第26話 (1/4)
「お前、スタージスじゃなかったの?!」リサレの目が大きく見開かれる。
「違う。」園香は淡々と答えた。
フレームはリサレを地面に降ろし、決断した。「――いいだろう。受け入れる。」
彼女が異議を唱えたかどうか、それを知る暇もなく――
次の瞬間、三人は一斉に駆け出した。
迫りくるブラックウォーターの騎士たちからの逃走が始まる。
彼らは細い石段を駆け下り、次の階層へ。
狭い路地へと入り込み、追手を撒こうとする。
「もし、嘘だったら?」リサレが低い声でフレームに問いかける。
だが、彼は首を横に振った。「嘘なら、自分からついてこないさ。」
――その時、角を曲がった瞬間、目の前に敵がいた。
道を塞ぐ、二人の男。
リサレは勢いよく一人にぶつかり、そのまま腕を掴まれる。
さらに、背後の路地入り口にも二人。
――逃げ道がない。
フレームは即座にサンダーガンを構えた。
そして、向かい合うブラックウォーターの兵士たちへと両方のフックを発射。
~ガシャン!~
鋭い爪が彼らの腕に絡みつく。
フレームはすぐさま引き込みを発動し、彼らを強引に引き寄せた。
――距離が縮まる直前、彼はフックを解除し、身を翻す。
~ズドン!!~
勢いをつけた二人の衛兵が、互いに頭をぶつけ合い、そのまま地面に崩れ落ちた。
その間に、リサレも動いた。
彼女は体温を一気に上げ、触れていた兵士の制服から煙が立ち上るほどに熱する。
「うわっ……!」驚いた兵士が、思わず彼女を手放した。
しかし――
残る最後の一人が、レールガンを抜き、彼女に狙いを定める。
――ドンッ!
その間に、園香が駆け込み、彼女の前に両腕を広げた。
「撃っちゃダメ!!私を殺すわけにはいかないでしょ!武器を下ろして!」
兵士の動きが一瞬止まる。
だが――
「連れ戻せとは言われたが、無傷とは言われてない。」
引き金が引かれる。
フレームは即座にサンダーガンの銃口をそちらに向け、同時に発砲。
――園香は、動けなかった。