第19話 (1/4)
「スーツを開けてくれ!」フレームは顎を胸元に押しつけた。「早く!」
その言葉に、リサレは呆然としていた意識を引き戻された。彼女はハッとし、彼の指示に従って襟元のジッパーを開けた。
~ジッ!~
その下から、ゆるく首にかけられた紐が現れる。そこには細長い金色の筒がぶら下がっていた。
「口に……」言い終わる前に、リサレはすぐに理解し、ドラゴン・ホイッスルを彼の唇に当てた。
フレームは力強く息を吹き込んだ。
そして、リサレに向かって言った。「悪いけど、スタージス家への遠征は延期だ。」
遠くの空から、黒い影が猛スピードで迫ってくる。
数秒後、23が目の前に降り立った。
フレームは縛られたまま、その膝を折った狩猟竜へと駆け寄り、鞍の上へ飛び乗った。
しかし、まともに座る余裕はなく、腹ばいになったまま、まるで打ち上げられた人魚のように鞍にしがみついた。
「ふざけないで!」リサレが怒鳴る。彼女はすぐさま彼の縄に手をかけ、素早く解いた。「ほら、ちゃんと座りなさい!」
「助かる!」フレームは素直に彼女の言葉に従い、鐙に足を通した。
「お前は迷宮に戻れ。そこなら安全だ。すべてが終わったら、そこで落ち合おう。」
彼女の返事を待たずに、フレームは23に飛び立つよう促した。
リサレは不機嫌そうに、その背中を見送った。
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23は可能な限りの速さで急勾配のクレーター壁を駆け上がり、崖や曲がりくねった道を飛び越えながら、火を噴く怪物へと一直線に向かった。
「どうやって氷竜がここに入り込んだ?」フレームが尋ねた。
「誰にもわからない。突然坑道から這い出してきて、暴れ始めたんだ。」
狩猟竜は本能的に回避行動を取った。
その直後、別のモンスター猟師とその騎乗モンスターが吹き飛ばされ、彼らのすぐ横をかすめていった。
衝撃はあまりにも激しく、一瞬のうちに二人は建物の屋根へと叩きつけられた。
フレームは奥歯を噛みしめた。
――同期の猟師だった。
23はコースを変えず、一直線に氷竜へ向かう。
その怪物は尻尾で次々と猟師を弾き飛ばしながら、同時に炎を吐き、射程内のすべてを焼き尽くしていた。
猟師たちは何度も拘束しようと試みるが、氷竜は決して留まらず、絶えず動き続けながら次々と街を破壊していく。
視界の端で、フレームは仲間たちが正面から致命傷を狙っているのを捉えた。
その瞬間、氷竜の口が開かれ、炎がラヴァットへと襲いかかった。