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 まるで彼は賢者の様であった。


 重傷者を出した今回の討伐遠征は死人を出したことを覚悟した。


 少しでも生存率を上げるために、ファルバートに先行させ安静にできる環境を整えるように言って送り出した。


 竜侯騎士の中で一、二のスピードでワイバーンを飛ばので任せた。


 そしたら、思った以上に早く戻って来た。


 「魔境で隠れ家を発見、そこの幼き主が協力をしてくれるとのことです!」


 なに!?


 「その主の左目は魔素で変質していますが、対等な条件の協力に了承してくれました!」


 「でその対価とは!?」


 「魔境周辺の情報であります!」


 は?何を言っているのだ?


 「団長!」


 だが、今はそれにすがるしか、ないだろうな。


 「よし、其処に案内せよ!」


 隠れ家が見えてきたところで、家の扉が開き慌てた様子でこっちに飛んできた。


 バカな!


 どの国家でも単独での浮遊魔法は獲得しておらんぞ!!


 この幼子は一言、断りを入れ重傷者に魔力を入れていく、けがを治すのは安静するしか方法が無いが、この少年は癒しの力を使っているのか!?


 気を失っていたが悲鳴を上げ意識が戻ったようだ。


 これはそれで生きている明かしただと思い納得した。


 隠れ家にたどり着くと、周りを見ない状態でも柔軟に対処していった。


 複雑に折れた足を、悲鳴を上げられながら苦悶の姿を見せつけらても少年が平然と足を治療していった。


 重傷者の治療が終わると、次に骨折が酷い者たちの治療も行ってもらった。


 これで、魔境周辺の情報のみとは・・・。


 *


 「この森はバレットの森と言われて、大魔境の一つです。」


 フレッド王国には大小問わず多くの魔境が有る。


 広範囲魔境を大魔境と呼び、特に管理が出来ていないのだ。


 メグテール公爵家の中でもここの魔境は最も規模が大きい方の魔境だ。


 そもそも我々は、竜侯騎士団はこのバレットの森の攻略のためバレット城塞都市を中心に魔物討伐をしているのだ。


 主殿は主殿で地図とコンパスを取り出して見ていた。


 私はその地図を見て驚いた。


 我々でも網羅していない所までその地図は画かがれていた。


 私の目線に気が付いたようで、


 「魔道具の一つです。冒険者であったであろう魔人の鞄に入っていました。」


 っと言った。


 その年で、もう魔人を倒しているのか!?


 「それはともかく、俺達が居るのはここだ。」


 地図のある場所を指していた。


 其処は最奥の入り口であった。


 最奥を調査するには、とても良い所にあった。


 そのおかげで、重症になった奴らも助かった。


 「此処が魔境の出口ですか?」


 バレット城塞都市を指した。


 「そうです、我々の本拠地でもあります。」


 そこまで、戻っていたら、助かる者はいなかっただろう。


 *


 次の日には心が折れそうな寒さに雪であった。


 家の雪掻きのために外に出た主殿が、気を気かせて暖かい鍋を振舞ってもらった。


 どれだけ助かったか・・・。


 周りに巡回に行った部下がちゃっかり獲物を狩って来たのには苦笑した。


 ファルバートに主殿と出会った当時の事を聞いた直接、主殿と会話しその時に確信した。


 この主殿は、辺境に追い出されたと言われているメグテール公爵家の長子に違いない。


 そして我々はメグテール公爵家の筆頭騎士団、確かに私たちはこのことを知れば、この子を殺さなければならない立場になる。


 メグテール公爵家は、なんて愚かな事をしたんだ!

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