表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/25

第3話 神様中間試験勉強しましょう

4時半。鳥のさえずりすらまだ寝てるような時間帯に、俺の部屋に神とは信じ難い少女の声が響いた。


「翔!!」


「……なんだよ、こんな時間に」


「これ、何?」


「……ああ、それ体育祭のプリントか。昨日配られたやつだな」


「たいくさいって何のこと?」


「……え、君って神様だよな?」


「そうだけど?」


「いや、なんていうか……もうちょっと常識あるのかと思ってたよ。体育祭知らないとか……まぁ、ギャップってやつか」


「だから、“たいくさい”って何?」


わざわざそんな話をするために朝4時半から叩き起こされる俺。たまったもんじゃないけど、ちゃんと説明してあげるあたり、我ながら優しいと思う。⸻


「ごはんできたわよ~!」


「翔母!うまっ!」


「ふふっ、ありがとうね~」


天空神の存在のおかげか、うちの母は朝から妙に機嫌がいい。ちょっと羨ましいくらいだ。⸻


「もう8時だ! 行かないと!」


「行ってきまーす!」


玄関で、俺と天空神の声がぴったりハモる。なにこれ恥ずかしい。⸻


「学校、着いたな」


「今日は“たいくさい”の話、するんでしょ? あかぐみとしろぐみ?とかのやつ!」


「疑問符、多すぎな」


そんな会話を交わしながら、教室に入る。⸻


「おはよう、そらちゃん、翔!」


「お、桜か」


「もう! 待ってたんだから!恋バナしましょー!」


「……なんで?」


(神様の学校生活も、だいぶ慣れてきたっぽいな。最初は心配だったけど……この調子なら、まぁ大丈夫——)


そう思った矢先。⸻


「へっくしょん!!」


(天空神)のくしゃみと同時に、近くにいた男子生徒がふわっと30センチほど浮いた。


「……お前、今浮いてなかったか?」


「え?」


その瞬間、俺の顔から血の気がサーッと引いていくのが分かった。


(……やっぱダメかもしれん)⸻


「はーい、みなさん席についてー。ホームルーム始めまーす」


先生がいつものテンションで教壇に立つ。


「今日は体育祭について……と言いたいところなんだけど、残念なお知らせがあります」


「えー、やだー!」


「なんと、今年は体育祭の前に中間試験が追加されました」


「はぁ!? ふざけんな! まだ5月だぞ!? 普通6月だろ!」


教室中からブーイングが飛び交う中、先生は淡々と続ける。


「実はね、7月に予定してた期末試験を6月末に前倒ししたの。だから、それに合わせて中間試験も5月末にやることにしました」


「ってことは、体育祭は?」


「6月中旬です。それまではしっかり勉強してくださいね~」⸻


「……おい神様、大丈夫か?」


俺が小声で聞くと、天空神はにっこり笑って答えた。


「試験ってテストでしょ? 大丈夫。天界でもやったことあるもん」


「マジか。どんな試験だったんだよ?」


「星を作って、人や動物を生み出す試験!」


「レベル違ぇぇぇぇぇ!!!」


もうダメだ。この神様、人間界の教育制度に向いてない。ていうか、進化論がバグる。


「言っとくけど、赤点取ったら追試だからな? ちゃんと勉強しろよ?」



ナレーションーーー


さぁどうなる中間試験!!天空神は赤点を取り追試かぁ?翔と天空神2人とも頑張れ!赤点取っても元気だしてね!


ーーーーーー


「翔ー!追試って何?」


「赤点とったやつが受けるやつだな。まぁ頭が余程悪くなければ赤点にはならないよ」


「私、まだ本試も受けてないんだけど!? 勝手なこと言うなよーー!!!て言うか誰だよ!ナレーションか!?」


「どうしたんだよ神様、、ナレーションって何?」

感想コメント書いてくれると嬉しいです!活動の励みになります

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ