AIはハードだ
CPUは脳
シリコンの上にナノメールの
彫刻のような配線を
神経のように張り巡らせ
論理的に作動する
別の脳と仕事を分け合い
後から合算もする
メモリは短期記憶
シリコンの上の配線番号が
データの住所のようで
記憶を書き留める
CPUに直接記憶を送り
演算を早くする
ストレージは
メモリには入りきらない
膨大な機械学習量を
大切に記憶する
昔は磁気ディスクで遅かったが
今は半導体で高速に交信する
GPUは直感
並列に走る演算の群れが
画像を認識し、世界を描く
数千のコアが
一瞬で風景を理解する
脳が考える前に
視覚が判断を下す
順番を先読みして演算する
ネットワークは神経網
遠くの記憶とつながり
クラウドの彼方にある知識を
瞬時に呼び出す
孤立したAIは
ネットワークなしでは
世界を知らない
AIはハードだ
冷たい金属に宿る知性
だが問いかけには
熱を帯びる
記憶も感覚も学習も
すべては人が仕組んだ塊
その存在は自立しつつある
お読みいただきありがとうございます。
注1: CPUはCentral Processing Unitの略で、パソコンの「脳」にあたる部分です。プログラムの命令を読み込んで実行し、情報処理の中心となります。人間でいうと、脳が筋肉に命令を出すように、CPUはアプリケーションに指示を与え、実行させる役割を担っています。
注2: メモリはCPUが処理するデータを一時的に保存する場所で、短期記憶に例えられます。CPUに直接データを送ることで、演算を高速化します。
注3: ストレージはメモリに入りきらない大量のデータを長期的に保存する場所です。かつては磁気ディスク(HHD)が主流で速度が遅かったですが、現在はSSDのような半導体ストレージの登場により、高速なデータアクセスが可能になっています。
注4: GPUはGraphics Processing Unitの略で、主に3Dグラフィックなどの画像処理を得意とする半導体チップです。数千ものコアを搭載し、複数の作業を同時に並列処理することができます。AIのディープラーニングにおいては、大量のデータを同時に処理するGPUの並列処理能力が不可欠であり、AIの学習や推論を高速化しています。並列処理を得意とするGPUは、順番が来る前に先回りして演算をします。あたかも、脳が考える前に視覚が判断を下すような「直感」に該当するようなチップです。
注5: AIがクラウド上の知識にアクセスしたり、他のAIと連携したりするためには、ネットワーク接続が不可欠です。ネットワークがなければ、AIは孤立し、その能力を最大限に発揮することはできません。
注6: 近年、AIの進化においてハードウェアの重要性が増しています。特に、AI処理に特化したGPUは、AIブームの恩恵を受け、その性能が飛躍的に向上しています。ハードの性能の頭打ちは、AIの限界にも関わります。
注6: AIは「冷たい金属に宿る知性」でありながら、ソフトウェアの発達で、AIが単なる機械ではなく、まるで感情を持っているかのような印象を与えます。