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星の王様  作者: MMPP.Key-_-bou


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1/5

第1夜 星の王様ひみつのおしごと

きらきら

 星の王様は、夜になると、そっと玉座を抜け出します。

 ひとりで、静かな空のすみっこへ向かうためです。


 そこには、今日うまく笑えなかった人の光や、がんばりすぎて曇ってしまった小さな星のかけらが、ぽつんと落ちていました。

 王様はそれをやさしく拾い上げ、指先でそっとこすり、ふうっと息を吹きかけます。


 すると、曇っていた光が、すこしずつ澄んでいきました。


「言わなくていい。でも、あなたは今日をちゃんと生きたのだ。」


 王様はぽつりと空に言いました。

 その声は夜の奥へゆっくりと溶けていきます。


 王様の胸は、ちくりと痛みました。

 星を磨くたびに、その星がかかえていた気持ちが、ほんの少しだけ王様に流れこんでくるからです。


 それでも王様は手を止めません。

 涙のあとでも、ため息の影でも、ひとつひとつ丁寧に磨いて夜空へ返します。


 ――そのとき、王様の頭の上を、ぴゅんと小さな光が走りました。


 王様は気づきません。

 けれど、その光は、まるで王様を見つけたように、ゆっくりと軌道を変えました。


 夜のおしごとを終えるころ、王様は見上げた空に静かに告げました。


「強さとは、誰にも知られぬまま積み重ねた夜の数で決まるものなのだ。」


 その言葉は、今日もがんばりすぎた誰かの胸に届くように、星たちのあいだを静かに流れていきました。

 星たちはきらりと光り、まるで王様の言葉に応えるように瞬きます。


 王様は背すじを伸ばし、その光をじっと見守りました。

 胸のいたみはまだ残っていましたが、それこそが王さまとしてのしるしなのだと知っていたのです。


 そして王さまは、そっとつぶやきました。

 だれかのかなしみを、そっとあたためながら歩くこと。

 それが、星の王さまのほこりなんだと。


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