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五話 できること

どんなフットボールを目指しているのか。

どんなプレイヤーになりたいのか。


ぼくはどんな仲間も活かせる、そして自分が活きるフットボールを目指している。

身体能力で勝ることはできない。現代サッカーとは方向性が違うのはわかっている。

でも、身体の大きさなんかはどうしようもないこと。

だからこそ今の自分のストロングポイントをひたすら伸ばす。


「ミズホ~さっきのプレイスタイルよかったな~」

カールコーチが言ってくれた。

「ヘルタのスタイルにはなかったね」

マリウスも言ってくれた。

「しかし、やな感じだろうな~対戦相手は」

「マッチアップしているやつなんて腹が立つと思うよ」

いや、褒めてくれているのかそうではないのか・・・。

「ボール取れないんだもんな~」

「俺ならへこむよ」

でもチームメイトは気がついている。

「お前らも身体デカイんだからミズホがやっていることを少しでもやったらもっと楽しくできるのにな」

クラウスコーチの一言が仲間に突き刺さる。


「でだな。グイグイ行くのは嫌いじゃない。もっと色々ゲーム中に試してみよう」

ハーフタイムの間にカールコーチが言った。


それからは全員であ~だこ~だ言いながら時間が過ぎていく。

ぼくは話の半分も理解していない。

ただ、今のスタイルで良いといってくれたような気がするだけ・・・。いいのかこの理解で!?


「次は3-5-2で行ってみよう」

マリウスの一言。

もう王様だね。この人。


   #9 アウグスト  #11 ラルフ

        #16 ミズホ

#14 ゲラルト #10 マリウス #8 ハイノ

        #7 フリードリヒ

#5 レオ #4 グンター #3 ホルガー

        #1 アルベルト


「注意したいのは縦に伸びないこと。真ん中5人はポジションにあまりこだわらないこと。FWふたりは常にボールにプレスかけることね」

カールコーチから・・・。

「ミズホは遠慮しないようにね」

クラウスコーチ・・・ぼくに自身を持てって言ってくれているんだよね・・・。


その後はなにやら話をしながらピッチに戻る。

ぼくにはクラウスがべったりついて丁寧に身振り手振りで話しをしてくれた。

「要するに、フィールド内をぐちゃぐちゃにかき回せ」

そういうことだった。


後半開始


対戦相手も気になるのかマンツーマンでぼくについてきた。

そのぼくはと言うと・・・トップ下から始まり最前線、最後列までウロウロ・・・。

ただウロウロするならば相手も放っておくだろう。しかし、ボールはぼくを経由して縦横に散っていく。

その流れの中、マリウスとボランチに入っているフリードリヒのゲームコントロールが上手い。

一瞬ぼくにボールを預けると周りを見る時間が出来る。

その産物だ。


それにつられてか周りの選手ものびのびやっている。

単調になりがちだった前半からは別のチームになってきた。

単調になりそうなときにぼくが関わり、リズムを変える。

単調なのがダメなのではなく、このチームの特徴はゴールを目指す強さだった。


それにしても、みんな速いし強い。テクニックもある。

日本のJやトレセンの選手が霞むぐらい上手い。

ぼくは市トレ止まりの選手だからついていくだけで大変なんだけど・・・。


「ミズホ~ゴール前~」

左FWのアウグストがなにやら言っている。

「お前狙うから何とかゴールして~」

狙われています。

そんなところに行けますか?普通?

「早く行けよ~」

仕方ない。ニアに寄って行くと・・・とんでもない弾丸クロスが来ました。

それシュートでしょう!

トラップできるはずないでしょう!!


どうしたか?

よけました。

でも、背中に当たりました。

こぼれたボールをクラウスが豪快にシュート・・・。痛いです。ホントに・・・。


「ミズホ!ナイストラップ!!」

そんな事思ってないでしょう・・・。顔笑っているよみんな・・・。


「でも、次は逃げるなよ!」

このチームの攻撃時の勢いは壮観だ。

全員前掛かりで、何処からでも得点を取れそうだ。

裏を返せば、守備がザルなんだけどね・・・。

誤字のご指摘をいただき修正させていただきました。

掘っておく×

放っておく◯

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