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寒い冬が過ぎ去り春の香りがしてきた。
いつもの通りに雪を下し、一息ついた。
ん?どこかで見たようなワイバーンが見えて来た。
「お久しぶりです。」
案の定、ファルバートさんであった。
「どうしたんですか?鎧も来ていないようですが?」
「休暇です。遊びにきました。」
「・・・。」
正直言って邪魔だなー。
「あの!いろいろ持って来ました!」
そう言って、大きな手荷物を見せてくる。
「はぁ・・・なるほど、そういう事ですね・・・解りました。どうぞ。」
つまり、彼らはあれ以上の恩を感じていて、彼女に押し付けたっと言う事だろうな・・・たぶん。
「えっとまず、各種香辛料に食糧、地図の写しにコンパス、後これも。」
最後に出てきたのは、騎士の短剣だった。
「・・・。」
あえて突っ込まずに受け取るのが正解らしいな・・・。
騎士の短剣は、大体の町とか見せると便宜を図ってくれる、特権の証だ。
ただし、その騎士団が管轄している範囲のみであるけどな!
「まぁ・・・一泊ぐらいして行け。」
「はい!」
何だこの変な感じは・・・。
*
魔物の活発状況を調べる為周辺を調べてみる事にした。
ワイバーンを乗ってこられると邪魔になるので、家で待つように言い含めて飛んでみた。
昨日と比べて若干増えてきていた。
今のうちに、行動を開始した方がよさそうだ。
その間でも、短剣を飛ばして魔物たちを肉と素材にしていった。
あれ以降、魔人には会ってない。
大体、一度に二人も出てくるのが異常であるけどね。
そろそろ、家に帰って行った。
帰ってみると囲炉裏で昼飯を作ってくれていた。
素直に感謝をして、頂くと味は兵士が好む味だった。
その後、町やメグテール公爵家の話をしてくれた。
不可思かな事に一年前からメグテール公爵家の現当主の姿が視て居なくなった。
いきなりではなく、段々姿を消していった。
来年の王都の新年行事に姿を現すか否かで、困惑しているようだ。
現在、領地を仕切っているのは夫人の方だと言う事だ。
弟は天才と言われて、やんちゃを繰り返していし王都にある王立学園幼年部に入学したっと言う事だ。
王立学園は幼年部、少年部、青年部っと別れており、それぞれ五歳、七歳、十一歳に入学できる。
で、十四歳で卒業でそれぞれの道に歩むと言う事だ。
誰でも入学できるようになっている、お金さえあったらね。
幼年部から入ると言う事はエリートコースか・・・。
領内の事情は、魔境以外の魔物が活発に行動しているため、ハードスケジュールっと言うらしい。
っでお前は何で此処で休暇をしているんだ!?
それも公爵家の資産のワイバーンで!!
*
雪が降っていなかったら早朝から魔境の出口に向かって出来るだけ進む事を話した。
「え!?」
「君が思っている以上にここは危険な処だ、特に秋になると特に危険だ!夏の内にまたツリーハウスを作って避難しないといけない。」
「そ・・・そうですか・・・。」
「今の時期、魔物たちが大人しいから全力で進みたい。済まないが朝いなかったら戸締りを宜しくお願いします。」
「解りました。」
紙とペンを借りて、気付いたことを家の管理事を書き記した。
翌朝、屋根に雪は積もっておらず、そのまま魔境の出口の方向に全力で進む事にした。
幾ら、空を飛べると言っても限界がある。
空を飛ぶのは最終手段だ、その為出来るだけ地上での移動となる。
地上の移動になると、魔物との戦いの連戦となる。
秋の魔物の数より大人しい、夏になる前に急いで前に進める!
移動速度を重視するために、二振りの剣をそれぞれ両手に持ち二刀流で突破していった。
それでも足を止める事態は起きる。
一つは、食糧獲得と魔人との戦いだ。
魔人との戦いは、魔道具を獲得できるため回避したくない。
数週間、進んできたが秋以上に魔人との接触が多い、恐らく多くの人たちが同じことを考えていたからであろう。
欲をかきたくないが、簡単に逃がしてくれるよううな相手ではないので戦う事になる。
その為、比例して魔道具が増えていった。
使えそうなのもから使えないようなものまで・・・。
一先ず後で、整頓しよう・・・。
うっすら暑さを感じる日が近づいてきた。
冬ごもりの準備をする時が来たのだ。
*
二度目の冬の準備は早く終わった。
下手に拡張せずに同じタイプを同じように造った。
遠くの方でうっすらであるが魔境の出口らしいところに人工物が見えていた。
それが何かは知らないが、来年になったらここから出よう。
今は冬に備えて、食糧と薪に毛皮を揃えて行こう。
薪と毛皮は前の家に置いてきたから、新たに作る事にした。
狩りのついでになるから、問題はない!