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泥迷

掲載日:2026/07/05

――1つ、2つ、命が途絶える。

轢かれて、落ちて、沈んで、吊って、刺して、呑んで


思考の螺旋の中、延々と出られないまま、また絶える、酷く見慣れた人物が、何度も何度も。


生が散る間際に暗転する視界。

また、死を追想する。


自分を殺して、殺し続ける。数は、もう分からない。そうする事が精神安定に繋がると信じて。


勇気を出せる訳でも無く、今を変えようと動ける訳もない。


漠然と募っていく自分への嫌悪と、全てを投げ出したくなる厭世に、目を逸らす為に何度も何度も、飽きもせずに。



また――――――――――――









意識が浮上して、暗い部屋に戻る。


湿った空気、ぬるくなった温度が、媚びるように体に纏わりつく、なおざりに机上に置かれた錠剤、微かなカーテンの隙間から月光が見える。


見慣れた部屋、見慣れた光景。



錠剤を手に広げる、出来るだけ沢山。この現実から逃げ出すためなのか、はたまた、思考の行く末を延ばすためなのかは、もはや分からない。



喉を通る角張った感触を無視して、液晶からさす青い光を浴びる。作用するまで、規則性を持って、スクロールを続ける。




意識が遠のく感覚に身を委ねる。明日の不安と、微かな諦観を持って、沈む。


その間際に脳裏を過ぎたのは、自分が落ちる所だった。


これから訪れる数瞬の安息の明けには、変わらない景色が広がってると分かってる。


それでもいい。


纏わりつく来世を求める切迫感と過去の罪に囚われ

何度も思考を重ね

先に進めず、耽るように「今」からの逃避をする。




いつか。


自死をもってしても足りないそれは、安らげずに目を覚ます。


その先でも、飽きずに追想のぬかるみに足を取られ続ける。行動も出来ないままに、何度も、死を模索する。




明日も、また先も、仄暗い死の泥中を迷い続ける。


それが、謝罪や後悔ではなく、ただの自分への慰めと肯定だと知らないままに。

疲れる

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― 新着の感想 ―
こんばんは。 人生の苦悩から逃れるための一番の救いが死であって、それを強く望んだとしても人間の心には死への恐怖も埋め込まれているがゆえに、その「最期の決断」はできないまま生き続けるという選択を選び続…
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