国道3号 正面衝突〜衝突じゃなくて笑突だった!〜
食堂にて。
「うわー!みんな道好きなのー!」
明は驚嘆する。
「ぎゃははははー!みんな仲ー間だね!!」
海は大袈裟に声をあげる。
ベリーショートでいわゆる『プリン』状態の、ちょっと抑えめな金髪。多分だけど緑のカラコン。そして黒いマニキュア。よく見ると右人差し指だけ紫だ。
さらに…服のセンスが分水嶺のちょうど真ん中。唐草模様の独特な色使い。どっちに見られてもおかしくない。ただ、微妙なセンスを渡るのが上手っぽい、と明は心の底から感じた。
海には似合ってる。全体的な評価として。
それを私が着たら…街を歩いてたら周囲から通行人が遠ざかっていく。5mぐらいの距離はとられる。もっとかもしれない。街から人が消えていく。実家に帰ると父には出て行け!と怒鳴られ母は号泣、そしてひいじいちゃんは卒倒して翌日天国に召されるであろう。天国で1級建築士のひいばあちゃんと夫婦仲良くしてな。あたいは地獄の門を叩かされるから。さよなら、みんな。達者でな!
「明さん?明さーん!」
「んはっ!」
目の前で手を振る星
「どうしたの、調子悪いの?」
「明ってこんな娘なの。面白いでしょ!」初のナイス(?)ツッコミ。
問いかけたのは渋井 星
いたって真面目。超真面目。黒縁のメガネがそれのレベルをあげてる。
ちょこんといるような可愛らしい小さい人。全身黒のコーデ。地味なようでそうとは見させないテクニシャン。染めたことはないであろう黒いショートカット。天使の輪もある。前髪ぱっつん。
多分はきはきしている。そう思わせるのが星。
この小会議ではっきりしたこと。
みんな原付持ち。みんな普通二輪免許を取りたいと思ってる。原付を買うので精一杯だったけど。
星だけ自宅通学。だいたい20分ぐらいとのこと。他はワンルームマンションを借りていること。
そして
みんな道路好きなこと!!!
「土木科に女子でしょ?国立なんだから一応目標はあるよねーきゃはーー」
海のペースにはあっという間に慣れた。それが『海マジック』なのかもしれない。不思議ちゃんど真ん中。ストラーィクッ!
「さて、明後日から授業だからね。みんな頑張ろうね」
明はとりあえず締めて、明後日に持ち越すこととなった。
…なんか、面白そうな大学生活になりそう。と明(と海と星と初)は思うのだった。