表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/32

第12話 借りたのは過去の欠片

開会式が終わり、校庭に歓声が戻る。


翔は応援団の列の中に立ちながら、遠くにいる花登と陽の姿を見つけていた。

視線は合わない。交わす言葉もない。

──でも、あの頃は3人で並んで笑ってたんだよな、なんて。

翔は胸の奥が重くなるのを感じていた。


「翔!次、借り物競走だって!走者に選ばれてたぞー!」


中村の声に肩を叩かれ、我に返る。


「うそだろ……!?俺、よりによってアレかよ!」


配られたカードには、信じがたい文字。


『ケンカ中の友達を連れてこい』


「……は?」


先生が言う。


「借り物競走の“変則枠”!カードの指示どおりに人を連れてこい!」


ざわつく生徒たちをよそに、翔はトラックを飛び出して走り出す。⸻


最初に向かったのは、花登。


「花登!悪い、競技でお前が必要なんだ!」


「……俺は出る競技じゃないけど?」


「“借り物”って書かれてたんだよ……『ケンカ中の友達』ってな」


翔は真正面から花登を見据える。


花登は一瞬、目を伏せた。


「……クソみてぇなカードだな」


それでも、無言で立ち上がる。


翔と並んで走りながら、今度は陽を探す。


「陽!」


「……今、俺を呼んだ?」


「そうだよ。お前も“借り物”対象だ」


翔がカードを見せると、陽は皮肉っぽく笑う。


「教師もイベントも……残酷なほど、空気読まないね」


「でもさ……このまま、ずっと無視したままでいいのかよ」


陽は黙っていたが、翔と花登が並ぶその姿を見て、わずかに表情をゆるめる。


「……わかったよ。走るだけなら付き合ってやる」



そして、3人で走る。

ぎこちなく。誰も何も話さない。

けれど、観客席の生徒たちはざわつき始めていた。


「え、あの3人って……?」

「最近口きいてなかったよね?」

「仲直りしたの……?」


ゴールが近づいたとき、翔がバランスを崩す。

リュックの重さと、緊張で足が絡まった。


──そのとき。


「バカ、しっかりしろよ!」


花登が腕を引き、

陽が肩を支える。


そのまま3人、勢いそのままゴールイン。


一瞬、歓声と拍手が巻き起こった。


「……助かった」


翔が小さく言うと、花登はそっぽを向きながら、


「お前、昔からドジなんだよ。そういうとこ変わってねぇな」


陽も苦笑して言う。


「そうやって自分1人で何とかしようとするの、昔からだよな。……変わらないな、翔は」


その言葉に、翔は少しだけ笑ってうなずいた。


3人の距離が、ほんのわずかに近づいた──そんな気がした。


「そういえばあのカードって誰が書いたんだろうね?」


「確かにー委員会の人しか書いてないんでしょ?あれは半分反則みたいなもんでしょー」


ザワザワしている人集に天空神はにやりと口角を上げたのだった。

お気ずきだろうか。

そうです箱に入れたのは天空神です。

神力で紙ごと箱の中に瞬間移動させました。

そして翔に取らせたのも天空神です。


1本やられましたね

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ