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衛星第二号

作者: 劉之介

 その衛星は何の前触れもなくやってきた。

 野口雅弘は朝早くに家を出た。今日は月曜日。休み明けの起床は、何度繰り返しても慣れないものだ。大学二年生の野口は、アパートの階段を急いで駆けおりた。鉄製の階段が彼の歩くリズムをひそかに作りだす。野口は家の前に設置されてある駐輪場を目指し、スクラップ工場みたいに置かれている自転車の中から自分のものを探しだした。位置は決まっているので、自分の自転車はすぐに見つかった。キーを差し込み、サドルにまたがる。彼はペダルを踏んだ。大学まではおよそ二十分だ。

 車輪は決められた早さで回り続けた。彼は曲がり角から飛び出してくる車の影を気にしながら、それでも猛スピードで進んでいった。いつもの出来事、いつもの習慣。重くなった身体を無理やり動かし、朝食を食べ、自転車に乗りキャンパスを目指す。これは変わらないことであり、野口もそう信じていた。仮に変化してしまうとしても、それはまだ彼の予測できる範囲だと考えていた。だから彼は何の疑いを持つこともなく、こうして日常の生活を繰り返しているのだ。しかし、そんな彼の常識的な考えは、今日という日を境に崩れていくことになる。

 野口は角を左に曲がった。彼の走る道は周りが田んぼになっている。死角を気にする必要なく、彼はブレーキをかけずに道を曲がった。

 突然、彼は自転車を停止させた。使われるはずのなかったブレーキが、野鳥のさえずりのような音をたてる。野口は目の前の光景を直視した。一度目をつむり、満足したところで目を開ける。そしてもう一度、それをまざまざと見る。どういうことだ。彼は心のなかでそう思った。自分は誰かにからかわれているんだ。現実的な考えを井戸の底から取り出し、必死に解釈しようとする。だが、無理だった。彼の眼前に現れたものは、現実や論理では到底太刀打ちできない、計り知れない力を持っていた。



 平凡な青空に突如現れたその水色の球体は、国をそして世界を混乱に陥れた。何の前触れもなく、まるで新たな歴史が始まっていくような感覚に、人々は恐れ嘆いた。何を隠そう地球のすぐ近くに天体が一つ誕生したのである。これはフィクションではない。星を目撃した世界中の誰もがそれを確認するだけで一、二日を費やした。三流映画でも、もう少しまともなストーリーを描くはずだろう。例えば、天体出現前にはUFOがいくつも発見されていただとか、地球の温度が急上昇して、人類の住めない土地になってしまうだとかそういうことである。しかし、今回現れた水色の星は本当に何のきっかけもなく、まるで神様がうっかり落とし物でもしてしまったかのように忽然と姿を現したのだ。これには世界中の科学者や天文学者は度胆を抜かれてしまった。それもそのはずである。これまで彼らは「もしかしたら起きるかもしれない」と「まあ起きるはずがないだろう」の二つの線引きをはっきりさせて研究をしてきた。しかし今回の出来事によって、「まあ起きるはずがないだろう」の線引きはひどく曖昧なものになってしまった。結果、彼らは頭を抱え、一般市民と同じように先の見えない状況に立たされることとなった。

 一般市民よりも力を持っている者たちはこの新しい星について、どう処理していくかについて話し合った。何しろ月の三十倍はあろうかという巨大な星である。彼らは口をそろえてこう言った。「息苦しいったらありゃしない」。さて、じゃあこの息苦しさをどうするべきか。彼らの議論は延々と続いた。しかしかけた時間のわりには、有効な打開策と呼べるものは出てこなかった。世の権力者といえども所詮は普通の人間。ついには、いっそのことミサイルで星を木っ端微塵にしてしまおうか、なんて考えを言いだす者まで現れる始末である。そんな荒唐無稽な理論が通用するはずがない。結局彼らは、「もう仕方がない」という考えに行き着くことになった。しかし、そんなものは行き着いたとは言わない。振り出しに戻っただけなのだ。

 数週間後、水色の星について名称をどうするか、区分をどうするかについて検討会が行われた。区分というのは、あの水色の星を「惑星」と呼ぶか「衛星」呼ぶか、ということである。惑星なら九番目、衛星なら月に続いて二番目となるその新星をこれからどう扱っていくのか。決まるのにはそう時間はかからなかった。大きさも申し分なく、惑星の仲間入りでもおかしくはなかったのだが、結局「衛星」という形で落ちついた。四十六億年の地球史で初めて、月以外の衛星が誕生したのである。

 名称については一般募集という形がとられたが、正式な名前はそこから選ばれることはなかった。後日ようやく発表された名前は、これまでつけられていた天体の名称に比べて、極めて異質で簡素なものだった。

「No.2」 日本名「第二号」 それが彼らの出した結論だった。



 まるで特撮ヒーローだな。野口はテレビを見ながらそう思った。第二号なんてとても星につける名前じゃないだろう。これよりも遥かにマシな名前が一般募集の中にもあったはずだ。いくらなんでも直球すぎやしないか。

 彼はテレビを消した。三十二インチの液晶画面は色を失い、後は静寂を守った空虚な部屋だけが残った。野口は立ち上がると、家の一階に降りた。そろそろ大学へ向かわなければならない。衛星が二つに増えようと、テレビの向こうが大騒ぎしていようと、人間はいつも通りの生活を送らなければならないのだ。野口はそのことをひどく異様に感じた。

 自転車に乗り、目的地へとペダルを漕ぐ。彼は進行方向に広がる空を見た。白い雲の向こうに水色の「第二号」。なんとも不思議な光景だ。小学校の時に見たアニメに主人公が宇宙人の星へ行くというシーンがあったが、それと全く同じ空じゃないか。本当にここは自分がいままで住んでいた土地なのだろうか。いままで住んでいた地球なのだろうか。彼は自転車に乗りながらそのことについて深く疑問に思った。最初はとても小さな疑問だった。しかし野口は、そのことについてさらに一段上がった視点で考えてしまった。小さな疑問はやがて恐怖に変わっていった。これまで住んでいた地球と、いま住んでいる地球とのギャップが、衛星一つでこれほどまでにも変化するとは想像もしていなかった。ハンドルを握る手が徐々に力を無くしていく。彼は脳天から足先まで被さるようにして襲いかかってくる恐怖にとうとう耐えきれなくなった。彼は例の畦道で、自転車を急停止させた。流れた汗が膝に落ちる。穿いていたジーンズに黒い円が作られた。

 彼はその日、大学には現れなかった。



 矛盾した世界はやがて現実味を帯びてくる。一人の青年が当然のように信じていたことも、多くの人間が常識として身につけていたことも、やがては大規模に更新され、一新される。夢物語も繰り返し続けば現に変わる。いま目の前に存在する「意味のある事物」は「意味があった事物」として、環境を巻き込み、新しい時代を作りだす。皆、そのことを頭の隅では分かっているものの、実感という次の段階にはたどり着けないでいる。だから人間は同じ過ちを繰り返す。対策もせず、余裕もなく。

 野口が見ていたこれまでの景色はもとから出来上がっていたものではなかった。要するに彼が産まれた瞬間から、彼の世界もまた同時に生まれていたのだ。彼の視点から見た世界は全て彼の創作物であり、彼が身につけていた知識も出所は全て彼にある。もちろんそれは野口自身も知らなかったことである。無意識のうちに彼は自分の居心地の良いように世界を作り変えていたのだ。

 日当たりのよいソファーに腰かけるように、それは特別なことではなく、重要な意味を持っているものでもなかった。しかし今回の事件によってそれがいとも簡単に覆されることが分かってしまった。彼もまた「もしかしたら起きるかもしれない」と「まあ起きるはずがないだろう」の二つの境界線を自分で作成していたのだ。これは野口雅弘だけに言えることではなく、ほぼ全て(あるいは完全)の人間にも当てはまることである。生きていくためには仕方のないことだが、これは諸刃の剣だということを忘れてはならない。




 シャッター音が緑の少ない大草原に響いた。

 野口はファインダーから目を離した。液晶画面に映ったものを確認し、カメラと眼球の距離を遠ざける。写真に収めたのは、とある部族の姿だった。

 暗黒の大陸「アフリカ」。人口はおよそ十億人。五十四の国からなる人類発祥の地である。内戦や飢餓のイメージが強いが、欧州に近い国々や、海に面した地域では、経済発展が進んでいることも多い。森林が広くに分布しており、貴重な自然が豊富にあることも特徴の一つである。

 カメラを首から下げ、成人となった野口はそんなところにいた。


「前にも来たことがあるんすか?」アイビーの帽子を被った若い男が野口に尋ねた。

 彼はすかさず否定した。「いや、ここは初めてだ。どうして?」

「いや、民族の分布や特有の生活習慣などがきっちり把握できているなと思ったんで」

「俺がか? 確かにある程度の下調べはしてあるが、殆どが行き当たりばったりだぞ」野口はそう言うと上唇を舐めた。

「すごいですね。その勇気僕にも少し分けてくださいよ」男は期待の籠った表情で野口の顔を見た。野口は彼の顔を見ながら、マルチ商法に引っかかった大学時代の知り合いをふいに思い出した。

「なんだそれ、俺をからかってんのか」野口は語気を強め(しかし顔はにやりとさせながら)相棒の歩行速度に合わせることなくサバナの熱帯草原を進んでいった。悪徳企業に騙された人は、野口の友人だった。今、奴はどうしているだろうか。山積みにされたダンボールとはおさらば出来たのだろうか。彼はそんなことを思いながら、焼けた空にここにいることの虚しさを感じた。


 彼がここに来たのは五年前のあの出来事がきっかけだった。衛星「第二号」。この星の出現は消極的な当時の若者たちに新時代の幕開けを予感させた。星が流す果てなき探究心は彼らの知的好奇心をくすぶり、すっかり星に魅せられた者たちは、一度しかない人生を衛星に捧げることを選んだ。世界各地で新たな宗教が生まれ、これまで通説とされてきたあらゆる固定観念が崩されていった。人類の歩みは一つの衛星をきっかけに方向転換を始めたのである。

 二十五歳になる野口雅弘もその中の一人だった。彼は世界各地を周り、衛星が出現したことで変化した世界の動向を調査していた。変革を迎える人類の瞬間を写真に収め、その証を残す。まさに進みゆく人々の航路に点を打つような感覚だった。野口と仲間の男、そしてその他大勢の若者はその「点を打つ快感」に恍惚となっていた。

「ここだ」野口は何かを見つけると急に立ちどまった。後ろにいた男は考えごとに耽っていたため野口の背中にぶつかりそうになった。どうやら次の撮影ポイントについたようだ。男はそう思うと、二日前に剃ったばかりでもう伸びてきた顎ひげを左手で撫で始めた。

 男は野口の後輩にあたる人物である。年齢は彼より一つ下。彼も衛星の輝きに魅了され、野口の旅に半ば強引についてくる形で同行することになった。風貌や口調から一見粗放な性質を持った人間に見られやすいが、これは他人とうまく合わせるために故意にやっていることである。冷静沈着で計画的。それは大学時代の先輩である野口でさえ気付けていないことだった。

 野口はカメラを進行方向に向けて構えた。男もすぐさま倣った。野口は撮影担当で、男は動画担当だ。彼らの視線の先には登り坂があり、その頂にはバオバブの大木が植えられていた。二人はその光景に一つの加わりが入るのを待っているようだった。

 彼らの行為に見飽きた太陽はまるで別れを告げるかのように西の空へと沈んでいった。いつの間にか夜になってしまったが、水色の光のおかげで完全な暗闇とはならなかった。

 やがて丘の上から、この辺りの部族と思われる一群が現れた。人数は二十人ほど。全員が半裸の男で、身体じゅうには黒いボディペイントが施されている。上空には衛星第二号が太陽に代わる存在として、一団の行動を見守っていた。野口も息を殺して、眼前の光景を注視していた。

 集団の中で一際背の高い者が群れから外れ、バオバブの真下に立った。彼らのリーダーだろうか。野口はそう思った。心の中では刻一刻と迫る一瞬のシャッターチャンスを待っていた。

 リーダーと見受けられる男はバオバブに手をかけ、木登りを始めた。野口の予想通り、登るスピードは、流石は大自然の中を生きてきた部族、と言えるものだった。もし彼と木登りで競争することが出来たら。野口はふと考えてみた。ハンディキャップをつけて、相手には十秒後にスタートしてもらおう。衛星を目標に奮起すれば、自分でも互角にやりあえるかもしれない。しかし野口はその考えを自分自身で否定した。やったところで結果は火を見るよりも明らかだ。

 そんな益体もないことを考えていると、いつの間にかリーダーの男は木を登りきってしまっていた。野口は慌ててカメラを男と巨大な星に向けた。今日取り損なったら、一ヶ月前まで積み上げてきたプランが全て水の泡になってしまう。だが夜空に瞬く淡い海の色彩と、男の持つ小さくとも強い威厳は、どこか人間と自然の調和を感じさせ、その神秘に彼は撮るのを忘れてしまいそうになるほどだった。

 後輩も固唾を飲んで、部族と星が彩る芸術に見入っていた。ミュージカルや舞台の類は敬遠していた彼だったが、この広大なラトソルの土壌を劇場としたこの「演劇」にはすっかり目を奪われてしまっていた。もはやそれには動画撮影という近代的な行いでさえも、この場を汚す背徳的行為に思えて仕方がなかった。

 枝の上にいる長の男は二本の足でバランスを保つと、両手を木から離し、衛星に向かって掲げた。祈りを始めたのだ。野口は心の中で拳を握った。言うまでもないことだが、彼らは目の前に浮かぶ「第二号」を神の象徴物としてとらえている。彼らにとって時は光や音と同じく一瞬にして過ぎ去ってしまうものであり、神はそれを捕まえる一種の超能力者である。彼らはイスラム教を信仰していないから、偶像崇拝は自由だ。彼らは神を目に見えるものとすることで、一族の判断を神に委ねることができ、例えそれが一時の平安だとしても彼らはそれにすがりつくことで生活を繋いでいけている。衛星が出現したのは僅か五年前のこと。しかし、彼らはすでに新たな宗教を開き、神からの啓示も受けている。布教活動が成功すれば、そこに文明が生まれ、それを軸とした新興国が作られる。常識が覆されるということはそういうことなのだ。地球の隣人は恐ろしくも偉大な影響を人類に与えたのである。


 神への祈祷は数十分と満たないものだった。長は枝から降りた。

 バオバブの幹に手を当てる。それを合図に彼らは自分たちの村へと帰っていった。


 二人が我に返ったのは、それから十分後のことだった。




「結局、失敗しちゃいましたね」後輩が煙草を吸いながら野口に言った。まるで泥棒の子分が親分に仲間のヘマについて愚痴るかのような言い種だった。

 野口は窓の外に映る朝焼けを見ながら、彼に反論した。「仕方がないだろ。まさかあんなものを見せられるとは思わなかったんだ」

「確かに、分かります。まるで夢のようでしたもん」

 地上では…… もうすぐ車が通るだろう。ホテルの二十階。その一室で二人は昨日の出来事を振り返る。

 何もかもが全部まやかしではなかったのか。野口は時々そういった考えを抱いてしまうことがある。多くの人間が常識として身につけていたことも、やがては大規模に更新され、一新される。彼はとっくに分かっていたはずだった。それでも時々思ってしまうのだ。衛星の無かった頃の地球の姿を。人類の姿を。胸に描いてしまうのだ。

「ま、実際いいもん見せてもらったんで、これはこれとしてちゃらにしましょうよ。ね、野口先輩」煙草を吹かしながら後輩は言う。

 先輩の方はため息をついていた。自分はこれまで何を求めてきたのだろうか。何を捜してここまでやってきたのだろうか。どうしてあの時、自分は撮影のことを忘れてしまったのだ。どうしてあの時、自分は大事な使命を果たすことが出来なかったのだ。

 いや…… もしかしたらあの時自分は撮影をしなくて正解だったのかもしれない。撮影というものが神聖な場を乱す行為だということもそうだが、自分の人間性として、自然体な目であれを見ることができたというのは一種の正常な振る舞いであったのかもしれない。本当のところは分からない。真相の糸はもっと深いところで息をひそめ、二重螺旋構造のように複雑さを極めているのかもしれない。彼は空を眺めた。水色の衛星は今日も(まるで夢物語のように)そこに存在している。思い出せば五年前。突如奴が現れてから、その数日は確かに世界中がパニックに陥った。世界の終わりを予感し、自殺を図る者もいた。学者の信用は地に落ち、科学の進歩も意味をなさないものになるかと危惧された。しかし蓋を開けてみれば、学者はこれまで通り研究を続けているし、大きな革命も起こっていない。もちろん多少の変化はあったかもしれないが、それでも一番の大本である人間の日々の営みについては殆ど変わりがないように見えた。

 結局、衛星の登場によって人類は新たな時代を迎えたとは一概には言いづらい。野口は再びため息をついた。衛星を追い求めるというこの活動は無駄なものだったのだろうか。もっと人々はこの星について関心を抱いてもいいはずだ。なぜ彼らは変わることを恐れるのだろう。どうして彼らは「当然」と呼ばれる結論に帰結してしまうのだろう。衛星にひどく魅せられてしまった野口にとって、この一連の流れは到底理解できないことだった。

 煙草を一本吸い終え、後輩は座っていたソファーから離れた。「そろそろ出なきゃいけないっすね、先輩」

 ああ。と野口は適当に答えた。頭の中は地上にいる彼らのことで一杯だった。




 衛星第二号。

 本当のところは分からない。

 本当のところは分からない……。


 太陽の光を浴びて…… 彼は眺めることしかできなかった。


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