第11話 (1/3)
海野は惨めな気持ちになった。
彼はフレーム、モス、エンギノ、そして国家魔法使いの女性をあっさりと見捨て、西の火山地帯にある駐屯地へ戻っていった。
事件が起きてから数時間が経過し、何もせずに過ごすたびに彼の気分は悪化していった。おそらく彼らはすでに死んでいるのだろう。しかし、確かなことが分からないという不安が彼を蝕んでいた。
ついに彼は座っていることに耐えられなくなり、装備を身に着け始めた。
「何するつもりだ?」下段のベッドに腹ばいになり、雑誌をめくりながら怠けていたラヴァットが尋ねた。
ウミノは答えず、悲しげに横を向いた。
ラヴァットは察した。彼はため息をつき、立ち上がって自分も着替え始めた。
彼らがハンガーからドラゴンを引き出そうとしたとき、少女たちと出くわした。
ウミノは彼女たちがここにいることに驚いた。
「お前たち、ここで何をしてるんだ?!」
「テスロなんか放っておくわ!」とディリーが嬉しそうに宣言した。「そして私たちの素敵な男たちを取り戻しに行くの!」
笑顔を浮かべる彼女とは対照的に、ジモンは何か反論しそうな真剣な表情をしていた。しかし、彼女は何も言わなかった。彼女はここにいて、完全装備で出発の準備を整えていた。それが重要だった。
ウミノは彼女たちに頷いた。「じゃあ、一緒に行こう。」
彼ら全員は互いに確認するような視線を送り合い、それぞれのドラゴンに鞍をつけ、飛び立った。
彼らは半時間、ランタンが続くラインに沿って通路を突っ走った。
~向かっている。~
ウミノはついに自分が求めていた自信を感じ取った。
~俺たちは君たちを救いに行く。~
西の隔離ゲートに到着し、セキュリティスイッチでカウントダウンを入力しようとしたとき、彼は衝撃的な事実に気づいた。
「俺たち……俺たちはこのゲートを開ける権限がない。」
「その通りだ。君たちには権限がない。」
背後から誰かが声をかけた。
彼らは素早く振り返り、西の隔離ゲートステーションの入口を見た。建物の影から二人の男が現れた。彼らもまたスノー用の防寒服を身に着け、サンダーガンを携えていた。
「あれは……グラハム・パブロン将軍と……」ディリーが興奮して叫んだ。「……イエティハンター、大佐テロン・ゴスターだ!」
ウミノたちは、街からこんなに離れた場所で有名人に出会ったことに驚きを隠せなかった。
「こんな遅い時間にどこへ行こうとしているんだ?」将軍が尋ねた。その顔に刻まれた傷跡は、彼の質問に威圧的な響きを加えた。彼の義眼は鋭く彼らを見据え、まるでどんな嘘でも見破れるかのようだった。
「えっと……その……俺たちは……」ラヴァットがどもりながら答えようとすると、ウミノが遮った。
「責任は俺にあります。罰するなら俺だけを罰してください!」
グラハムは瞼を閉じた。「猟師、お前の名前は?」
「ウミノ・オシュロットです、閣下!」
「オシュロット、質問に答えていないぞ。」
「俺たちは……」ウミノは考えた。ここで嘘をつくのは無意味だと悟り、真実を告げる決心をした。「俺たちはエンギノ、モス、フレーム、そして国家魔法使いを探して連れ戻そうとしていました。」
グラハムは手を叩いた。「それはちょうどいい。」彼は制御盤に向かい、センサーの上に手を置いた。「では、君たちも私たちに同行しろ。」
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地表には夜が迫っていた。海野は星を見たかったが、前を見るしかなかった。ランタンの明かりが道を照らし、コンパスが針路を保っていた。
少佐が左翼を守る間、彼らは雲の中を将軍の後を追った。伝説の2人と狩りに行けて光栄だった。
海野は、顔がほとんど似ていないにもかかわらず、フレームが父親と同じカリスマ性を持っていることを認めざるを得なかった。
海野が決して持つことのないものを彼らは持っていた。
海野が決して目指すことのないものを彼らは目指していた。
彼にとって世界は単純だった。彼にとって大切なのは、自分の命、家族、そして仲間だった。
だが、それ以外のために動こうとは思わなかった。
彼がここで行動する理由は、仲間のためだけだった。他の何者のためでもない。
モスやエンギノのため、そして何よりフレームのために。
ウミノは、訓練の初期にフレームがしてくれたことを決して忘れることはなかった。