第9話 (1/4)
「イエティがフレームと国家魔道士を連れている!」海野は敵に向かって突進しながら、驚きの声を上げた。
「戦闘準備だ!」テスロ軍曹が叫んだ。彼は手信号で攻撃命令を出した。「全兵器準備!」
ハンターたちは高さ30メートルの氷の巨人にどんどん近づいていった。グラップリングガンを撃つのに必要な距離まですぐに到達した。
部隊が彼のもとに到着する直前、巨大な怪物が動き出した。
ハンターのフックは的を外した。ロープが短すぎたのだ。
~ドスンドスン。~
素早い足取りでイエティは彼らから離れた。彼が立っていた場所には足跡だけが残り、他には何もなかった。フレームもエンギノもモスも跡形もない。彼らは溶けた雪のように消えていた。
わずか二頭の狩猟竜だけがその獣から逃れることができた。23番は、空をかき分けて群れのもとへ戻っていき、その背には意識を失った中尉が横たわっていた。そのすぐ後ろには99番が飛んでいた。
テスロは自分の騎竜の鞍から23番の背に飛び移り、パブロンさんの状態を確認した。そして、彼はこう宣言した。「撤退だ! 西の隔離施設に向かうぞ!」
「でも、フレームもモスもエンギノも簡単に手放すわけにはいかない!」海野が叫んだ。
「ここで彼らのためにできることはもう何もない。我々は飛び続ける!」と軍曹は答えた。「すぐにだ!」
海野は仲間たちを見た。ラヴァットはもちろん、ジモンもディリーもこの命令には特に乗り気ではなかった。しかし、誰も命令に逆らう勇気はなかった。
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モスは咳き込んで目を開けた。
周りは岩だらけで、細かい氷の層で覆われていた。
洞窟だ。彼は氷の洞窟にいた。
意識が朦朧とし、彼は体を起こした。
「何......?」
周囲にイエティの大群がいることに気づいたとき、彼の表情は曇った。
十数匹が彼を包囲し、そのほとんどは高さ5メートルほどだったが、さらに大きな個体も数匹いた。
その深い目は物陰から威嚇するように睨みつけ、大きな鼻の穴が開いていた。
モスは、国家魔法使いの女性が怪物の一匹に連れ去られるのを見て、さらにぞっとした。
そしてフレームを登録した。彼は、獣たちが彼らを運び去るのを傍らで冷静に見ていた。
「この野郎!」モスは唸った。「なぜエンギノを撃った?どうしたんだ?彼は立ち上がり、武器を構えた。」多くの敵を前にして、最初に誰を殺すか決めかねていた。一番大きな敵、高さ30メートルのイエティを選んだ。
エンターフックが彼に届く前に、フレームが前に飛び出し、シュッと音を立てる鋼のケーブルに手を伸ばした。
モスは反射的に電流を切った。
ゴスターがその猛スピードのケーブルを掴んだ瞬間、それはナイフのように彼の手袋を突き破り、肉を切り裂き、血が噴き出した。
彼の介入にもかかわらず、フックは目標を外すことなく、巨大なイエティのふくらはぎに突き刺さり、その毛皮を一塊に押しつぶした。
「離せ!」モスは警告した。彼は電源を入れ直すのをためらった。「さもないと、彼と一緒に死ぬぞ!」
「フックを引っ込めたら離すよ。」
「なんでモンスターをかばってるんだ?」
「なぜ私があなたを守っているのか知りたいのですか?」フレームは彼の目をまっすぐに見た。「単純なことだ。私がいなかったら、一瞬でバラバラにされてしまう。でも、私がこのロープを持っているから、あなたが彼らが罰する殺人者になるのを防いでいるんです。」
唖然としてモスは彼を見つめた。「お前、何者だ?」
「私は誰でもない」とフレーム。「問題はむしろ、あなたは誰なのか?殺人者なのか?」
モスは怪物たちとゴスターさんの間で視線を行ったり来たりさせた。
彼らの関係が理解できなかった。フレームがモンスターの味方であることが理解できなかった。
モンスターは荒々しく、危険で、邪悪だった。イエティの大群は今にも二人を襲おうとしていた。一刻も早く彼らをそこから追い出さなければならなかった。
「わかった」とモスは言った。「国家魔道士と君が一緒に来てくれるなら、僕は釣り針を巻き取るよ。」
フレームはロープから手を放した。
モスは約束を守り、エンターフックを引き戻した — すぐに再発射できるように、もう一丁の銃とともに。
「私が何とかする」とフレームが突然言った。「それが一番だ。そうだね。」
モスは誰と話しているのかわからなかった。
しかし、一匹のイエティが戻ってきて、国家メイジをそっと地面に置いた。
モスはあることに気がついた。「お前が彼らと話せ!」
フレームは黙ったままだった。
「どうなっているんだ?教えてくれ、ゴスタ!」
「世界はあなたが知っているようなものではない」とフレームは答えた。