効果とは、宝石に入った光が内包物に反射し、宝石に一条の光が現れる現象のことだ。この線が猫の目のように見える為、キャッツアイと呼ばれている。

 因みにキャッツアイ効果は様々な宝石で見られるが、最も有名なのはクリソベリルキャッツアイだ。


「ほう、猫目石とな。宝石には猫の目を持つモノが多くいるのか」

「普通の宝石は見た目が似てるだけだけど、シリマはシンボシラピスだから……」


 そう言ってダンビュライトが笑顔でシリマナイトを見やれば、シリマナイトは何処かミステリアスに微笑んだ。


「ええ。私もイーリスのように、視力には自信があります」

「なるほど。お前さんたちの多彩な能力は、本体の宝石にまつわるものから来ているのだな」

「そうだよぉ、全部の由来が来てる訳じゃないけどねぇ。という訳で天体観測が得意な二人とも、僕に星座を教えてほしいなぁ」




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