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 崖から突き落とされた。


 理由は簡単・・・能力属性が無かったから・・・。


 五歳になったら、水晶で能力が判定される。


 この水晶は魔導水晶と呼ばれ、触れるだけで、魔力 属性 初期魔法が知る事ができるのだ。


 この魔導水晶はとても高価であるが有力貴族であれば誰でも持っている。


 俺の親であった人も持っていたため、五歳になった俺は早速水晶に触ることを強要された。


 水晶に触る前に、前に何らかの属性的兆候が出るのだが、五歳に成った俺には出てこなかった。


 代わりに二歳年下の弟は生まれた時から顕著に表れていたので心の奥底で凄く恐れていた。


 そして、それが現実になった。


 俺は人並み以下の魔力が有るだけで属性と魔法が無かったのだ。


 属性は、地・風・火・水の四大属性のみ


 水晶では色で属性が解る。


 地は茶色 風は緑 火は赤 水は青


 俺はその色のどれにも当てはまらなかった・・・。


 そして魔法は属性に類する魔法を憶えていく、自然と魔法の呪文と名が解り使えるようになる。


 何もない空白・・・何も思いつかない・・・。


 あの家は、魔法至上主義であり、選民思想も強かった。


 その為、俺はこの家にとって腫物を触るような存在になった。


 青髪の一族で唯一の白髪の子であり、能力無しである。


 この弟が五歳になるまでは偽りになれど、居場所があった。


 家の離れに軟禁状態になり、監視されていた。


 この時、同情した一部の兵士や何も知らない街の友達とかが遊びに訪れてきてくれていた。


 弟が五歳に成り能力があると解ったとたんに、辺境にある傭兵学校に入れると言う事で親に連れ出された。


 だが実際は・・・足元が魔境の森に成っている崖から実の父親に突き落とされた。


 この時にときに成るまで、この家の長子としてやれることを全部やって来た。


 礼儀作法に、剣技、体技、読み、書き、算術、出来る事はやった!


 たとえ、家から離縁されても言い様に文官としても知識も入れていった!


 お前は、俺の事を何も評価しないのか!?


 最後の足掻きに見た父親の顔は、全く感情の動きが無かった。


 *


 落下する事に逆らえずに落ちてゆく、親・家・自分自身を呪っていった


 空気の流れが速すぎて気が失おうとした時、体に衝撃が走る。


 崖の一部に体が当たり再び意識を戻す。


 逃れる事も出来ない時間の間に体の痛みから死を意識した。


 ----混乱----


 魔素:魔素は大気中にあり、一般生活では毒にならない濃度で存在し個人で持っている魔力と組み合わさり魔法が発生する。


 だが、魔境にある魔素は体を変異させるほどの濃厚な魔素が有る。


 落下しながら、そんな高濃度の魔素の塊に触れたのだ。


 一瞬で左目が持っていかれた。


 体痛みの他に左目の激痛は、混乱した理性が狂気へと変質させた。


 この狂気は、魔素の理解となり体内に入った魔素は魔力へと変換していった。


 体中を駆け抜ける大気中にある魔素と空気の層、ほんの一秒の事が数分の感覚の囚われながら体内にある魔力と魔素がぶつかり始めた。


 激痛が意識を失なわせる事を否定し、体感的に時間の流れが凄く遅くなる。


 魔力は空気の層とぶつかり体で大気を理解始めた。


 左目の激痛は自然と無くなり、魔法が不必要な知識が頭の中に入ってくる。


 地面との衝突を覚悟した時、飛べ!を叫んだ。


 すると、今まで重力に囚われていた体は突如止まり、地面すれすれで浮いていた。


 すぐに魔力が尽き、地面に落ちたが、命は助かった。


 「くっくくく、あはっあはははは!!!感謝するぜ!メグテール公爵閣下殿!!」


 この日、俺は名無しになった。


 だが手に入れた力は、他者にはない俺だけの力を手に入れた。


 { 思考効率 魔素変換 隻魔眼 飛天魔法 異天の知識 }


 *


 魔境:膨大な高濃厚な魔素によって地形の複雑化、動植物の変質化と狂暴化した土地を示す。


 人が踏み入れる事が困難になったところだ。


 変質した動植物を魔物やモンスターとか言って一括りに呼んでいる。


 力も持たぬ者や未熟な者がこの地に踏み入れると待っているのは魔物たちの餌や理性を失った魔人と成る。


 魔人は極まれに魔素との融和性が高く人の形を持ったまま動植物と同じように変質化・狂暴化した俗称であった。


 そのため、魔人には理性が無く、人の時の経験を元にすべてを狩りをする存在に成り、最も危険な存在になっている。


 反面、魔境に踏み入れる者は多い、理由は普通の自然界では採取できない素材や魔道具があるのだ。


 高濃度の魔素はすべての物に変質する特性が有る。


 普通の鉄や布でも全く違うのも変質する。


 そのため、一般世間では珍しい、希少な物は高価な金額が付けられるのだ。


 特に魔人となった者の装備は極まれであるが魔道具となる場合がある。


 魔道具は、人の手で作り上げられた物に高濃度な魔素が蓄積して変質し、魔力を通すことによって魔法的効果を発生させることが出来る物だ。


 魔道具を見つけることが出来たら一財産、成り上がることが出来る。


 メグテール公爵領は、領地の中に複数の魔境を抱えている。


 その内の一つは、完全に管理しており、魔道具の生産拠点と成りメグテール公爵の財布と成っているのだ。


 だがこの魔境は一切管理できていない。


 専属の騎士団が管理しようと奮闘しているが中々管理が進んでいない。


 普通の崖ではなく、此処を選ぶとはよっぽど憎たらしかったみたいだ。

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