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あの頃の君に送る

作者: すくりーむ
掲載日:2023/03/12

夏、焼けそうな程の強い日差しが差し込む中俺はある人の元に向かっていた。

それは幼い時から俺がずっと好きだった人だ

幼馴染で高校まで同じで大学を卒業し就職先も決まったので久々に会おうと思った

そして思いを伝えようと今歩いている

どう思いを伝えようか、果たして俺の思いは叶うのか

様々な不安があるなか俺は電車に乗り、目的地まで待った

「次は春馬駅、春馬駅」

ここは俺と幼馴染が一緒に育った場所だ

駅を出た正面に公園があり、あそこでよく遊んだ

公園には子供たちがいて元気な声が聞こえてきた

あの頃の俺達とよく似ていた

「懐かしい場所だな、よく遊んだよな2人で」

懐かしい気持ちになりながら呟き俺は前へ進んだ

会ってすぐに思いを伝えよう、段々と目的地が近くなると自然と決心がついた

近くにあった花屋でオレンジとピンクのカーネーションを40本買った

「意外と多いんだな」

少し買いすぎたかなと思いつつ花束を抱えて向かった

目的地には俺の好きな人、「茜」が先に居た

「久しぶりだね、茜」

そう言いながら俺は花束を前に出した

「ずっと、ずっと前からあなたの事が好きでした、俺と付き合ってください」

そう言った、俺の思いを伝えただけど、相手から返事は返ってこなかった、それもそうだだって彼女は、茜はもう、



亡くなっているから


「なんで何も言ってくれないんだよ、茜、」

涙が頬を伝う、花束を握りしめながら、俺はそっと座った

目の前には綺麗な御影石があった

「前、約束したよな、2人でもっと色んな場所に出かけようって」

俺と茜はいつも一緒に行動していた

周りが「付き合ってんじゃね」「付き合ってないのになんであんな一緒にいるんだよ」とか色々言われても俺らは一緒だった

幼い時から茜といて、時が経つにつれて茜、彼女に惹かれていった

でも言えなかった、この関係が崩れたら、そう考えてしまった

高校2年の1月1日、あかねと一緒に初日の出を見に行った

「もうすぐで見れるね!きっと、きっとすごく綺麗なんだろうな」

目を輝かせながら言う茜に俺は見惚れていた

「ねぇ、かいと、お願いがあるんだけどさ」

「どうした」

「これからも、私と一緒にいっぱい、色んな場所に行こう!」

俺の方を見て笑顔で言う茜の顔は日の出に照らされていてよく見えた

俺は彼女のその顔に完全の心を奪われてしまった

「あぁ、2人で色んな場所に行こう」

「ほんと!やったぁ!」

飛び跳ねながら喜ぶ茜と一緒に初日の出を見て帰った

それから数日が経った頃だ

彼女は交通事故で亡くなった

飲酒運転の車に轢かれて亡くなった

俺は急いで病院に向かった

「嘘だ、俺はまだ、まだ、伝えきれてない、」

全力で走った、1秒でも早く、彼女に会うために

「茜!」

扉を勢いよく開けると茜の両親と医者がいた

茜は包帯で巻かれた状態でベットに横たわっていた

茜のそばに行き手を握る

「かい、と?来てくれたの」

「当たり前だろ、」

「あは、優しいねかいとは」

「優しいも何もあるか、俺は、心配で」

「ねぇ、かいと」

「なんだ」

「約束覚えてるよね、」

「あぁ、2人で色んな場所に行くことだろ」

「うん、でも、ごめ、んね、約、束守れそうに、ないや」

「だめだ!お前は大丈夫だ、だから、だからそんなこと、言うなよ」

涙が零れる

いやだ、いやだ、茜がいなくなるなんて心で願ったどうか、どうかって何度でも、その願いは叶わなかった

「かいと、」

「なんだ」

茜が手を握る力を強くする

「ずっと、ずっと前から大好きだよ」

苦しいはずなのに、茜は笑顔で言ったその瞬間俺の手から茜の手が落ちた、心電図のフラット音が鳴り響く

「茜!おい!茜!いやだ、そんなの、おい!茜!」

医者が必死に応急処置をするが無理だった

それからは何があったか覚えてない

ただ、ただひたすらに泣いていた


座っていた状態から立ち、花を添える

「俺さ、結構頑張って良い企業に働けるようになったんだ、 だから、見ててくれないかな茜、お前にもっともっといい景色を見せたいからさ」

ぐっと涙を堪えながら話し、顔を上げて言った

「ずっと、ずっと好きだよ茜」

後ろを向き1歩を踏み出したその時声がした、絶対、絶対にいるはずがない人の声が、俺が振り向くとそこには茜がいた

「あ、茜?」

にっこりと微笑む茜を見て俺はまた泣きそうになった

「かいと!」

俺の名前を呼んだあと茜は笑顔で言った

「私も大好き!」

その言葉を聞いて俺は安心した

彼女の笑顔に俺も笑顔で答え、後ろを振り向き前に進んだ

数歩進んだ後もう一度後ろを振り向くが茜はいなかった

「茜、ありがとう」

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