第41話 (1/5)
寝る時間になると、モンスターたちを除いた全員がサーモスリーピングバッグにくるまった。人間と違って、ドラゴンや一角獣は低温にも耐えられた。身体的にはモンスターの方が人間より優れている部分が多かったが、唯一、彼らとの間に力の差を生む性質があった。それが、テロンが語っていた「軽率さ」だった。
ようやくフレームは、父親の言葉の意味を本当に理解し始めた。
狩人たちは次第にいびきをかき始めたが、フレームはしばらく眠れず、白いシートを見つめ続けていた。
眠れなかったのは彼だけではなかった。
誰かが彼の肩を突いた。
フレームが振り返ると、ジモンの顔があった。
彼女はしゃがんで、ついてくるようにと手招きした。
フレームは寝袋から抜け出し、彼女についてドームテントの一番外れの静かな隅に移動した。他の皆を起こさずに話ができる場所だった。
「夜遅くにごめんね。」ジモンがささやいた。「明日になる前に、あなたに話しておきたいことがあるの。」
フレームはじっと彼女を見た。
ジモンは瞼を伏せて言った。「モスを守ってほしいの。」彼女は両腕で自分の体を抱いた。「あなたがどんな決断をしても、彼だけは何があっても守って。お願い、ゴスター。あなたを信じていい?」
フレームはためらわず答えた。「みんなを守るよ。」
ジモンは顎を突き出して言った。「違う、お願いしたのは『モスの命を守る』こと。忘れたとは言わせない。」
フレームは黙った。彼は忘れてなどいなかった。
「あなたをあの幽霊に任せることもできたのよ。」ジモンは続けた。「でも今、あなたはこうして生きている。あなたの戦う力は疑ってない、十分見てきたから。でも、あなたの意志は疑ってる。だからお願い。何が起ころうとも、モスを守って。」
「どうして自分のことを守ってほしいとは言わないの?」フレームが静かに聞いた。
「明日死んでも構わないの。」ジモンは答えた。「大事なのはモスが生きること。だって彼を巻き込んだのは私だから。」