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第45話 (3/4)

 

 五時間の飛行の末、彼らは目的地に到着した。

 氷に覆われた岩の間を滑空して降下し、峡谷の底に着地した。

 ドラゴンたちの足が地面に触れたとき、温度計はマイナス31度を示していた。

 フレームは古風な門のアーチを見つめ、石造りのバラの蔓を目でたどった。その門は、恐ろしい秘密を隠しているにはあまりにも美しすぎた。

 ディリーは御者台を降り、踏み板を渡って馬車のドアへ向かった。

 フレームとモスも自分の狩猟竜から降りて、彼女の後に続いて車内へ入った。

 アサノの指示どおりに、ディリーは美しいキエロに飲み物を与え、そこに数滴の麻酔薬を混ぜた。

 その後、フレームとモスは重いパブロンさんを持ち上げ、馬車から降ろして隔離ゲートの前へと運んだ。

 キエロの手を花の模様に押し当てる前に、モスが尋ねた。「準備はいいか、ゴスター?」

 フレームはうなずいた。

 パブロンさんの指が開閉機構を起動させ、折りたたみ式のパネルが開いた。

 彼らはキエロを再び馬車へ戻し、自分たちは鞍にまたがって旅行ドラゴンの背に乗り、隔離室ステーションの通過エリアへと進んだ。外扉が彼らの後ろで閉まり、雪と寒さを遮断した。

 プシュー…シュー…プシュー…通路エリアが加熱を開始した。

 彼らは青信号を待った。

 それが南バンカーへの入場許可を意味する。

 彼らはより良い未来を待っていた。

 人食いのない世界を。

 内扉の折りたたみパネルが開く瞬間を。

 金属の亀裂が軍事用の巨大空洞を露わにし、この世界の運命を握る人物──第一国家魔法使い──と、直接対面するその時を。


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