赤い服きた人形にはご注意を。
ある少女は、夢を見た。
とても和やかな中のいい家族の夢。
小さな赤い屋根の家に三人家族が誕生日会をしていた。娘の誕生日のようだ。
『ハッピバースデートゥーユー』
おいしそうなケーキを囲んでとても楽しそうにしている。他にも部屋があった。
一つは娘の部屋のようだ。とてもかわいらしい女の子の部屋という感じがあった。
その隣は母親の部屋のようで、PCと本棚。あまり女性の部屋という感じはしなかったが、本棚の上にかわいい赤い服を着た人形がおいてあった。
最後は父親の部屋。途轍もなく怪しい。暗く、水晶がおいてあり怪しい薬も置いてあった。
地下室もあった。地下室は何故か武器庫で斧や剣が置いてあった。
そのときは何事も無かった。
『そのときは』
一年後、その少女は同じ家族の夢を見た。同じく誕生日会をしていた。
だが、去年に比べて一人足りなかった。
『ハッピバースデートゥーユー』
母親が歌う。娘も歌う。そう、父親が居なくなっていた。
少女はゾッとして父親の部屋へ向かった。そこには、
ニタァ
首だけの父親と血塗られた斧を持った母親の部屋にあった赤い服を着た人形。
ニタリと笑って不気味だ。
少女はそこで目が覚めた。もうこの家族の夢は見たくないと思った。
けれど、その一年後。また同じ家族の夢を見た。
家の屋根はこころなしか赤さが増しているような。
意を決して、少女は家の中へ。家の中ではいままでを同じように娘の誕生日を祝っていた。けれど、家の中は荒れていて、そこに居るのは娘一人。しかも娘は・・・。
邪悪な笑みを浮かべ、高笑いをしていた。
『アーハッハッハッハッハー!全て計算どおり!これでやっとこの家は私のもの!私だけのものなのよ!』
少女は母親の部屋に向かった。そこには首だけの母親と・・・・。
ニタリ
『マダ、アナタノバンジャナイヨ?』
赤い服の人形。血塗られた斧を持っている。
少女は逃げ出した。夢だと知っているのに、夢だと分っているのに。
殺されてしまいそうだったから。
少女は目が覚めた。
あと、もう一度この家族の夢を見る気がした。
少女の予想通りその家族の夢を見た。
誕生日を祝っていたリビングは、何処から持ってきたのか背の高い本棚だらけで、荒れ果てていた。
少女は、娘の部屋へ向かった。
今までどおり、娘の首だけがあった。
けれど人形は居なかった。
怖くなって振り返り、駆け戻ろうとしたら・・・・。
ニタァ
『ツギハアナタ・・・』
人形が居た。
「!!!」
人形を突き飛ばし、家の外へ。家の近くを逃げ回った。
夢だから、覚めるまで。
だが、家の後ろを通りかかったとき。
少女は誰かにぶつかった。助けてもらおうと顔を見たら・・・。
「!!!?」
首から上が無かった。
驚いて右に逃げようとするとその先にも首の無い人が。
左に逃げようとするとその先にも首の無い人が。
『ヒトリダケニゲルナンテ、ユルサナイヨ?』
その声と服に見覚えがあった。
あの家族だ。
『ズットイッショダヨ・・・。アナタトワタシハ同じナンダカラ・・・』
すると後ろから甲高い声が聞こえた。
『ダイジョウブ。イタクナイヨ?』
人形が発した声だった。斧を手にユラリと近づいてくる。
「いやーーーーーーーーーーーー!!!!」
少女はそこで目が覚めた。
「たすかった・・・・?」
その後、少女は普通に学校に登校したそうで。
下校中に、誰かにおそわれ少女の首だけが少女の部屋にあったという。
その近くには赤いあの人形。血塗られた斧を持っている。
あなたは聞こえますか?この声が。
『ユメノソトマデオイカケルヨ』
聞こえたあなたは、次襲われるかもしれない。
赤い服を着た人形にはご注意を。