第27話 森
久しぶりヽ(*'▽'*)ノ
「わー!すっごい!」
「自然いっぱいで、美味しい空気♡」
夏休み初日。
俺たちは大自然の森に観光にやってきた。
……はずだった。
「……神の気配がする」
「?」
「どうしたんだ、天空神」
俺が問いかけると、彼女は森の奥をじっと見つめる。
「なんか……不思議な気配を感じるの」
その直後だった。
ふわり、と木漏れ日の間から現れたのは――小柄な少年。
まるで森そのものを纏っているような、不思議な雰囲気を持っていた。
身長はせいぜい百四十センチほど。けれど瞳は大人びていて、妙に印象に残る。
「僕の名前はリュミエ。森を護る妖精なんだ」
少年――リュミエは、木漏れ日の下で小さく頭を下げた。
「リュミエ……かわいい名前だな!」
思わず口にすると、彼は耳まで赤くしてそっぽを向く。
「べ、別に……褒められても嬉しくないし」
「なに照れてんのよ。素直じゃないわね」
聖夜神がニヤニヤしてからかうと、リュミエはムッと頬をふくらませた。
「む、無礼な神様だな……!」
「ぷっ、子ども同士のケンカみたいだ」
俺が笑うと、天空神が横から小声で囁く。
「翔、彼……本当はすごく寂しいのよ。ずっと一人で森を護ってきたみたいだから」
確かに、リュミエの背中は小さいのに、どこか重い責任を背負っているように見えた。
「なぁ、リュミエ」
俺は真っ直ぐ彼に向き合う。
「せっかく知り合えたんだしさ、しばらく一緒に行動しようぜ。俺たちも君を手伝いたい」
「えっ……僕と、一緒に?」
「もちろん!」
天空神が微笑む。
「あなた一人に背負わせるなんてできないわ。ね、翔?」
「そうそう。夏休みだしな! 友達増えるのは大歓迎だ」
リュミエはぽかんとした顔をしていたが、やがてゆっくりと笑った。
「……ふふ。人間って、変わってるね。でも……悪くない」
その笑顔は、今まで見たどんな森の光よりも、少しだけあたたかかった。
リュミエ
森を守る妖精。森の妖精になった者は1億年間は森から外に出ず森を守る義務がある。リュミエは5代目当主である。




