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星の王様  作者: MMPP.Key-_-bou


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2/5

第2夜 ちいさな流れ星リュウ

 今夜も王様は、ひとりで歩いていました。

 磨ききれずに濁ってしまった光が、また落ちているからです。


「今日は、ずいぶん多いな……」


 少しつかれた声でつぶやいた、そのとき。


 ぴゅん、ぴゅん。

 子どもの笑い声のような光が近づいてきました。


「ねぇ、王様! なにしてるの?」


 声の主は、昨日王様の頭の上を通りすぎた、小さな流れ星でした。

 ふわっと跳ねる尾が、子どものように揺れています。


 王様はびっくりしました。


「……夜のおしごとだ。危ないから、あまり近くに来ては――」


「やだ! みたい! だって王様、きょうの光はかなしいよ!」


 王様の手が、すこし止まりました。


「かなしい光って、どんな光だ?」


「うーんとね……がんばってるのに、『がんばってる』って言えない光!」


 王様は息をのみました。

 誰にも見せたことのない光を、小さな流れ星だけが見抜いたのです。


 胸の奥にしまっていた痛みが、ふっとゆるみました。


 リュウはくるりと回って言いました。


「王様、ないてもいいよ?ぼくね、だれかの涙の光、けっこう好きなんだ。だって――がんばったひとだけが出せる光だから!」


 王様の目から、静かにひとすじの光がこぼれました。

 それは空へゆっくりと昇り、ひとつの星になりました。


 リュウは嬉しそうに跳ねました。


「ほらね! 王様の涙、すっごくきれい!」


 王様はすこし笑って言いました。


「誰にも見せられない涙ほど、星になれば強く輝くものだ。」


 リュウはぴかぴか光りながら、王様のとなりをくるくる回ります。


「ねぇ王様! また来るね!だって、王様ががんばってる夜を、ちゃんと見ていたいんだ!」


 王様は静かにうなずきました。


「……ああ。来てくれると助かる。そなたが来ると、夜が明るい。」


 リュウは空へかけのぼり、空の奥にもうひとつ、短い光を描きました。

 王様はその光を見上げながら、胸がすこし軽くなるのを感じました。


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