表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
〚Noise+1〛  作者: つくり≒
プロローグ/ハジマリの合図

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

7/10

+7〚居場所〛

一さんの大きな手が、俺の手のひらに、奪われた青い宝石をそっと戻した。

体温と一緒に伝わってきたのは、言葉よりも重い『ごめんな、遅くなって』という鼓動の響きだった。

俺はそっと補聴器を耳につける。

補聴器を着けても、殆ど音は聞こえないはずなのに、みんなの安堵の音が胸に響いた。

目の前には、捕らえられていた筈の癒宮も、闘っていた戈山や水戸、藤堂。

それから、魁漆座の喧嘩だと言うのに協力してくれた公揺党の男性陣・黒羽さんと三輪さんもいて、今度こそ本当に胸をなで下ろす。

すると依は、俺やみんなに向かって頭を下げた。




〈魁漆座。改めて、本当にすまなかった。こんな上っ面だけの謝罪で許されるとは思っていないし、許されなくても良い。……ごめんなさい〉


〈……。そう言えば、あなた達はこれからどうするの?私を攫えって依頼されたんでしょ?〉


〈その事については問題ない……はずだ。俺が何とk―――〉




俺が何とかする、そう依が言いかけた時だった。

病院の外にある電柱の先に付いている、大きな受診機からブワッと謎の寒気がしたのは。

黒幕の発する殺気が、電気信号に乗って俺の肌を刺した。

一さんも、戈山らもみんなその受診機に目を向けている。




〈問題ない、ねぇ。無いわけないだろ、バカが。しくじりやがって〉


〈っ……!……何でお前が……〉


〈まぁ、まぁ、そんな構えなさんなや。俺が用あるのは、お前らじゃねぇからよ〉


〈こいつらは―――〉


〈なぁ、九条蓮。お前だよ、お前〉




気のせいだろうか。

今スピーカーの振動が俺の名前を刻んだ気がしたのは。


水戸は目に見えない敵からの侮辱に、拳を握りすぎて爪が食い込むほどの怒りを感じていた。

藤堂はスピーカーから流れる殺気を、物理的な「毒」のように浴びてしまっている。


二人の反応は普通だと思う。

俺だって身体が少し強張った。

しかし、どうやら一さんや戈山は違った様で。

戈山の表情からは笑顔が消え、今度は冷徹な瞳でスピーカーを見つめている。

対して一さんは、かなり強い力で制服の裾をぎゅっと握りしめていた。




〈お前は、魁漆座にいて良い人間じゃない―――〉

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ