1.二人の青年
学校の中庭に突然二つの巨大なつむじ風が巻き起こった。
次第におさまりかけていくそれらの中から二人の美青年が浮かび上がってきた。しかも彼らは空中に浮いている。周りにいる人々は呆気にとられた姿を晒してしまっていた。
もちろん雪菜の近くにいた顧問と友人も例にもれなかった。だが、雪菜だけは例外で冷静にそれらを見ていた。
「久しぶりだな…アルメリア」
「お久しぶりです、アルバローザ卿。何かご用ですか?」
青年の一人が雪菜に話し掛けてきた。彼は空中に浮いたままだったが彼女は特に驚きもせずに返事を返した。
彼女の近くにいた友人と顧問はそんな彼女の雰囲気に驚嘆した。
雪菜は彼らの前では一度も見せたことの無い表情をしていた。彼女はまったくの別人のようにみえたのである。
「10年前の約定を忘れたか?」
アルバローザは少し顔を歪めながら言った。
その言葉と表情を見て彼女はわずかながらイラついた。
「もちろん覚えていますよ?私が忘れられると思いますか?」
彼女は笑みを伴っていたが、すぐにでも青年の姿が消えてくれればという感じであった。そして少しの危惧を感じてもいた。
しかし、アルバローザがそれに気付いたようではなかった。そのうえ満面の笑顔を浮かべた。
「そうか…それはよかった。アルメリア…貴様の魂は極上の旨さを誇っていた。限界まで俺様に喰われた君の魂は熟成されてさぞや美味になっているだろうな」
雪菜はため息をつきつつ目の前にいる不敵な笑みを浮かべたアルバローザを睨んだ。
友人の秋と今日まで世話になった顧問をかばうかのように彼のそばの窓辺へとただならぬ緊張感をもちながら一歩足をすすめた。
その場面をアルバローザと共に現れたもう一人の青年が近くから無表情に眺めていた。
なんか短い気もしますが…まぁ、いっか(笑)
改めて自分の作品を読みましたが、文才ないわー。
文才ほしいですね…皆さんがうらやましい…。