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僕の前には君がいてその隣には...

 昔は仲が良かった幼馴染がいて、いつもは僕が君のとなりにいた。


 初めは唖然としてしまった。しかし君の瞳が本気だったことは覚えている。絞り出して祝福の言葉を掛けたけど、すごく心臓が苦しかった。


 今は君がいない。隣は寂しいまま空いたまま。


---僕


 高校に入っても君がよく告白されることは知っていた。でも、そのたび断って君は『貴方を一人には出来ないから』と言ってくれていた。


 心配してくれた親友やクラスメイトもいた。ただその言葉が僕には辛かった。突き刺さるような言葉だった。


 君が僕の隣から居なくなったときから僕の心は空っぽで春の暖かな陽の光や夏のギラギラと照り付けた太陽も、秋の少し肌に感じる寒さも冬の雪の冷たさも、どんなことがあっても感じない。


 結局僕の独り善がりだったのかい?君の隣に居たかっただけなのに。


 苦しい寒い狂ってしまいそうだ。僕の声はもう届かないんだね。


 あぁ、雪が降ってきた。ここは何処だろう。何故こんなところにいるんだろう。ここで死んでしまえば君を忘れられるだろうか。あぁ、キミとは誰だ。キミとは何だ。


 どうやら最後にキミを忘れる事が出来たようだ。




「...お休みなさい」


---君


 あぁ、いつからこうなったのか、私が貴方から離れ貴方が私の前から消えてしまった。


 貴方との思い出が蘇ってくる貴方がいたから頑張れた。貴方がいたから楽しめた。


 貴方は私が何をしても笑って許してくれた。のに貴方から離れた。気付かなかった。


 私には貴方しか居なかった。今でも私には貴方しか居ない。


 貴方が唯一嫌うことをした。私は貴方を裏切った。何度も言われていた。そのたび私は聞き流して貴方を裏切った。


 それでも、貴方は私を責めることもなく祝福してくれた。気付かなかった。貴方の表情に行動に仕草に全てに。


 貴方が居なくなってから頭は回らなく食も喉を通らない部屋からでるのもままならない。身体は衰えた。貴方が誉めてくれた髪も今ではボサボサ。


 貴方が居なくなってから何日経ったのだろうか。



「ごめんね...」


---第三


 このクラスの代表のような男子がいた。俺の親友だ。だった。俺はダチを傷付けた。


 いつもどうりの学校だった、放課後、ダチに声をかけたら完全におかしかった。ダチの目線の先には別のクラスの、ダチの幼馴染が知らない先輩と歩いていた。彼女はダチと話すとき以外ほとんど無表情だった。


 近くに男子がいるときは全く表情は変わらないがダチが居るときだけ向日葵が咲いたような笑顔をダチにのみ向けていた。


 その彼女が先輩と笑って歩いている。ダチの隣で呆然としてしまったがダチに声をかけダチを家に連れていった。


 次の日からダチは段々となんて小説のようなこともなく、完全にロボットのように無表情で淡々と学校に来て、授業を受け、帰っていった。周りの皆が声をかけても淡々とそして冷徹に。


 こんなんで離れては親友じゃねぇ、と思ってずっとダチの隣にいた。そして俺はわかっていた。


 今のダチは誰も信用してねぇ、俺やあの彼女さえも。


 ダチがこうなったときは今までに二度だけあった。小学生の時両親が亡くなったとき。そして俺の前にダチの親友と言うやつがダチを裏切った時だった。


 両親が亡くなったときはダチは一切彼女が居たからと、泣かずに彼女が帰ったときに俺に抱きついて大泣きをした。その時彼女の前で我慢しているときと、


 中学に上がり俺以外にダチと仲良くするやつが現れたから少し嬉しく少し嫉妬していた。そして三人で遊びに行くことになったのだがその帰り、不良に絡まれダチはビビりながらも俺らの前に出たのだが、そしたらアイツが全速力で逃げ出した。


 その瞬間ダチの顔がパキッって言う音がするんじゃないか、と言うほどの無表情になり俺に声を掛け不良に一礼してから不良の脇をすり抜けていった。


 ダチは優しいから何かをすることもなく少し待ってアイツが警察を連れてきてくれるんじゃないか、等と俺に説明をし、待っていたのだが、一時間たっても帰ってこなかった。


 次の日アイツは学校で普通に俺らに声を掛けてきた。しかしダチは完全に無視をした。何度かアイツが声を掛けてきたがそのたび表情を凍らして無視を決め込んだ。


 今回は後者の裏切られた時の表情で、俺すらも信用していないことに悲しくなり、ダチのような良いやつを裏切ったやつを俺は許せなかった。


「待ってるからな!帰ってこい!」


---君


 先輩と帰った次の日学校中が静かだった。雰囲気は暗くクラスの雰囲気も暗い。時間がたてば戻るだろうと思っていても駄目だった。


 放課後貴方のクラスに行くと貴方は居なかった。


 学校から帰ってくるとお母さんから貴方に連絡しろと強めの口調で言われた。部屋に着き、貴方に電話を掛けてもでなかった。


 無視をしたのかと少し頭に来たが。貴方はそんなことをするはずもなく用事があるんだ、とそこで連絡するのを諦めていた。


 それから一週間が過ぎたが貴方から接触は無かった。そして土日の休みから貴方が学校に来なくなった。家の電気もついておらず、インターホンを押しても出てこなかった。


 そして、貴方が学校に来なくなった日に貴方の親友さんが声を掛けてきて『あんたはダチの何を見ていたんだ』と言われた。その瞬間私の考えようとして無かった、考えが溢れてきた。


 貴方は私の前から消えた。私の全てが私の前から消えた。家族は家族という存在、友達は友達という存在。どちらも替えが利くが私の隣には絶対に貴方がいた。家族は対等ではない。友達も対等ではない。貴方だけは私の隣で対等でいてくれた。貴方が私に向ける笑顔は本当に綺麗だった。貴方のキリッとした表情も悲しげな表情もずっと隣で見ていた。


 私は貴方から言葉を知り人を知り食を知り感情を知った。


 まぁいいか等という考えのせいで私は人生の全てを失った。貴方から帰ろうと誘われていたのに、文化委員の先輩と一緒に帰るという前の私からは想像も出来ないような思考回路から貴方を裏切り、


 告白されるようになってからは天狗になり貴方を対等に見ることもなく見下していた。貴方には私しか居ないが私には他の人が居ると優越感に浸っていた。


 貴方が居なくなってから家族は冷たくなり友達も徐々に離れていった先輩に至っては連絡すらも出来なかった。貴方の親友さんが教えてくれた。私は貴方のパイプで男性達は私の顔や体にしか興味がなく性格なんてどうでもよく、悪い噂が絶えなく続いていたらしい。そのたび貴方が対処し先生に話し、追い払いそして私を守っていた。


 そこまで聞いた私は目の前が真っ暗になり、体の感覚がなくなりそこからの記憶がない。


 貴方からもらった貴方の家の鍵もプレゼントも全てが私を苦しめた。


 ベッドの上に貴方からもらったプレゼントを全て置いて貴方からもらったものに囲まれて一歩も動かずたまに貴方のベッドで寝たりしていた。


 何日何週間何ヵ月。どれくらいたったのかも解らない。本当は夢だと一緒に仲良く帰り過ごしそして愛し合うんだと考えても貴方は帰ってこなかった。


「次は目が覚めますように...」


---僕


 僕は死ねなかった。親友が助けてくれたらしい。親友は毎日近くから遠くまで雨が降っていても探していたらしい。


 ただ、頭の中にあるキミとは何か、親友に聞いても誤魔化される。


 家の鍵も無くしたので家に帰れないことを親友に伝えると笑って泊まっていけと、服は貸すからと言ってくれた。


 両親が亡くなったときも親友が居てくれた。誰かに裏切られたときも親友が側にいた。もう一人忘れているが恐らく僕を裏切った人だから。


「だから僕はキミを信じない」

長編かいてほしいとかハッピーエンドやバッドエンドにしてほしいとかあったらコメお願いします。_(._.)_

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