表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

26/218

第7話 (1/5)

 モスはフレームを信用していなかった。夜、格納庫で彼を捕まえて以来、ずっと監視していた。実際、新卒のハンターはごく普通に振る舞っていた。

 規則は守り、窓掃除からトイレ磨きまで、与えられた仕事をきちんとこなしていた。時折、彼は誰かから手紙を受け取ることがあった。それはこの場所では珍しいことではなかった。手紙を読んでニヤニヤしながら、「またゴドの母親か」とかなんとかつぶやくこともあったが、これも特に怪しい行動とは思えなかった。

 モスの目に唯一奇妙に映ったのは、彼の食生活だった。フレームはいつも花ばかり食べていたのだ。主にルビーの花を好んでいるようだった。肉を食べない猟師──モスにはどうにも理解しがたい存在だった。

「またワンダーボーイをスパイしているのか?」

 不意を突かれて、彼は振り向いた。

 エンギノは笑顔を浮かべながら彼に駆け寄ってきた。寝不足の夜の痕跡が、目の下の黒いクマとなって顔に刻まれている。乱雑に後ろへとかき上げられた髪型は、アザミのトゲのように跳ねていた。アンダーカットから抜け出した2、3本の反抗的な髪の毛以外、顔にかかるものはなかった。

「誰かが自分より優れているって、そんなに気に入らないのか?」

 モスの内心が煮えたぎり始めた。なんて図々しい奴だ。

「バカ言うな!そういうことじゃない。それに、俺より優れているって何だよ?まずは俺が訓練でお前を叩きのめしたことを認めるんだな。」

 エンギノはわざとらしく口を尖らせた。

「訓練では俺を倒したかもしれないけど、今日、誰が一番多くのモンスターを仕留めるか見てみようぜ。今度こそ、ゴスターとお前の二人を俺が打ち負かしてやる。」

 モスは瞼を半分閉じた。

「俺たちは戦闘から外されている。俺たちの任務は、パトロールの一環として国家魔導士を護衛するだけだ。」

「だから何だよ?モンスターが俺たちを襲ってきたら、戦うしかないだろ。それはテスロだって分かっているはずだ。」

 彼の赤い瞳は無謀にも輝き、まるでその中に炎が燃え盛っているかのようだった。

「戦うかどうかなんて選べるもんじゃないだろ。」

「だからって、わざわざ挑発する必要はないだろ。」モスは歯の隙間から押し出すように言った。「暴力以外の道だって時にはあるんだ。お前の戦闘狂ぶりのせいで、俺たち全員が危険にさらされるんだぞ。俺は、お前のエゴに付き合って死にたくなんかない。」

「はいはい。」エンギノは両手を頭の後ろで組みながら言った。

 その鋭い視線は、南部の水門駅のホールを滑るように移動した。そこではモンスター猟師たちが、軍曹の次の指示を待っていた。

「あ、兄貴がいる!おーい!キエロ!」

 キエロ・パブロン中尉は完全武装で部屋に入ってきた。他の仲間たちと共に。

 彼の髪は弟のものと同じように漆黒に輝いていたが、無造作に後ろに跳ねたエンギノとは違い、キエロのボサボサの髪は額に垂れていた。

 パブロン一族の中でも、キエロは特にがっしりとした体格をしていた。その筋肉の塊は、スーツの布地を通してもはっきりとわかるほどだった。

 モスは、彼の体重がどれほどあるのかなんて考えたくもなかった。キエロのベルトには肉切り包丁がぶら下がっていた──解体班のハンターらしい武器だ。

 モスは彼のポジションをうらやましいとは思わなかった。後片付けなんて性に合わない。モスは攻撃班に配属されたことをむしろ誇りに思っていた。

 エンギノのように熱くなって危険に飛び込むつもりはなかったが、それでもモンスターに積極的に立ち向かえることは重要だった。

 エンギノを見つけると、キエロはうんざりしたようにため息をつき、目をそらした。

「お前たち、まだケンカしてるのか?」モスが皮肉っぽく言った。「驚きもしないけどな。」

「いやいや、兄貴はいつもこんな感じだって。」

 そう言うと、エンギノはモスを置いて、兄貴をからかうために向かっていった。

 その後ろから、三人の国家魔導士が入ってきた。

 彼らは白い雪用スーツの上に、長い黒のマントを羽織っていた。その布にはっきりと刺繍されたのは、氷の薔薇の紋章だった。

 国家魔導士が普通の魔導士と違うのは、その地位だ。第一、第二、第三国家魔導士という三つのポジションは、魔導士たちの間で非常に憧れられていた。

 その役職に選ばれた者は、一生金銭的に困ることはない。

 モスは無言で彼らを観察した。その様子はまるで、物質的な不足を二度と経験しないだろう幸運の花のようだった。

 一人目は、長いモスグリーンの髪を持つ女性。鮮やかな緑色の目が緊張した様子で部屋を見回し、まるで危険を探しているようだった。

 二人目は、バーガンディ色の髪をした小柄な男。モスの胸にも届かないほどの背丈で、少年のように見えた──その骸骨のような顔を除けば。

 三人目は、自分とそう年の変わらない少女だった。

 彼女のボサボサの髪は、まるで銀河がその中に隠されているかのように輝いていた。

 ふっくらとした唇、小さな鼻、そして一度誰かを失った者だけが持つ特有の眼差しをしていた。

 モスはその視線をよく知っていた。毎朝、鏡の中にそれを見ているからだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ