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どうロード 〜道路、Do?〜 原付女子が行く〈!〉  作者: 網野 徳
1章 出会いって前方不注意でもいいんだね!
2/10

国道1号 覚めた夢の轍(わだち)〜無事に通過〜

ごろごろどっかーーーっん!!!

めいは原付から転げ落ちた。


…んなわけない。ベッドから転がり落ちたのだ。もちろん夢オチである。

「いたたたたたたた、、、」。

寝癖たっぷり。全身負傷おおげさ。不幸中の幸いはリアルに崖からでなかったこと…ではなく、道路地図がクッションとなってくれたこと。四国、徳島、鳴門、四国以外の各都市部地図。15冊ある。殆ど実家に置いてきたんだけど。


「うわ!もうこんな時…まだ四時半はやいよ……」

小説ならもう9時だ食パンをくわえながら慌てて飛び出て曲がり角でどんがらがっしゃーーん『あんた危ないじゃないのよ』『お前こそ気をつけろよ』怒りを抑えながら教室に向かうと同じ教室隣の席、そしてふたりは恋に落ち…と続きそうな。妄想しすぎかしら。


長い髪をくしゃくしゃにしながら、目覚ましにシャワーを浴びる準備。大きなあくび。


今日は徳島県 鳴門なると市にある鳴南めいなん大学の入学式。

京都から来た明こと、百井ももい めいはのろのろと支度を始める。


試験会場で出会った初が夢に出てくるとは…たまたま試験会場へのバスで出会ってなんとなく名前だけ聞いただけなのに…なんかこう『持ってる』ものが同じだと思って…


はつ、受かってるかな…』


試験は高速バスだったが、やっぱり原付が好き。自分で運転するのが好き。


というより、道路が好き。大好き。だーい好き!!


将来道を設計したくて鳴南大学工学部環境自然学科を受けたのだ。

最近は土木や建築なんて学科は皆無に等しく、一目見ただけでは何の勉強をするのか分からない。事実は土木学科や建築学科からの名称変更だ。それもこれも『脱3K』(きつい・汚い・危険)だと、1級建築士だった死んだひいばあちゃんが言ってた。


『で、なんで鳴門海峡は渡れんのー』

シャワーを浴びながら明はぼんやり思う。


…そう、淡路島と四国は大鳴門橋が架かってるが、原付や自転車は渡れないのだ。

送迎トラックがあったような…もう面倒くさいから和歌山から南海フェリー経由で来たのだが。奈良がとても長かった…。

と、心の中で思う。思うだけ。


「そろそろ、行くか!」

明は新たな心の扉(実際はワンルームのドア)を開けたのだった。


…その先の先のずっと先の珍道中だらけのことは、まだ誰も知らない。

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鳴南(めいなん)大学工学部環境自然学科1回生

百井 明(ももい めい)明目線の文章が多くなるかと
橋岡 初(はしおか はつ)明の良き相棒
神戸 海(かんべ かい)不思議ちゃん
渋井 星(しぶい せい)地元の真面目娘
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