星座を追いかけて漕いだペダル
あの日、仲良し三人組でしし座流星群を追いかけた。
「あれが、獅子座でしょ?」
「始まっちゃうよー」
「早く早く」
私達は、自転車を必死で漕いで星が綺麗に見えるあの場所に向かった。
「早くしないと願いが叶わないよ」
「待ってよー」
「私も行くから」
必死で、自転車を漕ぎ続ける。
「あー、始まっちゃった」
流れ始めた流星群を掴まえに行くように必死に自転車を漕ぎ進める。
あの恋を掴まえたくて
あの人を掴まえたくて
叶えたい願いをハンドルに握りしめて…。
私達は、必死で必死で自転車を漕ぎ続けた。
「ついたー」
星が綺麗に見える、木がうっそうと繁って、灯り一つない公園についた。
「終わっちゃった」
私達三人は、空を見上げる。
「あれは、北極星でしょう」
「うん」
「まずさ、獅子座どこ?」
三人で、顔を見合わせて「しらなーい」と笑いあった。
「あ、あー、あっち見て」
そう言われて指差した方を見つめる。
最後の残りが、流れていくのが見える。
「願い事、願い事」
私達、三人は流れ星に向かって大きな声で叫んでいた。
叶わぬ願い…
届かぬ想い…
そして、掴まえれない星達…
「絶対、幸せになろうね」
「おー」
三人で、夜空に向かって拳を突き上げる。
私達は、いつか、この手に幸せというなの星を掴まえる約束をした。