第35話 (2/6)
5年前
14,600年、
闇の時代・20日目
ウェザロンは彼の隣に腰を下ろして言った。「お前、ずいぶん傲慢だな。」
ルディは面食らって顎をかいた。「どういう意味?」
「いつも俺に勝たせてるだろ。それがムカつく。俺には自力でお前に勝てないと思ってんのか?」
ルディはごくりと唾を飲み込んだ。気づかれていたのか?不安になりながら視線をそらす。
「他の奴らは騙せても、俺は無理だよ。」ウェザロンはニヤリと笑った。「だからさ、今回はちゃんと勝負しようぜ。」彼はポケットからトランプを取り出した。
ルディはおそるおそる頷いた。どうすればいい?この友情を壊したくなかった。勝ってもいいのか?それとも——彼はまだ遊んでくれるだろうか?
ウェザロンはカードを配り、ルディが手札を見た瞬間、強いカードを引いたと分かった。
「なんでお前、園香ともう結婚したくないんだ?」ウェザロンは何気ない口調で言った。最初のカードを場に出しながら。
ルディは手札を眺め、一枚を選んだ。「知らなかったの?うちの親はお前の妹と俺をくっつけたがってる。」
「真は先週、ゴスター家の一人を殴ったばっかりだぞ。」ウェザロンは苦笑した。「お前に同じ運命を背負わせるのも、どうかと思うな。」
ルディは吹き出した。「“どうかと思う”って。」
「真はもちろん素敵だよ。……でも、本当に“驚きの連続”ってやつだ。」
「何をやったの?」
「絵に水をぶっかけられた。」
「なるほどね。」ルディは山札から一枚引いた。ついに、その時が来た。どうする?負けに行くべきか?
「もし本気で真とやるつもりなら、俺は応援するよ。あいつの頑固さに耐えられるのは、お前くらいだしな。」ウェザロンは前かがみになって、手を頬に当てた。「それに、お前が身内になったらもっと会えるだろ?そしたら俺のこと、何回でもボコボコにしてくれていいからさ。」彼は捨て札に目をやった。
ルディの最後のカードがそこに置かれていた。彼の勝ちだった。