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第46話 (3/4)

 

 フレームはフックに捕まれなかった。

 驚いたことに、エコーは彼に向けて撃ったのではなかった。

 誰が代わりに撃たれたのかを理解するのに、一秒とかからなかった。

 フレームは、エコーが電流の強さを調節するダイヤルを回しているのを感じ取った。

 そのカチカチという音が、どんどん上げていることを物語っていた。

 モスが焼かれるまで、あとボタン一つだった。

 フレームには選択肢がなかった。

 彼はエコーの胸元にピストルを突きつけて、まずショックを与えた。

 一瞬、周囲を包んでいた白が消え、カヴァーンの光景が戻ってきた。

 電撃がエコーの体を貫いたが、彼は倒れなかった。代わりに、余裕の笑みを浮かべた。「なんだ?それだけか?残念だな!」エコーは自分の武器の電源を入れた。

「ダメだ!」フレームが叫んだ瞬間、再び無限の白が視界を覆い、彼の目を眩ませた。

 そのとき、ゴトンと音がした。

 白いヴェールが再び降りて、フレームはモスが自分の足元に倒れているのを確認した。

 彼は痙攣しており、まだ動いていた。

 死んではいない。

 まだだ。

 ~どんなことがあっても彼を守らなければならない。~

 フレームはジモンにした約束を苦しげに思い出した。

 エコーは彼を欺いていたのだ!フレームは自分の仲間をショックしてしまった。

 しかし幸いにも、電流は低かった。

 モスは気を失っただけだった。

 あの時、エンギノの前に飛び出した時のように。

 フレームとしては、国家魔法使いを倒しておくべきだったと思った。

 白は不透明な毛布のように彼を包み込み、周囲の視界を完全に奪った。

 フレームはモスを抱きかかえて肩に担ぎ、前方にピストルを突き出して警戒を続けた。

 くそっ、もっと聴覚を研ぎ澄まさなきゃ。エコーがどこを動いているのか、もっと正確に感じ取れれば……

 フレームは静寂に耳を澄ました。

 その沈黙が破られるまで。

 突然、頭の中が騒がしくなり――国家魔法使いの足音が聞こえた。

 そこだ。

 彼は居場所を特定した。

 即座にフレームはサンダーガンの引き金を引き、フックが身体の一部に巻きついた。

「降伏しろ!」

 同時に、同じ方向からフレームに向かってフックが飛び、彼の太ももを締めつけた。

 膠着状態。

 どちらが先に電流を流すかで勝敗が決まる。

 フレームは躊躇しなかった。

 空気がパチパチと鳴り、敵は地面に倒れ込んだ。

 瞬時に白いヴェールが消え、周囲の光景が戻ってきた。

 フレームは国家魔法使いに近づき、彼の手から武器を蹴り飛ばした。太ももを締めていたフックは外れた。

 その直後、モスの両手がフレームの首に絡みつき、彼を締め上げ始めた。

 フレームは視界の隅で、エコーが頭を上げ、立ち上がるのを捉えた。

 なぜだ?目を見開き、彼は国家魔法使いを見つめた。エコーは倒されたはずだった!あの雷に打たれた国家魔法使いと同じように!もしフレームがもっと強く電流を上げていたら……エコーはそれに耐えられただろうか?そして――自分にその覚悟はあるのか?

「俺だ、フレームだ!」彼は息を詰まらせながら言った。「やつはお前の視界を操ってる!」

 モスは動きを止め、手を離して一歩下がった。「すまん!くそっ!」

 白い空間が再び二人に手を伸ばし、彼らを押しつぶそうとした。ただし今回は国家魔法使いが消えなかった。代わりに、何もない空間から深い穴が出現し、彼らはそこへ落ちていった。

「目を閉じろ!」フレームはモスに叫んだ。「もう目に見えるものは信用できない!」彼はエコーの位置を聴覚に頼って探ろうと集中した。

 しかし、何の音も聞こえてこなかった。

 国家魔法使いは動かなかった。

 フレームとモスは様子を伺い続けた。

 しかし、ようやくエコーの足音が聞こえたときには、すでに手遅れだった。


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