表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

146/218

第35話 (2/6)

 

 5年前


 14,600年、

 闇の時代・20日目


 ウェザロンは彼の隣に腰を下ろして言った。「お前、ずいぶん傲慢だな。」

 ルディは面食らって顎をかいた。「どういう意味?」

「いつも俺に勝たせてるだろ。それがムカつく。俺には自力でお前に勝てないと思ってんのか?」

 ルディはごくりと唾を飲み込んだ。気づかれていたのか?不安になりながら視線をそらす。

「他の奴らは騙せても、俺は無理だよ。」ウェザロンはニヤリと笑った。「だからさ、今回はちゃんと勝負しようぜ。」彼はポケットからトランプを取り出した。

 ルディはおそるおそる頷いた。どうすればいい?この友情を壊したくなかった。勝ってもいいのか?それとも——彼はまだ遊んでくれるだろうか?

 ウェザロンはカードを配り、ルディが手札を見た瞬間、強いカードを引いたと分かった。

「なんでお前、園香ともう結婚したくないんだ?」ウェザロンは何気ない口調で言った。最初のカードを場に出しながら。

 ルディは手札を眺め、一枚を選んだ。「知らなかったの?うちの親はお前の妹と俺をくっつけたがってる。」

「真は先週、ゴスター家の一人を殴ったばっかりだぞ。」ウェザロンは苦笑した。「お前に同じ運命を背負わせるのも、どうかと思うな。」

 ルディは吹き出した。「“どうかと思う”って。」

「真はもちろん素敵だよ。……でも、本当に“驚きの連続”ってやつだ。」

「何をやったの?」

「絵に水をぶっかけられた。」

「なるほどね。」ルディは山札から一枚引いた。ついに、その時が来た。どうする?負けに行くべきか?

「もし本気で真とやるつもりなら、俺は応援するよ。あいつの頑固さに耐えられるのは、お前くらいだしな。」ウェザロンは前かがみになって、手を頬に当てた。「それに、お前が身内になったらもっと会えるだろ?そしたら俺のこと、何回でもボコボコにしてくれていいからさ。」彼は捨て札に目をやった。

 ルディの最後のカードがそこに置かれていた。彼の勝ちだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ