16-1 穏やかな日々を(その1)
第65話です。
宜しくお願いします。
<<主要登場人物>>
キーリ:本作主人公。体を巡る魔力は有り余っている反面、各要素魔法との相性が壊滅的に悪い。教会の聖女を始め、英雄たちに復讐するために冒険者としての栄達を望んでいる。
フィア:赤髪の少女でキーリ達のパーティのリーダー格。自分が考える「正義の味方」を追い求めている。可愛い少年を見ると鼻から情熱を撒き散らす悪癖がある。
シオン:魔法科の生徒で、キーリ達のパーティメンバー。攻撃魔法と運動が苦手だが最近成長が著しい。実家は食堂で、よくキーリ達もお世話になっている。
ティスラ:魔の門を閉じた英雄が一人。ゲリーの子分として学校に潜入していたが、失脚と共に姿を消していた。
レイス:フィアに付き従うメイドさん。時々毒を吐く。お嬢様ラヴ。
ユキ:キーリと共にスフォンへやってきた少女。暇さえあれば男をひっかけているビッチ。
アリエス、カレン、イーシュ:キーリとフィアのクラスメート。いずれも中々の個性派揃い。
シン、ギース:探索試験でのアリエスのパーティメンバー。二人はマブダチ。(シン→ギースの一方通行)。
フェル:キーリ達のクラスメイト。実家は地方貴族だが反対を押し切って冒険者を志している。
スフォンの街から徒歩で半鐘(≒三十分)ほど離れた街道を一台の小さな馬車がゆっくりと進んでいた。
いや、それは馬車というよりは荷車といった方が正しい。現に引いているのは馬では無く、少年二人。左右に別れて取っ手の部分をそれぞれ片手で持って歩いており、その後ろには少女が周囲を警戒しながら進んでいた。
荷車の上には簡素な作りの客室部分があるが、全てが木の板で囲まれて木箱と呼ぶのが正しそうだ。それが一体何なのか。一目ではさっぱり分からない。それは製作者も同じだったのだろう。側面に雑な文字で大きく「馬車」と書き殴られている。
なるほど、一応は引き戸部分は付いているので中には入れそうだが余りにチープだ。人一人が入ればそれだけで窮屈な思いをするのは間違いない。なお、中ではこれまた雑な作りのかかしが一体、のんびりと鎮座している。
そんな馬車か荷車かも分からないものと一緒に三人の少年少女が街道を進む。時折すれ違う道行く人は彼らを不思議そうな目で見ながら通り過ぎ、スフォンの街に住んで久しいものは毎年の事だ、と訳知り顔で生暖かい笑みを向けていく。
「なあ……」
「言うな。私とて恥ずかしいのだ」
何か言いかけたキーリをフィアはピシャリと遮った。だが何処か表情は落ち着かなく、必要以上に胸を張って堂々としているように見せかけているのがキーリにも分かった。
「そうは言うけどよ……せめてもうちょっとマシな作りには出来なかったのかってんだよ。幾らなんでもチープ過ぎるぜ。今時ウチの土地みたいな田舎の牛飼いだってもっとマシな荷車を引いてるに決まってるぞ」
「言うなと言っているのに……私に言われても困るぞ、フェル。私だって可能ならもっとキチンとしたものを『護衛』したかった」
同じ普通科の同級生であるフェル――フェルミニアスにも愚痴を零され、フィアは深々とため息を付いた。
三人が囲んでいるのは馬車――という設定の荷車だ。入学して既に一年以上が経過して今は護衛訓練の真っ最中である。
養成学校を卒業して得られるのは基本Eランクの資格で、護衛依頼を受けられるのはDランク以上であるため必ずしも養成学校で護衛の訓練を行う必要はないのだが、近い将来Dランクになる可能性があるのと、卒業後には護衛の訓練を行う機会が限られる事からカリキュラムに組み込まれている。
まずは数日間に渡って基本について座学を学び、また学内で簡易的な訓練を経て、実際に街の外に出て馬車を護衛するという今の訓練に至っているのだが、少年少女が本気で護衛に取り組むには余りにも「馬車」が陳腐過ぎた。
スフォンの街におけるこの時期の風物詩とも言える光景に、事情を知っている人間からは微笑ましいような可哀想なものをみるような視線を向けられ、無邪気な子供からは指差されて「何やってるの?」と尋ねられる。多感な思春期の彼らで無くても「俺、何やってんだろ……?」と自問したくなること請け合いである。
「はぁ……ったくよぉ、せめてもちっとマシなやつを準備しろってんだ」
フェルは恥ずかしそうに周囲を見回すと、金色の前髪を掻き上げガシガシと乱暴に掻いて気持ちを誤魔化した。
キーリ達と共に何故フェルが護衛しているか。本来であれば組んでいるパーティ単位で訓練をするのが適切ではあるのだが、この護衛訓練が対象としているのは普通科と探索科だけであり魔法科は含まれていない。
入学して一年も過ぎれば、カリキュラムも概ね消化し切っており、限られたカリキュラム以外の時間は卒業まで自分の苦手な分野だったり知識を深めたりとそれぞれの裁量に任されている。その残された数少ないカリキュラムが護衛訓練なのだが、普通科、探索科と違い魔法科はまだ多くのカリキュラムが卒業まで残されている。というのが建前だ。
貴族の多い魔法科の中では、いつまでも平民とともに訓練など出来ないという選民感情が残っており、そうした感情が足並みが揃わない大きな理由である。シェニアが頭を悩ませている問題であるが、まだまだ根は深い。
そういったわけでこの訓練は普通科と探索科の合同訓練であるが、王国西方の貴族の子息であるフェルのパーティは魔法科の貴族二人と組んでいた。なのでその二名ともこの訓練には不参加であり、残った探索科の生徒とも別れてシオンが居らず人数の足りないキーリのパーティに組み込まれたというわけであった。
もっとも、この訓練をきっかけにしてフェルは今のパーティとの関係を解消するつもりだ。フェルも貴族の出ではあるが、彼は比較的リベラルな思考をしている。あまり貴族や平民にこだわりも無く、そのために半ば親とは喧嘩別れする形で養成学校に入学したのだが、そういった性格のため魔法科のような典型的な貴族達とは馴染めていなかった。
適当に卒業を待つ彼らと共に過ごすよりも、短い時間だがキーリやフィアといった努力を惜しまない彼らと共に自分を磨きたい。そう思ってすでに内密にパーティへ入れてもらう事をフィア達とオットマーに申し出て、了解を貰っている。
そんなフェルの愚痴を聞きながらもキーリとフィアの二人は警戒を怠らない。処置なし、とばかりに軽く肩を竦めて周囲に視線を巡らせていると、遠くから軽快な動きで駆け寄ってくるレイスの姿を認めた。
「ただいま戻りました」
「お疲れさん」
「ご苦労だったな。それでどうだった?」
「この先でどうやら待ち伏せされているようです。木の陰に隠れているイーシュ様の姿を確認できました」
三人の顔が一層引き締まったものになる。
「他は?」
「流石、と申し上げるべきでしょうか。姿の確認はできませんでしたが、付近に居るのは間違いないかと存じます」
「そりゃな。流石にカーリオ一人で突っ込ませるような真似はしないだろ」
「でもイーシュだぞ? あのバカの事だから何の考えも無しに俺らに突っ込んでくることはありえるんじゃねぇか?」
何処か面白そうに笑うと、キーリはチラリとイーシュが居るであろう方向を見た。レイスはそれに気づいたが、敢えて何も反応せずに続ける。
「流石にそれはアリエス様が許さないかと」
「いや、アリエスの事だ」一方でフィアは苦笑しながらキーリの意図に乗ることにした。「勝手に突撃してくるのも織り込み済みで、イーシュを囮にして後方から襲撃という線も考えられなくはない」
「むしろ『貴方はご自由にしなさいな』くらいは言ってそうだな。どうせ細かい指示を与えてもアイツじゃ覚えられねーだろうからな。ギースも気づいたって止めねぇだろうし」
「使い捨ての駒ですね」
「……なんつうか、カーリオも苦労してんだな」
イーシュに対して同情のこもった呟きをフェルが零すが、キーリとフィアは顔を見合わせて溜息を吐いた。
「むしろ苦労してんのはこっちだっつーの。試験の度に夜中までアイツの勉強に付き合わされる身にもなってみろって」
「誰にだって得手不得手はあるものだが、イーシュの場合は論外だな。教えている途中でいびきを掻き始めた時はさすがに私も殴りつけようかと思ったぞ」
「マジか」
「マジだ。それでいて試験でも期待に漏れず赤点を取るのだからやってられねぇよ」
「……バカだな、アイツは」
「ああ、仕方ねぇ。バカだからな」
「そうだな。バカだし、仕方あるまい」
「テメェら! さっきから聞こえてんぞっ!! さっきからバカバカうるせぇ……」
キーリとフィアの愚痴混じりの愛の無い罵倒に堪らずイーシュが木陰から飛び出した。怒鳴りつけながら反論を口にしかけたが、すぐにその口の動きも静止する。
「……!」
「チェックメイト、かと存じます」
いつの間にかキーリ達の輪から離れていたレイスがイーシュの背後に回り込み、その首にナイフを突きつけていた。もちろん訓練であるためナイフは木製であるが、逆に訓練である以上イーシュの盗賊役は終了である。
「……」
「な? 言ったろ?」
キーリとフィアのこれ見よがしの悪口は、当然ながらイーシュを誘き出すための演技である。別段予めすり合わせておいた訳ではないが、二人でイーシュが居る方をチラチラと見ていればフェルとて二人の意図を理解できていた。そしてそんな安い挑発に乗ってあっさりと姿を現したイーシュの単純ぷりに、フェルは無言で頭を押さえるしかなかった。
違った意味で同情を禁じ得ないとフェルは溜息を漏らし、その横でレイスに引っ立てられているイーシュを見ていたキーリとフィアだったが、二人の姿がフェルの前から消えた。そのように見えた。
遅れて聞こえる木と木がぶつかる音。同時にハリボテの馬車が走り出す。フィアが一人で荷車を引っ張り、その後ろではキーリがギースとナイフ同士で競り合っていた。
「ちっ……やっぱテメェ相手じゃ奇襲は難しいって事か」
「いやいや、危なかったぜ? 奇襲仕掛けるならこのタイミングだと思っちゃいたが、さすがギースだな。直前まで全然気づかんかった」
「それでも余裕で防ぎやがるテメェに言われても嬉しかねぇんだよっ!」
至近距離での競り合いから一転、一足の間合いで二人の攻防が始まる。木のナイフ同士がぶつかりあう音が響き、フェルはその激しい攻防に呆気に取られていたが、一拍遅れて襲撃が始まったのだと気づき、その場から馬車を引いて逃げ出したフィアの後ろを慌てて追いかける。
「悪い、遅れたっ!」
「謝罪は後だ!」
訓練では、この荷車を目的地に送り届ければ任務成功扱いだ。そしてここから設定された目的地まではそう遠くない。
護衛任務の目的は戦闘勝利ではない。留まって襲撃者を撃退するか、それとも離脱して目的地到達を目指すか。フィアの判断は後者だった。荷車を引く手にフェルが加わり、ガラガラと今にも壊れてしまいそうな音を立てながら疾走する。
「フェル、後ろはどうだっ!?」
「大丈夫だ、誰も来ては――」
フィアの指示でフェルは後方を確認した。キーリとギースの攻防が行われている以外に人影は無く、何者かが襲い来る気配も無い。問題ない事を報告しかけるが、右後方の林の中を確認した時、小さな影が無数存在する事に気づいた。
咄嗟にフェルは魔法を詠唱した。飛来する影と自分の間に炎の壁を作り出し、影の正体――氷の礫が飲み込まれてジュッという小さな音を立てて消えていった。
「後ろから狙われてるっ! たぶんアリエスだ!」
「乙女を相手にそんな呼び方をしたら嫌われますわよ!」
フェルが叫ぶと同時に炎の壁の効果が消える。その壁に隠れて接近していたアリエスが鋭くフェルに向かって木剣を突き出した。
すぐそこまでアリエスが接近していると気づけていなかったフェルだが、かろうじて反応する事ができた。首元のすぐ脇を剣先が通り過ぎ、冷や汗を掻きながらフェルは自分を自分で褒めてやりたい気分でいっぱいだった。
「フェル!」
そこにフィアが割って入った。アリエスに向かって剣を振り下ろし、フェルに相対していたアリエスは止む無くターゲットをフィアに設定し直した。
「もうっ! 最初の一撃で仕留めるつもりでしたのにっ!」
「アリエスは私が引き受ける! フェルは荷車を頼む!」
「一応馬車って呼べよなっ!」
悔しさを露わにするアリエスだが失敗したものは仕方ない。すぐに気持ちを切り替えてフィアと剣戟を結び、お互いに一歩も譲らない一進一退の戦いが始まった。
フェルもフィアに加勢しようとするが、彼女らの戦いはフェルの実力より一歩も二歩も前を行っている。剣戟の嵐を見て、すぐに二人の戦いに割って入る隙は無いと悟る。悔しいことだが、それが現実だ。
「フェルミニアス様、お嬢様が時間を稼いでいる間に急いだ方が宜しいかと」
いつの間にかイーシュを打ち捨ててきたレイスが傍らに立っていた。
貴族としては粗野で感情的な面もあるが、目的を履き違える程にフェルは愚かではない。自身に対する失望を押し殺し、フィアの指示に従ってレイスと共に荷車を引き始める。
再び疾走を始める馬車。程なく、目的地の目印である赤い旗がフェルとレイスの目に飛び込んでくる。
「あと少しっ!」
このまま逃げ切れる。ゴールが見えてきた事でフェルの脚にも力が入る。
だがそう思ったその時、木々の隙間を縫うようにして矢が飛来した。移動しているにもかかわらず寸分違わぬ精密な射撃で馬車を射抜かんとしている。
矢の一本でも荷台の木箱に突き刺されば護衛側の負けだ。フェルはまだ自身が無手であることに呆れつつも腰から剣を抜き、飛んできた矢を叩き落とす。フィアやアリエスには及ばないもののフェルの剣の腕も普通科では上位クラスである。次から次へと飛んでくる矢を、走りながらで体勢を崩しながらも一つとして漏らさず斬り、荷台の上の木箱には届かせない。
あと、十秒。旗はもう目の前だ。フェルは自分たちの勝利を半ば確信した。後は、このまま矢を斬り落とし続ければ――
「それまでっ!!」
だが本当に目の前、というところでオットマーの低い大声が響いた。フェルの脚はまだ旗を駆け抜けていない。それはつまり、護衛任務は失敗したということ。
「何でだよっ!」
悔しさにオットマーに掴みかからんばかりの勢いでフェルは振り向き、荷車を見る。そしてすぐにその理由を知った。
客室を想定した木箱の屋根の部分。そこで、鏃部を吸盤に取り替えた訓練用の矢がヒラヒラと揺れていた。
「やったっ! やりました! やりましたよ、アリエス様ぁ!」
「見事ですわ、カレン!」
弓を持ったカレンが林の中から姿を現し、自身が放った矢が木箱に当たった事を確認すると全身で喜びを露わにしながらアリエスと抱き合う。
「やられたな」
「ああ、カレンが弓で攻撃してくる事は予想していたが、完全にしてやられた。まさか、時間差射撃であれだけ精密に狙えるとはな」
遅れてやってきたキーリがフィアと合流し、二人共感心して喜ぶカレンの姿を眺めた。二人の中では非常識すぎて、感心を通り過ぎ呆れてくる。
フェルは何が起きたのかよく分かっていないが、自分が失敗したことは理解した。だからうなだれながらフェルは素直にレイスと揃って謝罪した。
「……悪い、しくじった」
「申し訳ありません」
「いや、アレを初見で防ぐのは無理だろう。フェルもレイスも悪くない」
「確かにアレは、な。アイツの弓の才能は一級品だとは分かってたが、流石にここまでとは思ってなかったぜ」
「……すまん、矢は全部弾いたはずなのに何で屋根に矢が刺さってんのか、俺には未だに理解できないんだが」
自分一人状況を理解できていないことに恥ずかしさを覚えつつも、次に活かすためにも把握しておくべきだろうとフェルは尋ねた。口元は悔しさを堪えるために「へ」の字に歪んでいたが。
「ああ、フェルの場所からは見えないわな、そりゃ。
つまりだ。カレンは予め空に向かって矢を打ってたんだよ」
「空に……?」
「そ。矢の落下地点とこの木箱の位置が重なるように計算してな。風神魔法で軌道も制御してたかもな。
で、空に打つとすぐにお前に矢を連射して足止めするとともに、空から矢が落ちてくるのを気づかせないようお前の意識を地上に向けさせてたってわけだ」
キーリの解説に、フェルは戦慄を覚えて勢い良くカレンを見た。キャイキャイとアリエスと一緒にはしゃぐ彼女。弓を持って防具を付けている以外は年相応だ。そんな弓の名手のようには見えない。
「そういや、あの女もお前らの友達だったな……」
「ん? まあそうだが、それがどうしたのか?」
呟きの意図を理解できていないフィアの質問に、フェルは落胆と溜息を禁じ得ない。
――自分とは才能が違う。
フェルは握りしめられていた拳を見つめる。フェルも男だ。冒険者になって迷宮内を颯爽と駆け回り、高ランクのモンスターの素材を持ち帰って金持ちになり、多くの人に認められる。そんな未来を夢想していた時期もあった。だが入学当初のそんな妄想から、彼らを見ていれば嫌でも眼が覚めるというものだ。
フィアもキーリも、アリエスもイーシュも、そしてカレンも自分とは違って遥かに才能に恵まれ、そして努力している。今回の訓練でも改めて気付かされたが、そんな奴らにどれだけ努力してもとても追いつけると思えない。
「しゅうぅぅぅごぉぉぉうっ!!」
オットマーの大声が響く。それを聞き、一同は皆彼の元に走っていく。フェルも唇を噛み締めて感情を押し殺し走り出す。
そんなフェルの肩がポンと軽く叩かれた。
「……」
顔を上げれば、肩を叩いたのはキーリだった。彼は走りながら真剣な眼差しでフェルの方を見つめ、だが何も言わずに再び前を向いて走っていく。それでもフェルは、なんとなくキーリが言いたい事が分かった気がした。
(……だからって腐ってて良いわけねぇよな)
親の反対を押し切って冒険者になろうとしているのだ。英雄レベルにはなれなくたって、せめて田舎貴族のプライドをへし折るくらいには名を轟かせてやる。
もう一度、今度は意識して拳を握りしめる。そしてフェルは前を向いてキーリを追いかけていった。
2017/6/25 改稿
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