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2.雪菜の秘密とセカイの理




「ちょっと待ってくれ!一体何の話をしているんだ!?」


顧問が何かに起こされたかのように急に言葉を発した。それに続くように雪菜へむかって秋が疑問をぶつけにかかった。


「そ、そうだよ?!雪ちゃん、その人だれ?いきなり現れちゃってたけど。だいたい魂を喰われたってどういうこと?もしかしてその人、人間じゃないとか…」


「あったり〜!よく分かったね?僕達は悪魔だよ〜」


秋の問いかけに答えたのは雪菜でもアルバローザでもなかった。その彼と共に現れたもう一人の青年だった。

彼はアルバローザとちがい人間離れした異常な美しさをもっていた。そして人を馬鹿にしたような間延びした話し方で彼女の疑問に答えを出した。


「先生も秋ちゃんもごめん…せっかくの卒業式だったのに」


「そんなことどうでもいいから説明しろ!」


「そうだ!そうだ!」


気まずそうに言葉を発した雪菜へと願われたのは説明であった。


「あー、説明しづらいんだけど…改めて自己紹介させて下さい」


「え?おぅ…」


よくわからない説明の始め方に秋も顧問も首を傾げたが続きを促した。


「私の魂名はアルメリア・ユナ=ディスカード。二人は知らないと思うけど、この世に生誕したある一定以上の魂は10のセカイを各1回ずつ…つまり合計10回転生するの…」


雪菜…いやアルメリアが秘められたセカイの理を明らかにした。


「ちなみに魂名っていうのはね〜。核の魂に神様が便宜上付けた名前のことだよ〜」


間延びした口調の青年が説明を付け足した。彼は笑顔であった。

それを見たアルメリアは顔を歪めた。


「つまり貴様等の目の前にいた『柚川雪菜』はこのセカイだけでの存在であり、数あるセカイ同士を繋ぐ『狭間の世界』では『アルメリア・ユナ=ディスカード』であり、その他のセカイでは全く別の存在であるということだ」


アルバローザが説明を引き継いでいく。


「雪菜は私の10回目の転生…最期だった。回を重ねる毎に魂は段々と高みに昇っていく…」


「つまり雪ちゃんは今魂の高みの絶頂期ってこと?」


「うーん、正確には『雪菜』はもう死んでるんだよね…。ほら、目の前にいる上位悪魔さんが彼女の魂食べちゃったから…」


首を傾げながら秋がさらなる疑問を口にした。

その問い掛けに答えるのは憚られるのかアルメリアは表情を暗くした。


「どういうことだ?」


その表情に気付いたのか気付いていないのか顧問は彼女へと尋ねていく。


「さっき僕の話聞いてた〜?」


彼女を気遣ったのか代わりに声を発したのは悪魔の青年の片割れであった。


「核の魂っていったでしょ?『雪菜』ちゃんを存在づけているのは核のまわりの魂箔っていうのなんだよ〜。んで、アルバローザ君が雪菜ちゃんの魂箔喰っちゃったから『柚川雪菜』は死んだってこと〜。おわかり?」


「な、なんとなく?」


「核の魂だけで生きられるものなのか?今の話を聞いている限り無理な気がする…」


「あぁ、普通だったら無理ですよ。でも私は生きる意志が他人よりも強かったのである精霊に頼んで魂箔の代わりになってもらったんです。それから私はセカイの理における『逸脱者』として生きていけるようになったんです」


「実際にはセカイに存在してはいけない『モノ』なんですよ…私は」


「説明はもういいんじゃないかな〜?さっさと始めてよ、命懸けの宴を…」


「そうですね、始めましょうか…徒に宴を先延ばしにしても結果は変わらないし」



雪菜の姿が別人へと変化した。

黒髪が長くなり瞳は焦げ茶からゴールドとなった。加えて先程までと違い大人の魅力をもそなえていた。



「さぁ宴を始めましょう?いつでもどうぞ?」

アルバローザさんは魔王じゃないですよ!!

めちゃ、弱くてバカな設定ですから!

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