表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
色彩の無い怪物は  作者: 深山 希
第一章 元色と熾紅
3/267

第0話 とある少年の第一印象  滄

 正直、一目惚れだった。


 性別を聞かされて愕然とした。

 それはないでしょう、神様……などと嘆いてみても、男に一目惚れしてしまった事実は消えない。

 そして困ったことに、彼――ウィルは良いヤツだった。何かとトロくさく、同年代の子供たちにはバカにされがちなボクに対しても、他の皆へのそれと変わらぬ態度で接してくれる。


 あと、名前についてもだ。


 ジェイド、というのはよくある名前で、この村だけでも5人もジェイドが居て、更に困ったことに、ジェイド=ヴィオラですらもう一人居るのである。しかも同年代に、だ。だから区別するために愛称がつけられるのだが、もう一人のジェディはともかく、ボクにつけられたジェイというのはあまりにひどくはないだろうか。

 だったらもうジェイドで良いじゃないか。大人のジェイドは誰それのお父さん、という風に呼ばれるんだから。最後の一文字をとったせいでなんだか間の抜けた響きになってるよ。


 などと思ってはいても、主張することのできない弱虫なボクを、彼はジェイド=ヴィオラ=テミさん、とフルネームで呼ぶことで区別してくれた。

 ボクを呼ぶ、その声がとても綺麗で、何度でも呼んでほしいと思ってしまう。


 だが男だ。


 本当に、なんでアレで男なんだろうか。


 せめて友達になれたら、そう考えて、

 いや『せめて』って何だよ、と自分にツッコミをいれるボクだった。

びーえる? いいえ、断じてびーえらない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ