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第36話 (3/6)

 

 12時間前


 収穫期26日

 14,605年


 得たばかりの知識とともに、彼女は灰になる――その瞬間まで一分とかからないだろう。

 熱い炎が肌に触れ、死へと誘うように優しく撫でる。

 だが、その火が身体を包んだとき、園香は感じた。

 灼熱の痛みが、冷たさへと変わっていくのを。

 もはや熱と冷の区別がつかなかった。

 裸の肌に降る雪のように、地上を吹き抜ける風のように、それは燃えた。

 園香は強く目をつむった。

 まだ温かすぎた。あまりにも。

 終わってほしかった。

 何も感じたくなかった。何もかも。

 苦しみを味わうくらいなら、何も感じない方がよかった。

 彼女の肌は、凍りつき始めていた。


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