第21話 (3/4)
裁判が終わり、フレームは項垂れながら法廷を後にした。氷竜の行いを憎んではいたが、それでも命を奪うことには強い抵抗があった。
父がこちらへ向かってくるのを見た瞬間、フレームはすぐに進路を変えた。今は説教など聞きたくなかった。
「どこへ行くつもりだ?」
首を上げると、そこにはティタニアが立っていた。
「お前は無罪だ。しかし、今からは私の指揮下にある。」彼女は一歩前に出た。「だから、勤務終了の際には、私に報告することになっている。」
「はい、キャプテン。」フレームは無感情に答えた。
ティタニアはポケットから手帳を取り出し、何かを書き込んだ。「裁判官たちは、あのモンスターに死刑を言い渡した。しかし、いつ執行するかまでは決めていない。」
フレームは真紅の瞳をまっすぐ見つめた。今のを聞き間違いだろうか?
ティタニアは続けた。「氷竜が大人しくしている限り、私の部隊は当面の間、処刑を見送る。研究対象として利用価値があるからな。だが、もし再び凶暴化した場合……」
「……そのときは、俺が責任を持って仕留める。」フレームは強く頷いた。
「話が早くて助かるよ、ゴスター・ジュニア。」ティタニアは手帳を閉じた。
「それから……これからはお前のことをしっかり監視させてもらう。お前は私の部隊に配属された。したがって、これからは私のルールに従ってもらう。すでに察していると思うが、お前が氷竜を仕留める機会を逃したことを快く思っていない連中がいる。彼らは、お前の判断が周囲を無駄に危険へさらしたと考えている。そして今後、お前から猟師の資格を奪う機会を狙ってくるだろう。だからこそ、お前には絶対の服従を求める。」
「はい、キャプテン。」
「……もっとも、これは私個人の意見ではないがな。」
フレームは驚いて彼女を見つめた。
「今まで、これほど知能の高い個体を捕獲できたことは一度もなかった。ましてや、人間の命令に従うモンスターなんてな。もしかすると、今まで我々が捕獲に失敗してきたのは、すべて問答無用で感電死させていたからかもしれないな。」ティタニアは微かに笑った。「今日の任務はここまでだ。街では、顔を隠しておくことをおすすめする。」