153/218
第36話 (3/6)
12時間前
収穫期26日
14,605年
得たばかりの知識とともに、彼女は灰になる――その瞬間まで一分とかからないだろう。
熱い炎が肌に触れ、死へと誘うように優しく撫でる。
だが、その火が身体を包んだとき、園香は感じた。
灼熱の痛みが、冷たさへと変わっていくのを。
もはや熱と冷の区別がつかなかった。
裸の肌に降る雪のように、地上を吹き抜ける風のように、それは燃えた。
園香は強く目をつむった。
まだ温かすぎた。あまりにも。
終わってほしかった。
何も感じたくなかった。何もかも。
苦しみを味わうくらいなら、何も感じない方がよかった。
彼女の肌は、凍りつき始めていた。