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一話 右も左もわからない

突然のドイツ引越しから1ヶ月がたち、慣れたかというと・・・慣れていない。

日本人学校に通っているし、学校のグラウンドが人工芝なんです!

そこでトレーニングをしてしまうから外国に来たという感覚がなかなか生まれなかったのもあるかな・・・。


そういっているうちに、フットボールクラブにいく日が来た。

いや、本当に来た!って感じでした。いや、来てしまったかな?


母に連れられて練習場に行ったのはいいけれど・・・。

「母さん。ドイツ語しゃべれるの?」

「しゃべれないわよ」

「英語は?」

「任しといて!」

本当ですか?


クラブハウスに着いたときに心配は絶望へと変わった。


「言葉通じないわね」

「・・・」

「まあ、ボールを蹴るのは一緒なんでしょ!頑張ってきなさい!」


無責任過ぎないでしょうか・・・。

まあ、日本にいたときも仕事が忙しいと言われて育ったので、自分のことは自分でする子でしたが、流石にこれはないわ~。

呆然と立っていると、おじさん?いや、お兄さん・・・どこかで見たような雰囲気の男の人が近づいてきた。


「ハロー ※△□▽×・・・・かーる」

ん?ハローってこんにちは?と言うか、この人カールさんかな?って誰?

「ぐ、グーテン・ターク・・・」


「ミズホ~※△□▽×・・・・」

た、助けてください・・・。

でも、ぼくの名前を呼んだような気がするな・・・。

それに・・・あ!この人の雰囲気はカツコだ!!

のりが軽い。意味通じていなくてもかまわないってオーラ出しているよ~。


「じゃあ、ミズホ頑張ってね!」

母さんも軽いよ・・・。

「終わるころに迎えに来るからね」

終わるころって、いきなり練習!?いや、手続きとかは??

「チュース!」って、置いていくなよ~~~!


ぼくの楽しい中学生活は終わりました。

1年生のときは夏前に怪我をして寝て過ごしました。

その後はリハビリ生活で学校と病院と家の生活。

2年生は突然のドイツ引越しで只今、クラブハウスで母親に見捨てられ、変なおっさんに絡まれている。

この先どうしたらいいの?


~~~


カールと言った男の人について裏手のグラウンドに行くと、人工芝ながら何面もサッカーグラウンドがあった。

様々な年代の子がボールを追いかけている。


ぼくは大きい人たちがやっているグラウンドに連れて行かれた。

カールさんたら紹介してくれるのかと思ったらほったらかしで、みんなと握手している・・・。

で、突然アップを始めました。

他にもスタッフらしき人は数人いたけれど、ぼくはほったらかし。


結局、何したかって?

グラウンドの隅で走っていましたよ。

ゲーム形式の練習になったら副審のようにサイドラインをボールに合わせてアップダウンを繰り返す。

持ってきた水分も飲み干したとき、スタッフさんが水筒をくれた。


結局4時間近く走り続けていた。

練習している人たちは30人ほど3チームに分かれてやっていたので、休んでいなかったのはぼくだけだった。

練習が終わったのか、三々五々選手たちがクラブハウスに引き上げていくけれど、ぼくはカールさんと愉快な仲間3人に囲まれた。


「はじめました。クラウス言います」

やった!日本語!!

「ナゼ一緒練習しない?」

微妙に変な日本語だけど伝わる!!


ぼくは怪我をしてまだ本調子ではないこと。

大きい選手ばかりで、自分の練習するクラスはどこか。

ところで、あなたたちは誰?


色々聞きました。


結論。


クラウスさん。

日本語ダメでした。

かろうじてわかったこと。伝わったかな?と言うことは、このクラスがツェー ユニオーレンといって、14歳・15歳のクラスでまさにぼくが所属するクラスだと言うこと。

僕自身がいいと思ったら練習に参加しな~みたいなことだった。


とはいっても、迎えの母さんが来ないのではぼくは帰れないのでボールをひとつ借りて軽くボールタッチをした。


なんだか寂しいよ~

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