表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
〚Noise+1〛  作者: つくり≒


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/8

+5〚夜の静寂〛

〈け、結局諏訪さん達には彼処で待っておいて貰う事になりましたが、本当に俺達だけで大丈夫なんでしょうか……〉


〈きっと大丈夫だよ。水戸くんも九条くんも、藤堂くんだって、とっても強いから。

それにこれは魁漆座の問題だし、公揺党のみんなには迷惑掛けられない〉


〈うぅ……それは、確かに……〉




夜のネオンが段々と遠ざかっていき、スマホで照らした光だけが俺達の道標を示してくれた。

俺、戈山、水戸、藤堂の4人は並走、たまに水戸が挑んで来たり等しながら例のGRALについて話していた。

RIRIERUの所在地基、魁漆座弐ノ座のエリアは界区の三番街だ。

つまり、2番街に位置する界医療研究センターとは少し離れていると言うこと。




〈ここが、界医療研究センター……〉




〝界医療研究センター〟と光った看板を戈山が指さす。

三番街の喧騒から少し離れた静かな場所。

振動も、今は水戸の怒りしか伝わってこない。

夜の医療センターの、あの独特の「消毒液と静寂」が混ざったような空気が俺の鼻を突き刺す。




〈この前って言ってたのにあいつらいねぇじゃねぇか!〉


〈と、とにかくまずは癒宮さんを見つけないと……!〉


〈へぇ。たったの四人だけで来たのか。魁漆座も大したことねぇなぁ〉


〈……!あなたは……〉


〈あぁ、挨拶が遅れた。GRAL代表・依だ〉




感情が読めないほどの「冷徹な静寂」が魚骨が書かれたパーカーと合致している。

こいつの、依の印象は、手紙を読んだ時から変わらない。

冷めていて、人間の体温すら感じられない、冷蔵庫の中の様な冷たさ。

依の後にいるGRALの奴らも同じような雰囲気を纏っている。



〈……あの女なら、俺の仲間と一緒におねんねしてる。だからよ、こっちはこっちで楽しもうじゃねぇの?なぁ、魁漆座さんよぉ〉



依の口が不気味に開かれたその時、水戸や戈山までもがその場から後ずさりした。

水戸は明らかに表情を歪めて、戈山も笑顔のまま戦闘態勢に入る。

藤堂は、そんな二人にあたふたと視線を右往左往させていた、その時だった。

依の後にいたGRALのメンバーである三人と依が襲いかかって来たのは。



〈っ……〉



俺は間一髪で依の回し蹴りを避け、辺りを見回すと、水戸が藤堂を庇いつつ、パーカーのフードを深くまで被っている不気味な奴と対峙していた。

一方の戈山はと言うと、あの不気味な笑みを絶やさずに茶髪の男の拳をサラリと避けていた。

俺にはわかる。

あの笑顔は、優しいやつの見せる瞳ではない。

癒宮を取り戻す為の戦いなのに、どこか楽しんでいるような、あるいは冷酷に相手を解体しようとしているような……そんな笑顔だ。




〈おい、俺の事無視してんじゃねぇよ!タイマンの最中にイヤホンで音楽なんか聴きやがって……〉


〈……〉


〈何か……言えや!〉




依がタイマンの最中だと言うのに口をパクパクと動かして肩をすくめる。

こいつが話している言葉は分からない。

だが、今ものすごくバカにされたような気がする。

ただの俺の勘だが、そんな気がした。

依の言葉は聞こえないが、依の筋肉の動きて次の足を振り上げる位置やそれまでの秒数を読み、後に二度宙返りをして、そのまま自分の体を振り、彼の腹に足刀を食らわせる。

だが、着地する時に勢を崩してしまった。


その瞬間、依は白い唇に弧を描き、俺の両耳に手を掛けて、青い補聴器を奪い取った―――……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ