第48A話 (2/2)
現在
先に撃った方が勝つ。
猟師たちの武器は、長々しい戦いを許さない。
常に勝つのは、自分の良心を切り捨てるのが上手いやつだ。
一瞬の接触が、勝敗を決める。
かすっただけの一発が、生と死を分ける。
迷わず引き金を引き、容赦を捨て、慈悲を捨て、
ただ決断だけを貫いた者こそが――勝利を掴む。
どちらかが、速かった。
そしてどちらかが、電流に飲まれた。
勝ったのは、決意の強かった方。
恐れよりも愛を貫いた男――
エンギノ・パブロンだった。
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雲の流れを背に受けながら、フレームは意識を取り戻した。
全身が痛んだ。頭の先から足の先まで――だが、時間が経つごとに、その痛みは徐々に和らいでいった。
彼は身体を起こし、ぼんやりと周囲を見渡した。
どうやら、自分は狩猟竜に乗って空を飛んでいるらしい。
背後の鞍には、ディリーがいた。
彼女は怪我をしており、意識もなかったが、生きていた。
フレームは安堵の息を漏らした。
「目が覚めた? 大丈夫?」99が心配そうに声をかけてきた。
フレームは関節の可動を確かめ、腕を上げてみた。
問題はなかった。まるで電撃を受けたなんて嘘のように、身体はちゃんと動いた。
「えっと……うん、たぶん大丈夫。モスはどこ?」