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第46話 (2/4)

 

 フレームの目の前には、白しかなかった。

 突如として、エコーもモスも、他の仲間たちも姿を消していた。

 部屋は完全に空っぽで、彼はひとりぼっちだった。

 聞こえてきたのは、擦れ合う金属の機械音だけだった。――隔離ゲートの音だ。

「ディリー!」フレームは警告の声を上げたが、もう遅かった。

「フラ――!」と彼女も叫び返したが、その声は閉じゆく隔離ゲートの折りたたみパネルにかき消された。

 エコーは彼女たちを狩猟竜ごと隔離室ステーションに閉じ込めたのだ――遠隔で安全スイッチを作動させたに違いない。

 そのとき、モスがうめき声をあげて床に倒れたのが聞こえた。だがフレームには見えない。彼は耳を頼りにモスの声を追ってしゃがみ込み、手探りで彼に触れた。

「大丈夫か?」

「何とか……」モスは歯を食いしばる。「くそっ、あいつ、俺のピストルを一丁奪った……!」

 少なくとも一丁だけだ。フレームは耳を澄ませたが、エコーの気配は掴めない。国家魔法使いさんは、居場所を隠すために気配を完全に消していた。

「やめてくれ!」フレームは叫んだ。「俺は信じてる。地上のモンスターたちとも話せば分かり合えるはずだ。共に平和に生きていくことだって、きっとできる!」

 しかし、エコーは答えなかった――少なくとも言葉では。フレームは引き金の音を聞き、すぐに身をかわした。エンターフックは彼をかすめ、すぐに巻き戻された。

「もう無理かもしれん……」とモスが小声で言った直後、彼にも発射されたが、彼もうまく身をかわした。

 フレームは脳内で城塞塔の構造を再構築した。どの方向から発射されたのか?彼は集中し、自分のピストルに手を伸ばした。

 そのとき、不意にエコーのかすれた声が聞こえた。

「本当に……お前は話すだけでドラゴンを従わせたと思ってるのか?」

 フレームは電流の強さを調整し、そちらの方向へピストルを発射した。

「違う。俺は……戦ったんだ。」

 外れた。フレームは引き込みを作動させた。

 今度は別方向からエコーの声がした。

「お前は本気で思っているのか?外の人間嫌いのモンスターたちに一人で立ち向かい、全て倒せると?自分をそんなに強いと思っているのか、ゴスター?」

「俺たちならできる。」フレームは反論した。「俺は仲間を信じてる。みんなと一緒なら、成し遂げられる。」

 その瞬間、フレームは耳元に誰かの息遣いを感じた。

 国家魔法使いさんが耳元で囁いた。「なら――その強さ、見せてみろ。」

 そして、引き金が引かれた。


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