第8話 お弁当は見た目も大事
投稿しましたンゴ!
最近スマホいじりすぎてやばい
「翔~~~~~~っ!」
朝っぱらから響く叫び声。
バンッ!とドアが開いて、勢いよく飛び込んできたのは……俺の同居人。いや、天空神。
「朝ごはん作ったよ!……けど、全部焦げたの! だからお弁当は、神の光で味だけ補正したよっ!」
「補正って何だよ!? てか“焦げた”時点で料理として終わってるからな!」
「安心して! 神の力で“めっちゃおいしそうに見える光”を放ってるから! 見た目は100点だよ!」
……信じられるか?
俺は今、神様から光り輝く弁当を手渡されてる。⸻
そして学校。
机の上にお弁当を置いた瞬間――当然、クラスメイトたちは騒然。
「なにこれ!? なんか光ってる!?」
「発光してる!?」
「翔の彼女って何者!?」
いや違う。
彼女じゃない。
神様だ。
空から降ってきて、俺の家に勝手に住み着いた神様。
(って……説明すればするほど信じてもらえなさそうだから、笑ってごまかすのが俺の日課になっている)
ーーーー
昼休み。
「じゃ〜ん! 神の光弁当、オープン☆」
パカッと蓋を開けた瞬間、まばゆい光が教室中に放たれた。
「ちょ、目がっ……! これ食べるのにサングラス必要じゃね!?」
「安心して! 視力も回復するよ!」
「怖すぎるわ!!」
キラッキラに光る中身は――
「……炭じゃね?」
「えぇ!? 豚の生姜焼きなんだけど!? めっちゃ頑張ったのに〜!」
「真っ黒で、原型ないんだけど……」
「でも味だけは完璧に仕上がってるからっ! 神を信じてっ☆」
「押し通してきたぞこの神様……!」⸻
放課後。
「ねぇ翔〜。次のお仕事は?」
「神社掃除に、夜の参拝客対応……あと、神様が勝手に始めた“恋愛成就くじ引き”の返品対応な」
「ふふ〜ん♪ ちなみにそのくじ引き、1等は『翔とデート券』にしておいたから〜♡」
「やめろ! 人を景品にすんな!!」
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