2.
23話 いっぱい
絵美の家にて
鈴「ふー、おなかいっぱい!」ぽん、とおなかを叩く。
絵「あれだけ食べればね……」
まわらない寿司屋のカウンターでどんどん注文する鈴。
そうだこいつ、大食漢だったと思い出す絵美。
絵「保存用のお料理は明日でいいよ~」
その言葉にピンとくる鈴。
鈴「今日は泊まれと?」
園「うん」どさっと段ボールを出す。中身は紙でいっぱい。
24話 怒りと弱み
鈴「せめて月ごとにまとめてってお願いしてるじゃん!」紙の束を見ながらむきゃーっとする鈴。
絵「買った順番に突っ込んでるから、奥の方が古いってなってる……はず」冷や汗かく。
鈴「そうじゃなくてね?!」むかむかの鈴。
絵「大変なんだよ~、ワンオペなんだよぉ~ぉ」命乞いするように鈴にすりよる。
鈴「誰か雇いなさい!」
絵「だってりんりんがいいんだもん」ぼそっ
レシートの山を並べていく鈴。
鈴(このぉっ!)まんざらでもない顔。
『なんだかんだ弱いのであった』
25話 想像
鈴「今はどんなの描いてるの?」あの警察の人を思い出す。
絵「ギャル女子高生が警察の人と恋する話」
補導をきっかけに、分け隔てなく接してくれる警官に素直になれないギャルが恋をする、みたいな画。
鈴「?!」
思い浮かべるのは、女子高生に恋をした警官が補導を口実に近づいていくおどろおどろしい絵。
絵「あの警官さんの奥さん、大丈夫かな……」かたかた震える鈴
絵「りんりん、あたしの漫画でどんなの思い浮かべてんの?」不本意な顔。
25話 もうひとつの仕事
鈴「なるほど! 自分と重ねたのかなぁ」あのときの警察の人を思い出す。
絵「もしかして娘がギャルになったりしてね」
鈴「じゃぁ当分私のもう一個の仕事はないね」よかったー
絵「なに言ってんの!」ばしん! と机を叩く。
絵「あんなポーズやこんな服を考えてるんだから、依頼山盛だよ?!」
ばーんと見せられるパソコンの画面には、ギャルの写真と服の候補がぎっしり。
鈴「え、コスプレ大会……?」
絵「もういくつか買ってあるんだから!」
鈴「勘弁して!」ってかもう買ってあるって?!
26話 ちょっと待て
鈴「私もう大学生だよ?! そんな実際にないような制服着られるわけないでしょ!」
絵「着られるよ、サイズぴったりにしたもん」
鈴「そっちの意味じゃない!」
絵「だって今までもたくさん着てくれたじゃん」
流行の洋服、ダサいジャージ、パジャマ、ロリータっぽいものを着た鈴の姿写真がずらりとパソコン画面に出される。
鈴「いくらモデルになってほしいとはいえ、こちらにも許容範囲というものがあります!!」
『葦津鈴、本業:大学2年生、副業漫画家書上絵美の身の回りのお世話役兼モデル』
27話 話題を変えよう
絵「お願い~!!」縋り付く絵美。
鈴「お断りします!」べりっとはがそうとする鈴。
絵「そんなこと言わずに!」はがれない絵美。
鈴(話題を変えよう!)「もう買ったって言ってたけど、ネット?」
絵「うん、ほら!」ずらっと買い物履歴を見せてくれる。
鈴「請求とか領収の画面、ちゃんと取っといてるの?」
絵「ほえ?」
鈴「電子帳簿保存法!!」
なにそれ? という顔の絵美。
鈴の頭ににゅっと角が生える。
28話 知らずとも
絵「なにそれ?」
鈴(よし、話題変換成功!)「電子……ネットでの買い物は電子データで領収書とかとっておかないと費用にできないよって前話したでしょ」
絵「そうだっけ……」さーっと青くなる。あれもこれもそれもネットで買ったな~、と色々なものを思い浮かべる。
鈴(今は猶予期間で、実際は来年からってのは内緒にしておこっと)
絵「あ! でも、印刷するの面倒で、全部スクショしてあるよ! これでいい?」全部とっておけっていつも言うから~
鈴「え」
鈴「このお、ちゃんとやってあるじゃない……」
『領収書フォルダが作られていたのだった』
29話 ほしいのは言葉より
鈴「それは偉かったですね。ちょっと見せて」
パソコンをいじる。
鈴「ちょっとなにこれ! 整理できてないじゃん!」
ほんとにスクショが並んでいるだけの画面。
鈴「前言撤回! 偉くない! 整理してこれも!」
絵「え~、できないよ~やって!」
鈴「嫌!」
絵「お願い!」
鈴「無理!」
絵「手当2倍!」
鈴「10倍」
絵「3倍」
鈴「つーん」
絵「4倍」
鈴「つーん」
絵「5!!」
鈴「仕方ない、やってあげよう」
絵(現金な人!)
30話 アシスタントの仕事
鈴「ねぇ、これからも仕事忙しいの?」
絵「うん。新しい仕事も入った」
鈴「すごいじゃん! アシスタントさん紹介してもらいなよ」
絵「いや、四コマ漫画をちょっとだから必要ないかな」
鈴「ちっ」
鈴「舌打ち聞こえてるよ?」わざとでしょ?!
鈴「だって、せめて書類整理は自分でやってほしいじゃない」
絵「アシスタントの仕事はあくまで漫画書くことだよ?」わかってる?
31話 増やしているのはどっち?
鈴「そうなの? 私の仕事、せめて家政婦だけにとどめてもらわないと」
絵「モデルはしたくない? コスパのいい仕事だと思うのに~」
鈴「たしかにそうだけどさ、ほら」
パソコンの画面には給与明細を出す鈴。
絵「?!」金額に目ん玉とび出る絵美。
鈴「こういうことになっちゃうのよ」
絵「り、りんりん、いくら自分で振り込んでるからってぼったく」
鈴「誰がぼったくりですか! そのみんが過度な仕事頼むからでしょ!」
絵(りんりんが手当の割増させるからじゃ~ん)
32話 人件費と手間と時間と
鈴「私のお給料、費用にはなってないからもったいないでしょ?」そのみんかなり稼いでるし。
『※絵美はけっこう売れっこ』
絵「じゃぁりんりん、うちの従業員になってよぉ~」
鈴「嫌だよ、今までみたいに融通きかなくなっちゃうもん」手当倍増とか
絵「その部分はポケットマネーで支払う!」
鈴「管理する書類も増えちゃうよ?」年末調整もあるし
絵「めんどくさぁいぃ、この世界は漫画家にやさしくなぁいぃ~」涙を流す絵美。
『どんな相手にも社会はやさしくはないのである』
別のもので会計っぽいことをたくさん調べ、鈴の話に至ります。間違っていたら申し訳ありません。




