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VARIANTAS  作者: 機動電介
18/22

ACT17 心のありか

.組織の抗争、ヒトとしての誇り、想い…


Chapter 1

「容態は?」

 白衣を着た医師が看護士に問う。

 答える看護士。

「血圧・100の56、意識レベル・9、脾臓破裂による腹腔内出血と左肋骨4・5・6番骨折。危険です」

「もう一人は?」

「右肩部貫通銃創、動脈出血。鎖骨及び肩甲骨の粉砕骨折です」

「よし、緊急オペだ」

 捜査官とガントがストレッチャーに乗せられ、医師と看護士と共に病院の白い廊下へ消えてゆく。

 それを呆然と見送るジーナの横には、困った表情のジムと、苦虫を噛み潰したかのようなエイトが立っていた。

「ガント…」

 ジーナが、ぽつりと呟いてから壁に寄り掛かった。


 ファントムが居た。

 教官と同じファントムが。

 そのファントムに、ガントが撃たれた。

 私はガントと自分の姿を重ねていた。

 教官に撃たれる自分を。

 何故だろう…?

 私を撃つ教官?

 私が教官を撃ったからかな?

 教官を…?

 あれ…?

 教官は…?


 突然、エイトとジムの二人が引き締まった表情で敬礼する。

 アングリフが、ジーナの目の前に立った。

「局長…」

「ご苦労さん」

 そう言うアングリフの顔を、ジーナは睨みつける。

「教官が…、ティック=スキンド大尉が取り残されました。直ぐにASAFの本隊を向かわせて下さい」

「うーん…」

 冷静な声の彼女。

 それに対し、アングリフは考え込むように唸るだけだった。

「敵にはファントムが居ました」

「そうだね」

「…知っていたんですか?」

「まあね。ついでに言うとHMAもある」

 ジーナがアングリフに叫んだ。

「局長はこうなる事を解っていて教官を呼んだんですか!? 私達の事も利用して!? それでガントは…! 教官は…!」

 突然、アングリフの手の平が彼女の額を押さえた。

 そのまま下げられる彼の腕と共に、ジーナはペタリと床へ座り込む。

 身体が起きない。

 MAPSを装着していると言うのに、生身の人間の力に勝てない?

「ジーナ=バラム一等官」

 アングリフはジーナの額を押さえ付けたまま、彼女の顔をじっと見下ろした。

「君は一つ勘違いをしているようだ。私は君達を利用したつもりは無い。君達は任務を遂行し、成功させた。犠牲は払ったが、君達は生きている。それはティック大尉のお陰なんじゃないのかい?」

「でも教官が…!」

「君は彼の事を何も分かってない。彼はファントムだぞ? 亡霊は亡霊にしか殺せない。信じろ、彼を。彼も君の事を信じたのだろう」

 アングリフはそう言って、ジーナの額から手を退かした。





************





「行け!」

 カラドが、機装部隊に退避を促す。

「しかし!!」

「お前たちは目的を達成しろ! 行け!!」

 機装部隊は、カラドのHMAを見つめながら退避してゆく。

 息をつくカラド。

 次の瞬間カラドは、機体右腕に装備されたマシンカノンを狂ったように連射する。

「やらせはせん!」

 まるで奔流のような、徹甲弾の雨。

 ティックはそれを、寸で回避。

 砲弾が地面を刔り、土を掘り返す。

 ティックの手の中で、アーマグが唸る。

 電磁加速飛翔体射出装置、同時連続発射モード。

 3発分のエネルギーをチャージ。

 トリガー。

 アーマグから発射される3発の10mm徹甲弾。

 だがその弾丸は、360h1の増加装甲に阻まれ砕けた。

「フッ…、大戦中なら未だしも、現用機の特殊装甲にそんな小型のEMLなど通用せん! 時代遅れだ!」

 ティックは、連射される徹甲弾を避けながら、機装兵の死体が持っていたロケットランチャーを取り、HMAへ向けて撃った。

 カラドはそれを、左腕の小型シールドで防御。

 シールドの表面で、ロケット弾が爆ぜる。

「目くらましのつもりか? 無駄だ!」

 今度はカラドが、左小型シールドの裏に内蔵されたグレネードランチャーを発射。

 迫る成型炸薬弾。

 ティックはそれを迎撃。

 炸薬弾が空中で爆ぜる。

 次の瞬間、カラドの機体が爆炎を突き破り、ティックを地面ごと蹴り飛ばした。

 砂埃と共に宙を舞うティックのボディーは、そこから数十m近く吹き飛ばされ、営舎の外壁にたたき付けられる。

「死ね! ファントム!」

 機体の肩部ミサイルポッドから、対戦車ミサイルが撃ち出された。

 アクティブホーミングで6基。

 起き上がり、スラスターで走るティックを追尾している。

「闇より生まれし業は闇へ帰る。亡霊の闊歩もこれで最期だ!」

 着弾するミサイル。

 複数の爆発がティックを飲み込んだ。

 大輪の華を咲かせる赤い爆炎。

 突然、レーダーに反応。

 上空から接近する移動物体。

「なに!?」

 機体を振り向かせ、空を見上げる。

 そこには、右手の超振動破砕機を起動させたティックがいた。

「…奴は…、あのミサイルを全て回避したのか!?」

 不敵な笑い。

「さすがは楽しませてくれる!」

 カラドはマシンカノンを上空へ構え、トリガーを引いた。

 火を吹くマシンカノン。

 上空から加速するティックは、その射線を回避する。

「下手ァクソ!」

 マシンカノン、弾数0。

 カラドは、ミサイルの全弾をティックへ向かって放った。

 8基の誘導弾が、尾を曳きながら空へ昇っていく。

 ティックは、その空気を切り裂くミサイルの弾幕の中に突入し、スラスターを使いながら縫うように回避。

 目標を見失い、彼の後方で6基のミサイルが爆発する。

 接近する2基のミサイル。

 ティックの右手が、その2基のロケットモーターを刔り取る。

 幾つもの爆炎が、空を焦がした。

「ファァァァントォォォムッ!」

 爆炎を抜けるティックのボディー。

 カラドは機体の右腕を振り上げ、ティックへ向かって拳を突き出した。

 機体の拳と言う巨大な質量弾。

 衝突寸前、ティックはその巨大なパンチを踏み付け、拳を足掛かりに大きくジャンプする。

「拳を踏み台にしたッ!?」

 その瞬間、ティックの右足が、HMAの目であるメインカメラを砕いた。

 衝撃でバランスを崩す機体。

 カラドは、よろける機体を巧みに操作し機体脚部を踏ん張らせる。

「(メインカメラをやられたか…! サブカメラも! レーダーは辛うじて無事か…。反応は…? …無し! アクティブステルスかッ! どこだ!? 奴は…!?)」

 感覚を集中させるカラド。

 突然、彼の背中に寒気が走った。

 機体の正面20m。

 そこには、HMAへ向かってアーマグを構えるティックが居た。

 電磁加速飛翔体射出装置、出力最大。

 最終ロック・リリース。

 リミッター解除。

 青白い放電を纏うアーマグの銃身。

 下肢部に力を込めるティック。

 打ち出される弾丸。

 その弾丸は、彼のHMAへ真っ直ぐ向かい、命中する。

 後方へ突き飛ばされる、数十tもの鉄塊。

 身体を突き上げる強烈な衝撃に、思わずうめき声をあげるカラド。

 最大出力のアーマグから放たれた10mm徹甲弾は、機体胸部のチョバムアーマーを粉砕し、チタン・セラミック複合素材の胸部正面装甲板3枚を貫き、4枚目の最終装甲板にめり込んで、ようやく止まった。

 地面を蹴るティック。

 彼のボディーは軽やかに宙を舞い、一息でカラドのHMAに到達。

 が、その時突然、カラドの操る機体の右手がティックのボディーを掴んだ。

 カラドはスラスターペダルを一杯に踏み込む。

 機体背面のスラスターが推力を開放する。

 そのまま一直線。

 ティックを掴んだまま、高速で走りだす機体。

 機体は営舎の外壁にぶつかり、ティックを掴んだ右腕は、その外壁に深々とめり込んでいた。

「捕まえたぞ…、ファントム!貴様を殺して、“亡霊”の名は私が受け継ぐ!」

 軋むような音を上げる彼のボディー。

 カラドが、ティックを掴む機体のマニピュレーターを更に握り込んだその時だった。

「故に汝らは感謝せよ…。未だ人である事を、感謝せよ…」

 ぽつりと呟くティック。

 突然、彼を締め込むマニピュレーターの動きが止まる。

「こ、こいつ…!」

 悲鳴を上げるアクチュエーター。

 次の瞬間、マニピュレーターの関節が歪み、折れた。

 ちぎれ飛ぶ“指”。

 機体マニピュレーターの束縛を解いた彼は、機体の腕を一気に駆け上がる。

「やらせはせんぞォォ!」

 カラドは咄嗟に、右腕をパージした。

 落ちる右腕。

 ティックは、その右腕を蹴り、空中から更にジャンプする。

 迫る左腕。

 彼を掴もうとする左マニピュレーターは、寸の所で虚しく空を切った。

 機体コクピットに取り付くティック。

 彼は右手の超振動破砕機を起動させ、先程アーマグの10mm徹甲弾が開けた穴に、手刀を刺し入れる。

「くそ! 離れろ! 離れろ亡霊!」

 叫びながら、彼はティックを振り落とそうと必死に機体をもがく。

 だがティックの手刀は、そんな彼の声を掻き消すかのように深々と刺さっていく。

 火花を散らす装甲。

 彼の手刀は10mm徹甲弾の穿った穴を刔り、更に傷口を広げていく。

 そしてティックの右手は、コクピットの装甲を大きく切り裂き、最終装甲板を削り取る。

「悪魔め! 悪魔めぇぇ!」

 ティックの右手が、最終装甲板と胸部フレームを突き破り、コクピットの中へ侵入してくる。

 絶叫するカラド。

 その彼の右腕に、ティックの右手が触れた。

「があああぁぁあッ!」

 まるでミキサーの中に手を差し入れたかのような状態。

 彼の右腕は瞬時の内に細切れになり、骨がミクロレベルまで粉砕される。

 沸騰する血液。

 彼の右腕は、血を噴き出しながら破裂。

 もはや人の痛覚レベルを通り越した激痛。

 急激な出血。

 意識の遠退く彼の機体は、仰向けに倒れた。

 コクピット内のカラドに向かって、ティックはアーマグを構えた。

 戦闘のダメージ。

 オーバーロード。

 アーマグは、あと一発撃てるだけの力しか残っていなかった。

「ファ…ト…ム…」

 カラドが途切れ途切れの声でティックに言う。

「貴様…には…死者の…亡…霊が、とりついている…。その…亡霊は…貴様を…呪い続ける…。私も…な…」

 カラドは、口から血を吐き出しながら笑う。

 ティックは言った。

「私はお前が羨ましい。人間のまま…、死ねるのだから…」

 ティックはアーマグの引き金を引いた。

 弾丸はカラドの額を貫き、シートにめり込む。

 機体から降りるティック。

 彼は壊れたアーマグを捨て、そのまま地面に倒れた。






Chapter 2

 “雨”だ…

 あの時と同じ、全身を濡らす滝のような雨。

 地面はぬかるんで、土は脚に纏わり付き、靴の中まで雨水が入り込んでいる。

 私はその中で脚を止めていた。

 私の背中に突き刺さる、剣のように鋭く鉛のように重い視線。

 痛いほど感じる、あの人の…

 目で見ずともわかる、あの人の視線…

 私は震える肩を押さえ付けて、振り返ろうと足を動かした。

 突然、意図せず揺れる身体。

 その瞬間、私の身体に、撲られたような衝撃が走った。

 胸に熱い感覚が広がっていく。

 理解出来ない意味不明の感覚。

 その胸に、私は手を延ばした。

 指先に、ぬるりとした血の手触り。

 胸に突き刺さる、一本の鉄杭。

 崩れて座り込む私の身体を貫く錆びた鉄杭を血が伝い、地面に落ちる。

 血は地面に広がり、目に見える全てを飲み込んで行く。

 地面も、木も、草も、空さえも。

 気が付けば私は、裸の身体を杭に貫かれていた。

 私は叫び声を上げた。

 張り裂けんばかりの叫びを。

 その度に、私の身体を杭が貫いていく。

 一本、二本、三本…

 私の身体は原型を留めないまで貫き続けられる。

 声を上げる生命力はもう残っていなかった。


 ダレカタスケテ…


 ただその言葉が、気管に詰まった血栓によって阻まれる。


 どうして…

 どうして助けてくれないの?


「教官…」




「ジーナ…!」

 自分を呼ぶ女の声で、彼女は目を覚ました。

 目に入ってくる淡い光。

 小さく、呻くような、声にならない声。

 彼女は必死に、自分の身体を撫で回した。

 身体はある。

 なんともない。

 傷も無い。

 分かっていても、何度も繰り返す。

「ちょっと…、大丈夫?」

 隣にいるエレミアが、シーツの上で身をよじるジーナを心配そうに見つめている。

「ん…」

「まったく…、隣でウンウン唸られちゃ堪ったものじゃないわ…。今お水持ってくるね」

 そう言ってベットをおりる彼女を、ジーナは目で追いながら身体を起こし、大きなため息をついた。

 朝の薄闇。

 カーテンが風に揺れている。

「いいの? せっかくの休暇なのに家に帰らなくて…。もう2日よ?」

 エレミアは、冷蔵庫の中を漁りながらジーナに言った。

 彼女は答える。

「迷惑ね…」

「迷惑だなんて…。ジーナと居るのは楽しいし、それにあなたの女房役には馴れたわよ。はいお水」

「…ありがと」

 ジーナは水を一口。

 エレミアはベットの上に手をついて身を乗り出し、枕元の窓を開け放った。

 再び彼女が問う。

「なにか悪い夢でも見たの?」

 ジーナは答えた。

「聞いて面白くもないし、話したくもないわ…」

「“教官”?」

「え…?」

 ベットに腰掛けるエレミア。

「ほら、またその顔。寝てる時もそうだったけど同じような顔してたわよ? 美人が台なし」

 ジーナがぼやく。

「女の幸せ遠のくわね…」

「大丈夫よ。あなた装備課の女の子達にすっごい人気あるんだから。仕事も出来て美人で、“できる女”の鏡だって。自分じゃ気付いてないでしょうけと、あなたってとてもキュートでセクシーなのよ?」

「あら、うれしいわね。彼女でも作ろうかしら…」

 そう言って苦笑するジーナを見つめながら、エレミアが遠慮気味な声で問うた。

「ねぇジーナ…、あなたの言ってる“教官”ってどんな人?」

 ジーナの眉が歪む。

「なんでそんな事聞くの?」

「夢にまで出てくるんでしょ?男の人?」

「一応」

「素敵な人?」

「まさか…。それに出てくるのはいつも悪夢にだけよ。それに…」

 ジーナはもう一度ため息をつき、ズレた肩紐を直した。

「教官は私にとっての痛みそのものよ…」

 二人の間に沈黙が流れた。

 長い沈黙。

 エレミアは怪訝な表情で聞き返す。

「なにそれ?」

 部屋の中を風が駆け抜ける。

「分からないでしょうね…。分かって貰えるとも思ってないし…」

 そう言ってジーナはベットから降り、立ち上がった。

 その彼女の背中を、エレミアは切なげな顔で見つめている。

 背中にある傷痕。

 傷痕など簡単に消せるはずなのに…

 でもその傷痕が、彼女の肢体をより艶かしく見せていた。

「ねぇ、ジーナ…。何が有ったか分からないけど、あまり自分を責めないでね…」

 そう言う女に、ジーナは振り返らないまま呟いた。

「ねぇ、エレミア…、私って捻くれた女ね…。お世辞にも、人となりが良いとは言えないわ…」

「恋でもしたら?きっと何かが変わるわ」

 ジーナが、服を着ながら答える。

「もう恋なんてしないわ…」

 彼女が振り返る。

 あの名前を口にした時と同じ表情で。

「ありがと…。もう帰るわ」

「ジーナ…」

 部屋を出ていくジーナを、エレミアは止める事が出来なかった。

 ジーナの目は、剥き出しのナイフのような目をしていた。

 触れれば傷を負うような目を。

 エレミアは小さく呟いた。

「朝ごはんくらい食べて行けば良いのに…」





************





 ぱちん、ぱちんと、軽快な音が部屋に響き、彼の足元に木の枝が落ちる。

 小さな鉢に植えられた小さな松。

 その枝を剪定鋏で切りながら、アングリフは思考を巡らせていた。

 捜査官を救出したあの作戦。

 作戦後の隊員達。

 作戦の後始末。

 彼の頭の中で、記憶がリフレーンする。


「松は成長が遅くてね、やっと剪定できる大きさになったよ」

 ヨハンが答えた。

「改良種に替えられては?成長は早いですし、無駄に伸びませんし」

 また一つ枝が落ちる。

「ヨハン君、盆栽は手間をかけるからこそ価値が出る。改良種はどうも好かん。つまらない」

 深呼吸一つ。

「さてと、そっちはどうなった?」

「報告します。作戦終了、実行は公安3ライラプス。昨夜、作戦行動を“捕捉”から“攻撃”へ移行。散っていたアストレイ残党を処理、殺害・12。痕跡は完全に消去、撤収完了」

「いいよいいよ、非常に良い。例の機体の方は?」

「01回収時と共に回収。機種は『HMA−360h1』。鑑識からの報告ですと、製造コード、登録ナンバー、機体通し番号の全てが削除されており、製造所の特定は不可能です」

「軍の介入は?」

「作戦終了直後から確認されています」

「GIGNか」

「はい。未明から、GIGN第一班が作戦区域を封鎖。同作戦区域内の支局と合同で主要道路の検問を開始。現在も継続中です」

「ほう、流石に手早い。主要都市治安権の引き渡しを求めてくるだけの事はある。3課と9係の行動に障害は無いね?」

「はい、問題ありません」

「司令官は?」

「ギリアム=リー・ヴィドック少佐です」


 窓の外を眺めつつ盆栽を弄る彼。

 突然の電話のベルが、彼の意識を引き戻す。

 一つ、大きく息をつき、受話器を取る。

「はいはい?」

「局長、中央軍憲兵隊からのご伝言です。『今日正午に会合の用意を』と」

 アングリフがぼやく。

「はぁ、それはまた…」

「それから警察病院からお電話が有りまして、大尉のお迎えは何時頃かと…」

「ああ、それね。それなら迎えの人間を手配するよ」

 アングリフはそう言って、ニヤリと笑った。





************


 窓の外で揺れるケヤキの枝葉が、まどろむような木漏れ日を映し出し、右肩から上腕にかけての全てをギブスで覆われたガントの横顔を鮮やかな光で照らしていた。

 一人部屋の病室。

 ベットのリクライニング機能で上体を起こした彼は、何も無い空間をぼんやりと眺めていた。

 護ってやりたいなどという自分勝手な激情を、正当化しようとする言い訳がましい自分の思考。

 くだらない嫉妬心で突っ走り、被弾して傷付いた自分の身体を支えて連れ出したのは、誰でなくジーナだった。

 額に残る、幻のような感覚。

 あの時、ファントムに突き付けられたマハトの感触は、MAPSの装甲を突き抜けて額に染み込んでいた。

「大丈夫ですか?ガント先輩」

 彼の思考を遮るように、見舞いの品を持ったジムが病室へ入ってくる。

 彼は、手に持っていたフルーツのバスケットを棚の上に置いて、ガントの側の椅子に腰掛けた。

「傷はもう何ともないな。ギブスは明日取れる」

 答えるガント。

 彼の肩は、拳銃で撃たれたとは思えないほど大きく損傷していた。

 骨は砕け、神経は裂けていた。

 それでも今では綺麗に“修復”され、しっかりと彼の胴体に付いている。

「そうですか…。安心しました」

 ジムがそう言って、安堵のため息をついた。

「みんな心配してました。エイト先輩も、ジーナ先輩も…」

 ガントが皮肉な苦笑を見せる。

「ジーナも…か…」

「嘘じゃありませんよ!」

 ジムが、珍しく声を張り上げた。

「…なに怒ってんの? お前」

 ガントが冷静に切り返す。

「すみません…」

 ジムは小さく謝ってから深呼吸。

「ジーナ先輩は、ガント先輩の怪我を自分のせいだと…。ファントムが関係している事は、自分のせいだって…。無茶苦茶ですよ…」

「お前、やっぱりジーナの事を…」

「ち、違うんです!そんなんじゃなくて…。ただジーナ先輩がかわいそうで…」

「かわいそう…か…」

 無言の時間が、暫くの間流れる。

 ガントが、大きくため息をついた。

「ジム。人間はな、自分が思っているほど不幸じゃない。問題なのは自分の過去の人生の中でどれほど多くの幸福を感じられるかだ。ジーナの中にはな、ほかの誰が居るんだ。それが誰なのかは分からないし、どんな気持ちなのかも解らない。でも、もし、その誰かがジーナを苦しめているなら、彼女は自分でどうにかするしかないんだ。寂しいかも知れないけどな、俺たちはただの“同僚”だからな」

 ジムは静かに拳を締めた。

「ガント先輩はジーナ先輩のことを…?」

「馬鹿」

 ガントがジムの頭を小突く。

「いてっ」

「野暮な質問するな」

「す、すみません…」

「ジム」

「はい?」

「俺は逃げたんだ」

「え…?」

「ジーナの過去を共に背負う覚悟が無かった。箱を開くのが怖かったんだ」

「パンドラの箱…?」

「知るのが怖かった。彼女の心に誰がいるのか。どんな災いが飛び出すか。それが怖かった。でもな、ジム。箱を開かなきゃ、たった一つの希望だって見出せないんだ。俺はそれをわかっていなかった。だからジム、お前がそのつもりなら、ジーナの本当の心がどこにあるのか、それを探し出してくれ。そうすればきっと…」

 ガントの言葉の途中、部屋に看護士が入ってくる。

 検温の時間のようだ。

「それじゃあ先輩…」

「じゃあな」

 病室から出て行くジム。

 廊下を歩き、ふと窓の外を見る。

 ケヤキの枝葉が揺れる。

「心のありか…」






Chapter 3

「ふざけないでください」

 目の前の男に向かって、私は思わずそう言い返した。

「頼むよ、ジーナ君。君にしか頼めないんだからさ」

 男が私に懇願する。

 本来ならおかしな構図。

 ここにいる男は、治安局局長・アングリフだ。

 それでも私は迷わず言い放った。

「嫌です」

 局長は聞き返す。

「なんで?こんなに頼んでるのに」

 私は答えた。

「私である必要が見当たりません。第一休暇中の私を、『緊急任務だ』と騙してここに引っ張り出したんですから」

 局長が口ごもる。

「だってさぁ、…て言ったら…来た?」

「はい?」

「だからさ、ティック=スキンド大尉を病院まで迎えに行ってだなんて言ったらここまで来なかったでしょ?」

「当たり前です」

「ほらねー?」

 局長は大袈裟な動きで額を押さえて、大きくため息をついた。

「だから君を騙して来させた訳…」

「帰ります」

「話は終わってないよ?」

「話す事なんか何も…」

「君、本当に大尉の事を恨んでるの?」

「…はい?」

「恨んでる人間を、ASAF全隊で助けろだなんて普通言わないでしょ?」

「…それは…」

「“大尉のせいで部隊を出た”だとか、“人として最低の扱いを受けた”だとか、君は本心からそんな事思ってるの?」

「何が言いたいんですか?」

「そは、我等はその子孫なり」

「え…?」

「何があろうとも、彼が君の教官である事には変わりはない。恩師は大事にしないと」

「私は彼を殺すかも知れませんよ?」

 局長が、口元を歪めて微笑んだ。

「どうぞ、ご勝手に」

「なんですって…!?」

「勝手にすればいいんじゃないの?君自身の問題なんだから」

 局長は、全く輝きの無い深い穴のような眼差しで私を見据えた。

「局長は私に何をさせたいんですか?」

 彼は答えた。

「私が言った事を」

 そう言った彼の顔は、うっすらと、妖しい笑みを浮かべていた。

 全くもって卑怯である。

 私の弱みに付け込んで、嫌がらせのような事ばかりを頼み込んでくる。

 確かに、教官のような外見の人を街中に放っぽり出すのは得策ではない。

 それでも、わざわざ私が行く理由は無い筈だ。

 それなのに…

 それなのに私はどうして、ここにいるのだろう…。



 窓の無い部屋。

 まるで研究室か何かのような計器や機械が並ぶその部屋は、その特殊性故に“整備室”と呼ばれていた。

 だがここは機械整備工場ではない。

 病院である。

 この部屋は、処置室と病室を兼ねた兼用の部屋。

 ここは、生身の人間用機材が一切ない、完全機械サイボーグ専用の病棟。

 それ故の“整備室”なのである。


 寒い…

 思わず出た言葉。

 部屋は気温が低く、湿度も低い。

 その部屋の奥に吊されている、金属に覆われた機械の身体。

 無骨なハンガーと鎖で吊された彼は、まるで整備途中の機動装甲のように、その大きなボディーを冷えた空気の中で静かに休ませていた。

 開け放たれた装甲外殻。

 沢山のコードやケーブルやチューブが繋がれた彼の“身体”は、あらゆる生物が持つ、所謂『生気』と言う物を全く発していなかった。

「教官」

 離れた所から彼を呼ぶ。

 だが、返事どころか反応さえ無い。

 私はもう一度彼を呼んだ。

 それでもやはり反応は無い。

 彼は死んでいるのか?

 そんな不安が頭を過ぎった私は、彼の目の前まで静かに歩み寄った。

 初めて見る彼の姿。

 普段、コートを着て私達の前に現れていた教官。

 その教官の“裸の姿”。

 その姿は正に、機械の塊そのものだった。

 それなのに私は、大きく背伸びをして、彼の頬に手を触れていた。

 指先に伝わる金属の冷たさ。

 それを無視して、私の指は彼の“素肌”をゆっくり撫でた。

 頬から首へ、そして胸へ。

 彼の胸では大きなポンプが稼動していた。

 彼の脳へ酸素と栄養を供給する、鉄の心臓が。

 その心臓へ繋がる太いパイプは、人のそれと同じように一定のリズムで脈動していた。

 そうか…

 機械の身体でも、彼の脳は生きている…

 いや…

 生かされている…

 気付けば私は、彼の、脈打つ大動脈を手で掴んでいた。

 これを引き抜けば、彼は死ぬ。

 そんな思いが、私の脳裏を掠めていた。

 私の手の中で、彼の命が脈打っている。

 それを押さえるように、私の手に力が入る。

 だが次の瞬間、私の手は凍り付いた。

「気付いていたんですか?教官…」

 彼のセンサーアイに、淡い光が灯った。

 それと同時に、彼の身体が地面へ下ろされる。

 地面へ付いた彼の身体は、物々しい機械音を出しながら元の形へ戻っていった。

 彼が立つ。

 私の目の前に、こんなにも近くに。

 教官が私に問う。

「何をしに来た」

「あ…」

 喉の奥で言葉が詰まった。

「私を殺しにか」

「ち、ちが…!」

 彼が私を見つめる。

「私は教官を迎えに…」

「そうか」

 彼はそう言って、たたんで置いてあったロングコートを羽織った。

「教官…」

 彼は振り返らない。

「あの時のファントムは、どうしたんですか?」

 なぜ私はこんな事を聞いたのだろう…

 答えなど知っているのに…

「やっぱり教官は何も感じないんですね。機械と同じだ…」

 ちがう…

 教官は…

「ファントムだなんて格好付けて、やっぱりただの戦闘機械…」

 突然、教官の右手が私の服の胸倉を掴み、私の身体は壁に押し付けられた。

 服が裂け、教官の足元に、私の服からちぎれ落ちたボタンが転がる。

「お前に…、脳を刔られた同胞達の何が分かる…!」

 私は構わず、教官に言った。

「へぇ…、教官も怒る事があるんですね」

 教官の左手が握りしめられた。

「その左手でどうする気ですか? 私を殴りますか? それとも、人間の真似して私をここで犯しますか? 無理ですよね、そんな事…。あなたのボディーでは…」

 教官はその手をゆっくり放した。

「君は私を罵倒する為にここへ来たのか?」

「まさか。そんな事の為だけにあなたに会いになんて来るものですか。私は私の任務の為に此処にいます」

 そうだ…

 これは任務なのだから、何も考えずに遂行すればいい。

 私の任務は、彼を本局へ送り届ける事。

 それさえ成せば、後はもう…

 もう会う事も無いだろう。

 もう二度と…





************





「情報開示…。それもASAFに関わる全項目を…ですか」

 アングリフは、わざとらしいため息をつきながら、目の前にいる軍服の男に聞き返した。軍服の男…、GIGN特機司令官のヴィドックがアングリフをあからさまに睨みつける。

「GIGN士官として当然の権利だ。今回の騒動の原因と真偽を明らかにする為のな」

「ヴィドック少佐、それでは我々が騒動の原因みたいではありませんか…。それに、都市治安は我々の役目なのでは?」

「貴様が治安維持の名目で6課や9係を用いて軍部に対する諜報活動を行っているとの情報も掴んでいる」

「…仮に、そのような事実が有ったとして、少佐はそれを実証出来ますか? これもあくまで仮の話ですが、真相なるものが存在するとして、それを公表することによって中央軍に甚だしい不利益が生じるとしたら…。軍閥の犯罪を見過ごし、ましてや何らかの癒着があったとして、そのような秘匿すべき事実を大衆に晒すとすれば、一体誰がそれを望みますか?」

「嘗めるんじゃないぞ、アングリフ。治安局を潰したい人間などそれこそ五万といる。その気になれば貴様など…!」

 突き刺すような視線を向けるヴィドックに、アングリフはゆっくりつぶやいた。

「私は部下達に、『武器を持ち、立ち塞がる者があらばこれを撃て』と命じてきた。…ASAFは門番だ。武器を持って来る者を彼らは容赦しない」

「貴様…、我々と戦争をする気か!」

「それはお前次第だ、ヴィドック」

「後悔するぞ…!」

 いきり立ったヴィドックが、会議室を出ていく。それを見たアングリフは、しばらくしてから面白そうに笑いだした。

「怒った、怒った。昔から何も変わってない」

 ヨハンが不思議そうに問う。

「怒らせるのが目的で?」

「ああ。あいつはあんなふうになると見境が無くなる。それで大コケする」

「…それでは?」

「うん、実はお願いが有ってね…」



「少尉!!」

 会議室を出て、廊下を足早に歩くヴィドックが、苛立った声で部下を呼び付ける。その声に答えて、一歩後ろを共に歩いていた浅黒い肌の大柄な男が自分の横に来ると、彼は唸るような低い声で言った。

「状況Cー3の準備をしろ」

 それを聞いた部下の男が細い目を大きく見開き、驚いた声で復唱する。

「“Cー3”…!? それは我々の本来の任務ではないはずです!」

 ヴィドックは答えて言った。

「奴は戦争をすると言った。我々は喧嘩を売られたのだ! 売られた喧嘩は買ってやる。そして必ず勝つ!」




***************





 夜、エイトは、どっかりとソファーに腰掛けると、風呂上がりのビールを一気に流し込こみながら、テレビのリモコンを操作した。

 深夜のくだらない番組を矢継ぎ早に変えながら、ビールをもう一口含む。

 ――それでは今日の天気…

 ――あなたに最高のステイタスを…

 ――今日はスタジオにコメンテーターの…

 ――この番組はご覧のスポンサーの提供で…

 ――未だ捜査は続けられており…

 途中、いくつかのニュース番組が目に留まった。

 これでも治安を維持する職務に就いている人間である。ましてやそれが、自分自身に関係するニュースなら尚更。

 治安局にGIGNが噛んでくることは以前にもあった。しかし、今回のように実際に部隊を動かすような事は、ただの一度もない。

 窓の外に目をやれば、街の夜景の上をGIGNのスカウト機が何機も飛んでいる。

「今回は本気…てか?」

 突然、部屋のチャイムが鳴った。

 インターホンの画面でドアの前を確認する。誰もいない。

 無視しようとしたその時、今度はドアをノックする音がし始めた。眉間にシワを寄せ、ソファーの下から拳銃を取り出す。セーフティーに指をかけ、構えながら玄関に向かう。

 ドアノブに手をかける。一気に開け、拳銃の銃口を先に突き出す。突然、拳銃が掴まれ、右手首を捻られる。それと同時に猛烈なタックルを受け、エイトは玄関の中に押し込められた。

「ぐう…!」

 仰向けに倒れ込むエイト。その上に覆いかぶさる不審人物。反撃に出ようと、左手に握り拳を作る。

 しかし奇妙な事に、エイトの胸元には柔らかな感触が有った。

「ジーナ…!?」

 狼狽するエイト。

「何やってんだ一体!」

 ジーナは、声を張り上げるエイトをとろけた目で睨むと、不機嫌そうな声で答えた。

「何よ、私が遊びに来ちゃいけない訳?」

「遊びにってお前…」

 きつい酒の臭いがした。

「なんだお前、随分呑んでるな…?」

「はーい、呑んでまーす」

 明らかな空元気。

「…とりあえず退こうか」

「いーやーだー」

「俺が起きれないんだけど」

「抱っこして」

「自分で立てよ」

「してくれなきゃどかない」

 エイトは深くため息をついた。

「あーもー、めんどくせぇ奴!」

 エイトは一気に彼女を抱き抱え、持ち上げる。

 軽い。女性であることを再認識させられるほど。つい意識してしまう。

「…で、どうすりゃいい?」

「寝る」

「寝るな! おい!」

 制止の声も空しく、彼の腕の中で、ジーナは寝る体制に入っていた。

「おぉぉい!」

 まずい。この空気は非常にまずい。自分の腕の中で、あのジーナが無防備に眠っている。

 アルコールで上気した頬。スレンダーな体。開け放たれたシャツから覗く胸元。

 普段なら見せないような魅惑的な姿に、エイトの頭は沸騰寸前であった。

「(待て待て待て。落ち着くんだ、俺! こういう時は、頭の中にカードを並べるんだ…。1、寝かす。2、起こす。3、ヤる。…3は論外としてだな…)」

「んん…」

「(頑張れ俺! 耐えろ、耐えるんだ!)」

 理性という薄氷を踏みながら、エイトはジーナをリビングまで運んでいき、そうとも知らずに眠る彼女をソファーに下ろす。

 エイトは耐えた。自分に勝ったのだ。

「おい、ジーナ。起きろよ…」

「………」

「風邪ひくぞー」

「ん…」

「クソ、人の気も知らねぇで…」

 うなだれるエイト。

「ホントにヤっちまうぞ…」

 つい無意識に出てしまった言葉。しかしその言葉を、ジーナはちゃんと聞いていた。

「やってみなさいよ…」

「……!!」

 エイトの全身から冷や汗噴き出る。

「ジ、ジーナ! い、いや今のはつい口が滑っちまって…」

「いいよ、しても」

「は…?」

 思いがけない言葉に、エイトはしばらく思考がロストした。頭の中が真っ白に。雪が降っている。完全にホワイトアウトだ。そんな彼を、ジーナは胸倉を掴んで引き寄せ、睨み付ける。

「やらないかって言ってんの」

「ちょ、ちょっと待…」

 彼女は、狼狽するエイトの言葉を遮るように強引にキスした。アルコールの臭いがエイトの口の中に広がり、彼女の舌先が彼の唇を撫でる。しかしその瞬間、エイトは彼女の肩を強く掴んで引き離した。彼が心配そうな顔で宥める。

「おい! なんだどうしたんだよ、お前少しおかしいぞ!? 今水持って来てやるから」

 立とうとするエイトに、ジーナが縋り付く。

「おい…」

「私ね…、好きな人が居たの…」

「ジーナ…?」

「でもね…、その人は私の事なんか見てなくて、戦いの事ばかり考えてる人だった…。それでも私はよかったの…。遠くても一緒に居られればそれでよかったの…。でも結局駄目だったの。なにもかも駄目だったのよ! 想うだけじゃ、何も始まらない! ずっと一人ぼっちなだけ! だからもう…、だれでもいいから…、私を一人にしないでよ…」

 エイトは、彼女の頬を銀線が走るのを見て、縋り付かれたまま静かに話し始めた。

「俺にもな…、好きな女が居るんだ。くだらねぇ事でよくケンカするし、蹴られたりもする。そいつはいつも強くてな、何があっても鼻で笑って蹴っ飛ばせる度胸と技量がある、最高のパートナーでもあった…。でもな、そいつはいつも違う男を見てる。だから、俺がその女を抱くには、ちゃんとした訳って奴が要る。間男でいるのはゴメンだ…。だから俺は…」

 突然、ジーナがエイトを突き放した。

「ごめん、もう…、帰る」

「ジーナ?」

「…もう、いいから…。大丈夫、酔いも醒めたし。…ごめんね」

 彼女はそう言うと急いで立ち上がり、玄関に向かい、ドアノブに手をかける。

「バイバイ」

 ジーナが出ていくのを、エイトは無言で見届ける。ただ、かける言葉が見つからなかった。

「謝るなよ…」

 エイトは、部屋の真ん中でそう呟いた。


 この30分後、彼女は消息を絶った。

 後に言う、“憲治争乱”の始まりである。




TO BE CONTINUED...

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