第3夜 星の王様とカレーの王様
夜空のすみで、星の王様は今日も小さな星を磨いていました。
静かに、こつこつ。誰かの夜をそっと照らすために。
そこへ、下からふわりとカレーの香りがのぼってきます。続いて大きな声。
「おーい! 星の王様ぁーっ!」
汗をきらきら散らしながら、カレーの王様が飛んできました。
「今日のオレのカレー、星より光ってるぜ!ほらもう、情熱で汗があふれてくる!……カレーはかれぇ~汗!」
星の王様はやさしく笑いました。
「光は、競争じゃないよ。君のカレーも、ぼくの星も、誰かを元気にするための光なんだ。」
カレーの王様は鼻をこすりながら、「……そういうとこ、ずるいよな」と照れます。
そのとき、流れ星の子どもリュウが勢いよく飛び出してきました。
「ぼくも光りたい! もっと大きく、まぶしく!」
勢いが強すぎて、リュウは夜空のへりからくるりと落ちてしまいました。
薄い雲のあたりで迷子になり、リュウは不安でいっぱいになります。
そこへ、カレーの王様が現れました。
「おいおい、泣きそうな顔すんなよ。迷ったらまず深呼吸だ。ほら……カレーはかれぇ~汗!」
その調子に、リュウは少し笑いました。
そこへ星の王様が静かに降りてきます。
「リュウ。大きく光こうと急ぐと、道を見失うんだ。いちばん大事なのは、“帰ってこれる場所”を知っていることだよ。」
リュウの胸の奥に、やわらかい光がともりました。
「……ぼくも、誰かのために光りたい。そのために、帰る場所を大切にする。」
カレーの王様は照れたように笑います。
「よし、帰りに寄れよ。あったかいカレー作っとく。もちろん……カレーはかれぇ~汗!」
三つの光は夜空へ帰り、そっと誰かの夜を照らしていきました。




