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追憶の詩
これは、とある詩人が紡いだ一つの歌――
砂時計の砂が零れ落ちゆくように
あの夜に見た幻が薄らいでゆく
かつて抱いた恋心は
仮面の奥底に仕舞い込んだ
いつまでも抱き続けたくなかったから
夢のなかでしか結ばれない永遠の愛
幻想のなかの戦争
魔を司る闇の王の想い
正義に反した人々が歩むは敗北の道
正義に準じた闇の王たちは勝利を得るだろう
狂断に病まされた旅人は
いづれ死を欲する
そこに留まることは
摂理という名の
万物の基本が許さない
彼女の心のなかに
永遠に響き渡る歌声は
彼女の生命が尽きぬ限り
終焉を迎えることはないだろう
かつて約束して
描いた絵が
長い年月を重ね
色褪せてしまったとしても
心のなかにある記憶は
永遠に鮮明なのだから――
《終》