第39話 (1/2)
「ここなら誰にも見つからないはずだ。」海野が言った。彼らが坑道の闇を抜けたときのことだった。「万が一見つかったとしても、君たちを隠すのは簡単だし、逃げることもできる。」
コンクリートで固められた坑道は突然終わりを告げ、果てしなく続く白銀の雪景色へと繋がっていた。
そこは地上そっくりだった。
光が満ちるクリスタルの洞窟。氷に覆われた地面はダイヤモンドのように煌めき、その名にふさわしい輝きを放っていた。
割れ目から差し込む柔らかな太陽の光と、そこから舞い落ちる雪の結晶が、静かに空間を彩っていた。
フレームは海野を見た。「これは君のアイディアだろ?」
海野は恥ずかしそうに視線をそらした。
「十傑には入れなかったけど」とフレームは続けた。「君は間違いなく、今年の中で一番の思考派だ。」
その言葉に、海野の顔は防護マスク越しでも分かるほど真っ赤になった。「ば、馬鹿言わないでよ!」
彼は鋭く生えたトゲバラの蔓を避けながら、凍った地面、氷結した湖、雪に覆われた丘を抜け、彼らをキャンプ地まで導いた。
文明から完全に隔絶された場所に、三つのテントが広がっていた。
トンネル型が二つと、大型ドーム型が一つ。
フレームはその前に停まっている狩猟竜を三頭数えた――その中には23号もいた。
一気に気分が明るくなった彼はゴドの背から飛び降り、ブーツが雪に沈み込むのも構わずに駆け寄っていった。
彼は23号と他のドラゴンたちを歓迎しに行った。
「やあフレーム!会えてうれしいよ!」23号が元気に呼びかけると、ゴドは隣に並び、雪玉のような丸い目でその狩猟竜を見つめた。
「喋れるのか!」
「ご挨拶もそこそこに、君は誰だい?」と23号は答えた。
その横で99号と72号が憤慨気味に鼻を鳴らした。「僕たちみんな、喋れるに決まってるだろ!」
「こいつはゴドだ。」フレームが説明した。
すると狩猟竜たちは一斉にユニコーンを見つめた。「まさか……あのゴド?!」
その会話は突然中断された。ディリーが百四に乗って彼らの隣に着地したのだった。
「えっ、もう着いてたの?絶対に後ろにいたと思ってたのに!」ゴドは胸を張って答えた。「俺を追い越せるドラゴンなんていねぇからな!」
――もちろん、彼女には聞こえていなかった。
フレームがくすっと笑ったとき、海野が彼の腕を引っぱって言った。「中に入ろう。他のみんなが待ってる。」
「うん。」彼はテントのジッパーを開け、白いシートをめくり上げて、ゴドに向かって手招きした。「早く、中に入って。暖気が逃げる前に。」
「え、ちょっとフレーム?」ディリーが不安げに笑った。「それ、ユニコーンなんだけど……」
「分かってる。」フレームは答えた。
そしてためらっているゴドを真っ直ぐに見つめた。
「急いで。」
海野、ディリー、ちょうど馬車から降りてきたアサノもまた、
そのユニコーンがテントの中に入っていく様子を困惑しながら見守った。
フレームが続いて中に入る。
ゴドは、なんとか入口を通れる大きさだった。
電気ストーブの前には、すでに二人の猟師が座って体を温めていた。
ジモンがユニコーンを見た瞬間、目を見開き、信じられないといった様子で叫んだ。「なにあのモンスター、中に入れてんの!?」
一方、モスはまるで驚いていない顔をしていた。
彼らは輪になって腰を下ろした。
ディリーはアサノと一緒にジモンの左側に座り、
ゴドはモスとフレームの隣に体を横たえた。
最後に海野が来て、フレームとアサノの間に正座するように座った。
モスはフレームを見つめながら言った。「さあ、話してくれ。」