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カエル

1話目変更致しました。よければもう一度読んで貰えると嬉しいです

m(._.)m

チャプチャプと耳元で音がする。身体が何か気持ちのいいものの上で寝ている様な感じがすると、歩はふわふわする思考の中朧気に思った。


 側から見ると海でサーフボードに寝ているみたいに、ゆらゆら揺られているのだ。


ゆっくり目を開いた歩は、仰向けの状態で居た。真上の上空に白い濁ったドーム状の物があり、それに自分が囲われているのを理解した。首を動かして見ても、水面と白いドーム状の囲いしか見えない。水面は池?湖?かなり広い所で寝ていたようだ。


身体や掌に当たる感触は水、試しに叩いてみても、パシャパシャ音がするのに、何故か服は濡れて等いなく手も乾いている?変な水だと歩は不思議に思った。




「此処は何処だろう?確かばあちゃんの家に居て、三面鏡を覘いたら……そこからの記憶が無い……」



歩は何故、自分が水の上に乗って居られるのか?身体を起こしても座っても下の水はしっかりしたもので、例えるのならスライムの硬いバージョンと言った物質みたいだと水面をさすりながら考えた。



「表面はやっぱ水だよな? ここはなんだ? 水の中を覗くと、綺麗に透き通っていて、底があるだろうに底が見えないぞ。どこ迄深さがあるのか?恐ろしくなるな……あれ? 湖みたいなのの先の方に、何か見える……なんだろあれは? 誰かいるのかな 」



歩は、足元に気をつけて恐る恐る立ち上がってみた。やはり水の上なのにしっかりしている。立ち上がれたので、一歩足を進めてみた。



「うん! 歩けるぞ、何とか大丈夫そうだ。とにかくあっちに行ってみよう。靴無くて、靴下のままだけど良いかな。何かがある」



ゆっくり歩いて向かってみた。かなり広いのだろう、なかなか目当ての場所にたどり着けない。ひたすら歩いていると、向こうから何かが近づいて来る。歩は警戒して立ち止まり待ち構えた。



「キミハダレダ」


「ぎゃーーーーー!!!」



歩の背後から声が聞こえて来た。飛び上がり、驚いて座りこんでしまった。



「なななななに? 君は何なの? カエル? 巨大なカエルが話してる! 」


「カエルデスガ カエルデハアリマセン」


「僕と同じ大きさのカエルなんて……あり得ない」


「ココハ アナタノ セカイデハナイデスカラ アリエマス」


「じゃあここはどこなの? 僕はおばあちゃんの家に帰れるの?」



歩は怖いけど一歩カエルに近づいた。



「ワタシハ カンシニン アナタハ ナニカニ ツレテコラレタ」


「あの時……鏡の中の僕は……僕じゃあなかった……」


「カエリタイデショウガ キタバショガ ワカリマセン ムリデス チガウバショデ イキマスカ ソレトモ イマスグ シヌ」


「えっ」



歩はカエルの眼を見た。紅くテラテラ光ってる……怖い……怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い……



「嫌だ……お願い帰して……」


「ムリ ムリ ムリ ムリ……」



「辞めてくれ!! じゃあどうすればいいのか教えてくれよ! 」


「ドコカスキナセカイ エラバシテヤル ソコデイキロ 」



歩の身体は恐怖で体が震えている。



「今迄の僕はどうなる」


「コノ セカイニキタラ オマエノ イママデノ ジカンハ キエル」


「消える! 消えるのか? 忘れられる!!! 父さん! 母さん! 姉ちゃん! 婆ちゃん! そんな……そんなのありかよ! 僕の人生……あの鏡の所為かよ! アレはなんなんだよ。何故僕をこんな場所に!!」


「コレモ ウンメイ ヒツヨウナコト サア ドコノセカイニイク」


「地球! 」


「ソレハムリ オマエハ ハイジョサレテル」



歩はその言葉を聞いて、両手で顔を覆って声を殺して泣いた。暫くして……投げやりに。



「じゃあ! 何処でも良い……嫌、待て! 戦争中とかもあるのか? 」


「ソレハアタリマエダ」


「平和な場所で人が住んでる所が良い」


「ワカッタ ホカハナイノカ」


「僕がせめて幸せになれる場所」


「アル キマリダ ケイヤクシロ」


「何の契約?」


「ケイヤクシロ」


「ケイヤクシロ」

「ケイヤクシロ」

「ケイヤクシロ」

「ケイヤクシロ」

「ケイヤクシロ」……………



無表情のカエルが怖くて怖くて怖くて怖くて…それに、もうどうでも良い感じもしてきた歩は投げやりに。



「するよ……」


「ソレヲノメ」


「えっ何で身体が……」



歩の掌が勝手に開き、掌の中に小豆位の大きさの翠の球が現れた。



「これを……飲む?嫌だ……」


「ノメ」


「うーーーーーーーーー」



歩は逃げれないと思い。目を瞑り、思い切って口を開け掌を口に近づけポイっと翠の球を放り込んだ。



「ごくん……飲んだ」


「ヨロシイ セツメイスル タマハ カラダニキュウシュウサレ オマエガ イマカライク セカイニ ジュンノウデキル カラダニヘンカスル コトバモ シャベレルシ カケル ヨメル アトナニカ キニイラレレバ ナニカモアル」


「何かって?誰に気に入られるの?」


「ノンダモノ」


「えっこれ生きてたの?」


「ウルサイ モウイケ」


「えっ? あっ! あーーーーーーーーいやダァーー」





カエルが口を開けた……口がどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどん大きくなる……その口の中に歩は吸い込まれた……


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